長引くコロナ禍を受けて野外フェスも軒並み中止となり、多くの音楽ファンが楽しみを失ってしまった2020年の夏。読者の中に毎年恒例の旅行やキャンプといった行楽を断念した人も多いはず。音楽ナタリーでは読者にひと時の脳内旅行を楽しんでもらうべく、旅好きとして知られるアーティストへのアンケート取材をもとに「2020年の夏休み」と題した夏限定の連載企画を展開中。今回は
今まで旅した外国、および国内の印象深かった地域は?
海外
ロンドン、パリ、ドイツ(ミュンヘン、ベルリン)、オランダ、台湾(台北、高雄)、ベトナム、タイ、韓国、メキシコ(メキシコシティ、グアナファト、サンルイスポトシ、カンクン)、トルコ(イスタンブール、カッパドキア)、ジョージア
国内
長野県(上高地、大鹿村)、香川県(小豆島)、青森県(十和田湖)
その中で最も印象深かった場所は?
人生で一番最高の旅となったのは、メキシコ旅行です。砂漠に囲まれてキャンプに参加して、なぜかずっとandymoriの「peace」を聴いていたのを思い出します。この曲の歌詞の通り、だだっぴろい砂漠の中で、本当の心と本当の気持ちだけが溢れかえっていました。都会では絶対に見られない、想像よりも大きくて美しい空は、まさにこれ自体が(自然自体が)神様なんじゃないかと思うくらい、神聖なパワーを持っていて、自分が生きて死んでいくことのもっと大きな意味を、言葉ではなく、環境で教えられた気がしました。
グアナファトのカフェで、流しのミュージシャンにスパニッシュソングを歌ってもらったのもとてもロマンティックで美しかったなぁ。初めて人に「歌ってくれませんか?」と頼んだ自分に驚いたりもしました。
旅先で観たライブで一番思い出深いのは、初めての海外旅行だったロンドンで観たペティート・メラーのライブです。日本のライブとは違い、オーディエンスが全曲大熱唱する勢いで、カルチャーショックを受けたのを覚えています。頑張って3列目という好ポジションをゲットしたので、異国の憧れの女の子だったペティートを近くで見られたのも不思議で嬉しかったです。
あと、ベルリンのテクノ! 噂には聞いてたけど、バンド好きな私が、テクノに目覚めるきっかけになりました。
今から1週間、仕事や日常から完全に解放されて自由に旅行できるとしたら、どこに行ってどんなふうに過ごしてみたいですか?
もう一度メキシコに行きたいなぁ。あの砂漠で過ごした時間をもう一度味わいたい。何をするでもなくてよくて、アボカドをパサパサのパンに塗って、塩をかけて砂漠で食べたい。なんで海外で食べるパサパサのパンってあんなに美味しいんでしょうか。
うーん、でも、SHE IS SUMMERのクリエイティブチームである、デザイナーのゆいゆいや、ディレクターのくみちゃんとロンドンに行きたいね、とも話していて。あれがかわいい!これがかわいい!と言いまくる旅もしたい。夜は素敵なBARで、帰ったらこんなのを一緒に作ろう!!とか言って盛りあがりたい。
プレイリスト「2020年の夏休み」Selected by SHE IS SUMMER
01. Don't Leave Me Behind feat. Sunset Rollercoaster / Gym and Swim
02. By the Pool / 岡田拓郎
03. Summer end feat.claquepot / SHE IS SUMMER
04. からかひ / Sweet William, 青葉市子
05. Mystery of Love / スフィアン・スティーヴンス
06. HOPE / TENDRE
SHE IS SUMMER
2016年4月1日に始動したMICOによるソロプロジェクト。2020年7月に最新作「summer end feat. claquepot」をリリースした。自身の誕生日である9月3日に初のストリーミングワンマンライブ「summer end one man live -streaming-」を開催する。
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飯田下伊那 @iida_shimoina
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