「仮面ライダージオウ」「仮面ライダーディケイド」のスピンオフが、2月9日から配信されている。今回制作されたのは、TELASAで配信される「RIDER TIME 仮面ライダージオウ VS ディケイド/7人のジオウ!」と、東映特撮ファンクラブ(TTFC)で配信される「RIDER TIME 仮面ライダーディケイド VS ジオウ/ディケイド館のデス・ゲーム」の2作品。仮面ライダージオウ / 常磐ソウゴ役の奥野壮と仮面ライダーディケイド / 門矢士役の井上正大がダブル主演を務め、ヒロイン役の武田玲奈や「ディケイド」オリジナルキャスト・村井良大の出演でも話題を集めている。
映画ナタリーではTELASA配信作品「7人のジオウ!」にスポットを当て、奥野と井上、そしてスウォルツ役・兼崎健太郎の鼎談をセッティング。本作で改めて演じたキャラクターへの思いを語ってもらった。1人6役に挑んだ奥野が「自由奔放にやらせていただけた」と現場を振り返るほか、兼崎はスウォルツの“裏設定”を告白。さらに井上が、ディケイド新フォームへのある“懸念”を明かす場面も。
取材・文 / 浅見みなほ 撮影 / ツダヒロキ
企画を聞いたときの印象は「……1人6役!?」(奥野)
──映画ナタリーで本作の情報解禁を行ったとき、ファンにとってのうれしいサプライズとして話題になりました(参照:スピンオフ「仮面ライダージオウVSディケイド」「ディケイドVSジオウ」配信)。皆さんはこの企画を聞いた際、どんな心境でしたか。
井上正大 「ジオウ VS ディケイド」ということで、アニバーサリー仮面ライダーの2人が戦ってしまうんだな、タイトルの時点ですごいなと思いましたね。ディケイドとジオウは「仮面ライダージオウ」本編で戦ったこともあるんですが、とうとう決着を付けてしまうんだろうかという驚きと期待感がありました。
奥野壮 僕が企画を聞いたときの最初の印象は「……1人6役!?」ですね(笑)。「仮面ライダージオウ NEXT TIME ゲイツ、マジェスティ」で終わりだと勝手に思っていたので、またみんなで集まれるとわかったときはうれしかったです。
兼崎健太郎 僕らタイムジャッカー組は劇場版などにも出られなかったので、「ゲイツ、マジェスティ」でまた同じ役を演じることができてうれしかったんです。それで本当に終わりだと思っていたので、こうやってまた集まって撮影できることを素直に喜びました。台本を読んだときは、どういうふうに演じていこうかワクワクが止まりませんでした。
──約1年前の「ゲイツ、マジェスティ」に続き、兼崎さん演じるスウォルツは今回も教師の設定ですね。
兼崎 台本が、なんというか……すごく“何かやってほしい”という期待を感じる書かれ方だったので(笑)、それに応えるべく楽しんで演じさせてもらいましたね。
──スウォルツはもともと体育教師という設定もあったそうですが、今回は担当科目などの裏設定はあるんですか?
兼崎 テレビシリーズ本編が始まる前の企画書では体育教師だったんですけど、気が付いたらその設定がなくなっていました(笑)。台本には書かれていないんですが、僕個人の中では「ゲイツ、マジェスティ」のときからスウォルツは社会の先生だと思っていて。
奥野 そうだったんですね(笑)。
兼崎 そう。高校のときにちょっと強面の社会の先生がいて、個人的にそのイメージがしっくりきたんです。中身はちょっとハッピーな部分も持っているような、人間らしさが出ればいいなと思って演じました。
──なるほど。奥野さんは、すでに6役の演じ分けが発表されています。
奥野 台本を読んでまず思ったのは、「すっごい面白そう!」ってことです。こんなに個性豊かなソウゴたちを、どういう性格にして、どんなしゃべり方にして、どう演じ分けていこうか頭の中で構成していくのが楽しかったです。
──「ジオウ」本編の第11話、第12話で上堀内佳寿也監督のもと現在のソウゴと“3日後のソウゴ”を演じ分けた際、お芝居について深く考えたそうですね。その頃と比べて、演じ分けに手応えはありましたか?
奥野 やっぱりあの当時よりはできることが増えているので、演技のレパートリーを提示して、諸田敏監督にそれを調節していただきました。監督と話し合ったり、自分で考えたアイデアを現場に持っていくのが楽しかったですね。わりと自由奔放にやらせていただけたと思います。特に印象的だったのは“ソウゴF”。髪の毛は真っピンクだし、ほかの5人に比べて異端な存在で。
──井上さんは今回の脚本を読んでどう感じましたか? 脚本を手がけたのは、「ディケイド」でもおなじみの井上敏樹さんですね。
井上 井上敏樹さんの脚本の印象は……まず、こう読み始めるじゃないですか。で、読み進めていって……5行進んだくらいのところで「ん?」ってことが起こるんですよ。そこから5行くらい戻ってもう1回読み直して「やっぱそう書いてあるよね」と確認するんです(笑)。ここでこれが出てくるんだ! こういう展開になるんだ!って、読んでいて僕らも揺さぶられると言うか。
奥野 わかります。
井上 きっと、それがそのまま視聴者の方にも衝撃を与えるんじゃないかと思います。井上敏樹さんはディテールをしっかり捉えつつ、起伏の大きい脚本を書いてくださいます。とんでもない展開も、ある種筋が通っているからこそ見入ってしまうという印象です。今回もまさにそうでしたね。
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20歳を迎えて大人になったなあ(兼崎)