ソウゴが今を楽しんで生きていたら、それでいい(奥野)
──「ジオウ」「ディケイド」は派生シリーズでさまざまな並行世界が描かれてきました。自分の役にはこの先どんな場所で、どのように生きていってほしいですか?
奥野 ソウゴにはピュアに生き続けてほしいですね。「王様になりたい」というちょっと変わった夢を追い続けてほしい。ゲイツ、ツクヨミ、たまにウォズ……っていうみんなとのほんわかした空気の中、幸せに生きていてください、と願っています。
──例えば奥野さんが10年後にまた演じることになったとしたら、そのときソウゴは王様になってるんですかね。
奥野 10年後……なってないんじゃないですかね(笑)。
一同 (笑)
兼崎 普通に就職してたりね。
奥野 それ、めちゃくちゃ面白いですね!
井上 いやでもさ、今までは10代だったから「王様になりたい」って夢も通用したけど……どうする? 50年後くらいに平成仮面ライダー70周年のお祭りになったとき、だいぶ歳を重ねたソウゴが「王様になりたいんじゃ!」って言ってたら。
一同 (笑)
奥野 確かにそれは困りますね(笑)。でも結局、ソウゴが今を楽しんで生きていたらそれでいいです。
兼崎 スウォルツは……また演じるとしたら、「居酒屋スウォルツ」みたいなお店をやっていてほしいですね。
井上 やっぱりそういう方向に行くんですね(笑)。
兼崎 コメディタッチの作品で、酔っ払ったスウォルツが能力を使ってめちゃくちゃに悪さする……みたいなのもいいですね。タイムジャッカーの2人も、ハチマキを巻いてその居酒屋で働いていて。すごいぶっ飛んだ話になっちゃいましたけど、そんなのがやれたらいいですね(笑)。
井上 僕は毎回「ディケイドはこれでラストだ」という思いでやっているので、今回で最後という認識です。でも万が一、もし続きがあるとしたら。例えば10年後……平成仮面ライダー30周年ですよね。ディケイドの体に付いているカードの数が、プラス10枚ってことです。いいですか、プラス10枚ですよ。今回のディケイド(コンプリートフォーム21)の時点で、顔面にカードが縦に2枚ついてますから。それがおそらく3枚になる。……ディケイド、どんどん顔長くなるじゃん。
一同 (笑)
井上 やばいですよ。ジオウだって、体についてる人形(ライダーレリーフ)がどんどん増えるわけで。
奥野 なるほど!
井上 今でこそかっこいいよ? でもまだ(グランドジオウの時点で)20個だから。これが増えていくと、大変なことになるからね。「ジオウ」が始まったことによって、僕らはアニバーサリー仮面ライダーと言われるようになったんです。平成仮面ライダー30周年の際には一体どんなアニバーサリーライダーが出てくるんだろうと思ったら、真面目に楽しみですね。ただ今は、顔面の2段カードが世の中に受け入れてもらえるんだろうかと心配でしょうがないのが、正直な心境です。
──ありがとうございます(笑)。では最後に、改めて作品の見どころを教えてください。
兼崎 壮の演じ分けは本当に見応えたっぷりです。そんな中、ストーリーの本軸とは別のところでタイムジャッカー組がわちゃわちゃやっているのも面白いと思います。諸田監督の演出はやっぱりエフェクトがすごく素敵なので、そこも期待していただければと思います。
井上 見どころというか、今回のストーリーに出てくる“選挙”にちなんだ僕からのメッセージなんですが……。「どの仮面ライダーの最終フォームが一番かっこいいか」の人気投票をするとしたら、ディケイドが1位になることはないんじゃないかと思うんですよ。
一同 (笑)
井上 だから逆に、皆さんの力でディケイドを1位にしてください。「仮面ライダーディケイドが一番かっこいいよね」と言ってもらえる世界が、どこかにきっとあると願います。ぜひとも清き1票をよろしくお願いします。
奥野 はい(笑)。本作では、今までの「ジオウ」シリーズで観てきたキャラクターたちとは一味違う部分を楽しんでいただけると思います。もちろん変わらない部分もありますが、ソウゴの変身ポーズはそれぞれ凝ってみましたし、タイムジャッカーの皆さんは驚くほどの怪演をされているので(笑)。必ず皆さんに楽しんでいただける作品になっていると思います。