稲葉友さんはお兄ちゃんみたいな方(押田)
──そして今回は、「仮面ライダードライブ」詩島剛 / 仮面ライダーマッハ役の稲葉友さんが、レジェンドライダーとして出演されているのも見どころですよね(参照:劇場版「ジオウ」に稲葉友&クリス・ペプラー出演「ひとっ走りお付き合いください」)。稲葉さんとは、現場でどのようなお話を?
奥野 とにかく、すっごく楽しかったんです!
押田 稲葉さんは本当に素敵で、お兄ちゃんみたいな方なんです。最初から近い距離で接してくださったので、今までご一緒したレジェンドの先輩方の中でも初めての感覚でした。おかげでお芝居もしやすかったですし、わからないことがあっても聞きやすかったです。この劇場版に稲葉さんが出演してくださってよかったなと、本当に思いました。
奥野 そうそう、フランクに接してくださったんです。あとは、マッハの変身シーンについてもいろいろと伺いました。「毎回あんなに派手な変身なんですか!?」「実はいろんなパターンがあってね……」ってお話をしたり、変身ベルトのギミックについていろいろ教えていただいたり。何を聞いても答えてくれる、本当に優しい方でしたね。
大幡 私は去年、稲葉さんとラジオでご一緒する機会があったので、今回の現場でもよくお話させていただきました。現場でちょっとしたアクションをするシーンがあったんですが、一番動きが大変なのは稲葉さんなのに、私のための場所や通り道を空けてくださって、気を使っていただいたんです。すごく優しくて面白い方だと思いました。稲葉さんのクランクアップに立ち会えなかったので、それだけはすごく残念です。
渡邊 僕はワンカットしかご一緒できなかったので、ご挨拶くらいしかできていなくて……。レジェンドの方とあまり関われないっていうの、僕の“あるある”なんですよね。
奥野 あるある。
──そうなんですね。テレビシリーズを含めて、一番共演シーンが多かったレジェンドはどなたですか?
渡邊 トドロキさん(トドロキ / 仮面ライダー轟鬼役の川口真五)か戸谷さん(海東大樹 / 仮面ライダーディエンド役の戸谷公人)かなあ。実は(井上正大演じる)門矢士( / 仮面ライダーディケイド)とウォズもあまり一緒にいなくて。
──ウォズがソウゴの誕生日を盛大に祝うべく、トドロキさんに弟子入りする響鬼編(※第33話、第34話では、「仮面ライダー響鬼」がフィーチャーされた)は、すごくほほえましかったです。
渡邊 正直僕、川口さんのことを、最初は見た目だけのイメージで怖い人だと思ってしまって……。本当に自分の勘違いで申し訳ないんですけど、ちょっとしたことで怒られたらどうしよう、とんでもない人なんじゃないか、と恐れていたんです。でもいざ勇気を出して話しかけてみたら、すごく気さくで、すぐ笑顔を見せてくれる方でした。
一同 (笑)
渡邊 あと、ここはイメージ通りだったんですけど、すごく熱い方でした。トドロキさんが師匠(ザンキ / 仮面ライダー斬鬼)の話を独り言のようにつぶやいて、それを聞いたウォズが密かに決心する……というシーンでは、いろいろこみ上げてしまったのか、川口さんが泣きそうになっていたんですよ。それを見て僕は、「こういうタイプの方に、悪い人間はいない!」と確信しました。本当にトドロキさんのキャラそのままという感じで、大好きです。
人生における大きな決断は、この仕事に就いたこと(大幡)
──今回の映画は“自分の手で未来を選択する”ということが大きなキーワードになっています。皆さんがこれまでの人生で、大きな選択・決断だったと感じることはありますか?
押田 僕はジュノンボーイ(ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト)を受けて、この世界に入ったことですね。それまで僕はわりと“いい子ちゃんタイプ”で、普通に大学受験をしましたし、周りの大人に褒められるような道を選ぶことが多かったんです。初めて自分で「こういう仕事をやりたい!」と思って飛び込んだという意味では、大きな決断でしたね。親に反対はされなかったんですが「珍しい決断だね」と言われました。たぶん、親は僕が普通に就職すると思っていたんじゃないかな。
大幡 私も押田さんと一緒で、この仕事に就いたことです。本当は進学するつもりで、オープンキャンパスに行ったときにスカウトしていただきました。大学に通いながらこのお仕事をするという道もあったんですが、私はそんなに器用な人間じゃないなと思って……。高校3年生でこのお仕事を始めてみたら、役者というお仕事1本でがんばりたいという気持ちが芽生えてきたんです。いろいろな人に相談したんですけど、最後は自分で「進学をやめて、この世界でがんばっていきます」と決めました。いつも人の意見に流されちゃうタイプなので、私にとっては大きな決断でした。
渡邊 僕は、仙台にいた頃、挨拶するくらいの気持ちで当時のモデル事務所に行ったら、すぐに契約の話になって……ということが役者を始めたきっかけなんですが、2人と同じような話になっちゃうのでそれ以外で考えますね。……となると、大学を卒業してからセブ島へ留学に行ったことです。短い期間だったんですが、とりあえず仙台から外に出てみたのは、大きな経験になりました。英語をしゃべれるようになりたくて行ってみたら、「今後の自分の可能性を狭めている場合じゃない!」と思えるようになったんです。
──留学に行くか、就職するかという選択肢があったということですか?
渡邊 就職はまったく考えていなかったです! 僕、22歳くらいから、役者をやりたいと思っていて。
押田・大幡 え!? 知らなかった!
渡邊 そうなんですよ。その頃はオーディションもあまり受けられていなかったので「時間があるなら海外に行ってみよう!」という思いで留学を決めました。
奥野 僕はなんだろう……。一度やめたクラシックバレエを、また習い始めたことですかね。2、3歳の頃からクラシックバレエを習っていて、もちろん大好きでした。でもやっぱり最初は自分の意志ではなく、親が始めさせてくれたんです。それで小学校5、6年の頃に一度やめてしまいました。でも中学2年生の頃に「やっぱり自分はクラシックバレエが好きだ、もう一度習いたい」とお願いして、再開したんです。結局やめてしまったんですけど、自分の意志でもう一度始めてから「このまま続けていても駄目だ」とあきらめがついたことは、大きな経験になったと思っています。
──ジュノンボーイの審査でもクラシックバレエを披露されていましたから、今の奥野さんがあるのはその経験があってこそなのかもしれませんね。
奥野 そうですね。そう思っています。
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社会問題を扱うライダーをもう一度(押田)