店長であるスガナミユウに話を聞きながら、東京・下北沢のライブハウス / クラブ・LIVE HAUS(参照:下北沢に新たなライブハウス「LIVE HAUS」4月オープン)が完成するまでを追うこの連載。当初は4月9日のオープンを目指して準備が進められていたLIVE HAUSだが、新型コロナウイルス感染拡大のリスクを避けるべく、開店を延期することを発表した。今回はスガナミと共同で店長を務める宮川大仏に、2人が一緒に店を立ち上げることになった経緯やLIVE HAUSのステイトメントについて、さらにオープン延期となった現在の心境を聞いた。
取材・
出会いはOrgan bar
店長が2人という珍しい体制で運営していくLIVE HAUS。2人の出会いは、スガナミが下北沢THREE、宮川が渋谷のOrgan barでそれぞれ店長を務めていた頃にさかのぼる。
スガナミ 松田“CHABE”岳二(
大仏 そうでしたね。僕はOrgan barに15年間くらいお世話になって、店長としては9年間勤務していました。それだけの勤務年数になると、次第に自分の店を持ちたいという気持ちが強くなって。そのタイミングでスガナミさんと独立についての話もするようになったんです。お互いこの業界について思うところもあって。
スガナミ 「自分たちで店を持ったらこうしたい」みたいな話はしてたよね。「ただ雇われている立場だと限界があるというか、その店なりの考えや方針があるよね」っていう。それならお互いに協力し合って独立しようかという話になっていきました。
THREEとOrgan barのいいトコ取り
その後の独立の経緯は、本連載でも触れてきた通り。店長を2人で務めることについては、店の強みになると感じているそうだ。
スガナミ そもそも1つの箱に店長が2人いるってこと自体が珍しいんですよね。ライブハウスとクラブという異なる業種の店長をやっていた2人が協力して1つの箱を作り上げるわけだから、お互いのいい部分が同居しているような空間にしたかった。
大仏 それができてる店ってなかなかないですもんね。
スガナミ そうそう。それにイベントを制作する人間によって店のカラーが決まってくるんですけど、ライブハウスもクラブも、企画制作を行える人材が不足しているんです。それで言うと、それぞれの店で1年間のほとんどのスケジュールを埋めていた人間が2人もいるというのはうちの強みかなと思っています。あとどの職種もそうだと思うんですけど、店長は孤独なんですよ(笑)。いろんな場面で最終的な責任を持たなきゃいけない。それが2人体制になることで、いい意味でリラックスして働けるんじゃないかなと。
大仏 今の時代、小箱のクラブでもライブイベントを企画するところが増えたり、お酒やおつまみを充実させてバーの要素を強くしたり、音のよさで勝負したりとそれぞれがセールスポイントを強化しているんです。ただ昼間はライブハウスで深夜はクラブとか、1日通してクラブイベントを企画したりと柔軟に対応できる箱は少なくて、それがスガナミさんと一緒ならできるんじゃないかと思ったんです。あと雇用環境的に業界全体がホワイトだとは言えないので、その部分も改善していきたいっていうのは2人の共通のテーマとしてありました。
スガナミ しっかりとした雇用条件で運営出来ている店もあるから、自分たちが作る店もそうしなきゃっていうのはあるよね。ただこの粗利の少ない運営スタイルで店を回していくためには、平日もDJを入れて深夜3時頃まで営業する必要があるし、1カ月通してフルで稼働させるくらいイベントを打たなくてはいけない。でもLIVE HAUSは店長2人体制だから、THREEのときよりは楽なんじゃないかって気はしてます。
大仏 僕もそう思います(笑)。これも僕たちの強みですよね。
スガナミ そう、僕も大仏くんも前の職場から自分のコンテンツを持ってきてるんですよ。それと合わせて新しいイベントも企画していって、月のスケジュールを埋めていけたらと思っています。
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ほぼ完成、しかし新型コロナの影響でオープン延期 | ライブハウスができるまで 第4回 https://t.co/P99Y8pBdJR