Zepp Tokyo外観

さらば青春のZepp Tokyo

22年間、6000公演から生まれた数々のドラマを振り返る

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Zeppでライブすることは1つのマイルストーン

2021年12月30日開催のTHE NINTH APOLLO主催イベントのタイトルが「THE NINTH APOLLO presents "1つの目標として存在してくれたZepp Tokyoにて"」だったことからもわかるように、収容人数2709人というZepp Tokyoでライブをすることはアーティストにとって1つのマイルストーンであった。Base Ball BearはNUMBER GIRLの解散直前のライブで初めてZepp Tokyoを訪れ、ライブ後に会場に隣接する観覧車に乗って「俺もいつかここでライブやるぞー!!」と叫んだという。でんぱ組.incは2013年に行われたワンマンライブの際に満員のフロアを見渡して「1年前には考えられなかった念願のZepp Tokyoのステージ」と目を輝かせ、ceroも2015年の「Obscure Ride」リリースツアーで「いよいよceroもZepp Tokyoでやることになりました、ありがとう!」と感慨深げに語った。2015年の時点でフリーライブにも関わらず会場を満員にできず「Zepp Tokyo! 絶対、満員にして戻ってくるからな!」とリベンジを誓ったBiSHはその2年後、3回目の「TOKYO BiSH SHiNE」でついに目標を達成。そのライブでアイナ・ジ・エンドは「これまでは『赤字イベントに来てね』なんて自虐的に言ってたけどほんとは悔しかった」と回顧している。

cero

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2017年、3回目の「TOKYO BiSH SHiNE」でついにZepp Tokyoを満員にしたBiSH。

2017年、3回目の「TOKYO BiSH SHiNE」でついにZepp Tokyoを満員にしたBiSH。

Zepp Tokyoを満員にできるようになったアーティストは、次のライブ開催地としてホール会場やアリーナ会場を目指すことが多い。その過程で、ミュージシャンにとっての聖地・日本武道館でのライブが視野に入ってくる。だからだろうか、Zepp Tokyoのライブにて日本武道館公演の開催決定が発表されるケースがままある。BLUE ENCOUNTは涙ながらに「俺は、この場所を守り続けるために音楽を作り続けようと思った。もっといい景色見に行こうな。連れていくよ」と言って武道館公演を発表。あいみょんも目を潤ませながら「2018年はいろんなことがありすぎたので、来年はみんなに感謝を返したいです」と話し、日本武道館での弾き語りワンマン開催をファンに伝えた。またSHISHAMOSUPER BEAVERもZeppで武道館公演開催の喜びをファンと噛み締めた。かと思えば怒髪天は「武道館より全然よかった! うまくできたとかそういうんじゃない。全員に、ちゃんと渡した!」と言って、結成30周年にして初めて行った日本武道館公演よりも翌年のZepp Tokyoでのライブに手応えを感じたという、いぶし銀のMCでファンを沸かせた。

あいみょん(撮影:永峰拓也)

あいみょん(撮影:永峰拓也)

渋谷龍太(SUPER BEAVER)(撮影:日吉"JP"純平)

渋谷龍太(SUPER BEAVER)(撮影:日吉"JP"純平)

ビッグアーティストも虜にするファンとの距離感

すでにホールやアリーナクラスのツアーを主戦場にしているアーティストも、Zepp Tokyoでライブすることに魅了されている。サカナクションは「やっぱりライブハウスいいね。すごい近い! だからなんか……アガるね」と声を弾ませ、赤西仁は「バンドでツアーをやるのは初めてなんですけど、大丈夫ですかね。いつもは踊るので、ステージでのやり方がわからなくて」と戸惑いつつも、フロアに飛び交う声に応じるなど観客とのコミュニケーションを楽しんだ。5日後に東京ドーム公演を控え、「東京ドーム前夜祭」と銘打った公演を実施したGLAYは、TAKUROの誕生日をサプライズ満載で祝福。クイズ大会も行われるなど、まさに前夜祭らしいアットホームなライブを行った。2021年12月だけで5回もZepp Tokyoでライブをするなど、“Love Like Zepp Tokyo”なaikoは、ファンの熱狂に思わずトリプルアンコールまで披露。VAMPSを含め幾度となくZepp Tokyoに“篭城”し、同会場での公演数第1位を誇るHYDEは、100回公演の際にはZepp Tokyoの支配人と鏡開きを行っている。ヤバイTシャツ屋さんも2021年3月2日から9日にかけてZepp Tokyo 5DAYS、10公演を実施。「正直マジでもう声が出ない」と言いながらも、かねてより目標に掲げていた“Zepp篭城”を完遂した。

TERU(GLAY)(撮影:岡田裕介)

TERU(GLAY)(撮影:岡田裕介)

aiko(撮影:岡田貴之)

aiko(撮影:岡田貴之)

Zepp Tokyoに“籠城”するHYDE(撮影:田中和子)

Zepp Tokyoに“籠城”するHYDE(撮影:田中和子)

1日3公演、計6時間の伝説的ライブ

アイドルたちも負けていない。ももいろクローバーZが2011年に行った1日3公演、計6時間ライブはファンの間で伝説となっており、BELLRING少女ハートは正月も開けきらぬ1月2日に1公演で35曲をパフォーマンスする荒業でファンを熱狂させた。けやき坂46も「絶対成功させて伝説にしよう」という意気込みでZepp Tokyo公演に臨み、その2年後には日向坂46としてカムバック。「あのときよりも成長できた」と自信に満ちたライブを繰り広げた。2021年12月9日にZepp Tokyoでバースデーイベントを開催したことも記憶に新しいあほの坂田。と志麻は、ソロでも浦島坂田船としてもZepp Tokyoの常連。同じく歌い手のluzがオーガナイザーを務める「XYZ TOUR」も全国のZeppを巡るのが恒例となっており、「平成最後」と銘打った2019年4月の「XYZ」では出演者たちが「まさか『XYZ TOUR』が元号をまたぐとは思わなかった」と口にしながらもZepp Tokyoで大団円を迎えた。

ももいろクローバーZ

ももいろクローバーZ

日向坂46

日向坂46

終わりと始まりの場所

この場所で活動に区切りをつけたアーティストも多い。Charisma.comの活動休止前ラストワンマンでは骸骨姿のいつかとゴンチの遺影が用意され、2人はステージに用意された真っ白な棺桶から登場。すべての楽曲を終えると、再び棺桶の中に戻るという演出でファンの目を釘付けにした。東京パフォーマンスドールは「ファンの皆さんは私たちの宝物です」とファンとの別れを惜しみ、常に予測のつかない活動を続けてきた清 竜人25はZepp Tokyo公演のラストに突然、約半年後のライブをもって解散することを告知。来場者がライブの余韻に浸る間も与えず感情に揺さぶりをかけた。

Charisma.com

Charisma.com

解散を発表した清 竜人25。

解散を発表した清 竜人25。

もちろん、Zepp Tokyoはアーティストが再スタートを切る舞台にもなってきた。2014年に一時活動休止していたSPYAIRは「すごい長い時間がかかったけど、みんな戻ってきてくれたよね。ツアーをやれてよかった。失って帰ってこないと思ってたものが、友達が、戻ってきたような気がします」と涙ぐみながら語り、中島愛は音楽活動休止を経て6年ぶりに実施したツアーのファイナルで「どのくらいの方に興味を持ってもらえるかと思ってたんですけど……本当に私は幸せ者ですね」と喜びを噛み締めた。チームしゃちほこから改名後、初のワンマンを行ったTEAM SHACHIは「チームしゃちほこのときの初ワンマンもすごく成功したと思うけど、今日はそれよりも成功した」と胸を張り、℃-ute解散から9カ月後、ソロで再スタートを切った鈴木愛理は「これからも共に歴史を作っていこうじゃないか!」とファンに呼びかけた。本名名義では初となる全国ツアーのファイナルをZepp Tokyoで開催した西川貴教は「一生の中でそんなにあるはずないのに、何度か経験している気がする(笑)」とユーモアたっぷりに語って笑いを取っていた。そして川谷絵音の未成年者との飲酒により活動を自粛していたゲスの極み乙女。は、アルバム「達磨林檎」をZepp Tokyoで販売し、その場で行うくじ引きの当選者のみがライブに参加できるという形で活動を再開。そのライブでは、アーティストビジュアルに登場する“達磨林檎”に右目を書き入れるという演出で自身の新たな門出を祝した。

鈴木愛理

鈴木愛理

ゲスの極み乙女。

ゲスの極み乙女。

本日を持ってZepp Tokyoの営業は終了するが、すぐそばには系列店のZepp DiverCity (TOKYO)がある。また2020年にはZepp Haneda(TOKYO)やKT Zepp Yokohamaもオープンしている。ライブハウスの火が消えることはない。そこでは、これからも日々アーティストとファンの思いがぶつかり合い、さまざまなドラマが生み出されていくだろう。

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恐山のマウンテンハット狂 @shirouSFX6

さらば青春のZepp Tokyo https://t.co/RLuC45DJKV Perfumeのカウントダウンライブが載ってないな?

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