僕たちはすごいものを作った
──難しい場面ばかりだったとは思いますが、特にここはキツかったと感じたシーンはありますか。
公園で益田と鈴木が会話を交わす場面ですね。鈴木に「生きたいんだよ」と言われるところは、気持ちが高ぶりすぎちゃって。映画なのでアングルやサイズを変えて何度も演じるのですが、どれだけ時間をかけて、何度やっても涙が止まらなくなってしまって(笑)。さっきもお話したように、家に帰っても現場にいてもずっとスイッチが半押しの状態が続いていました。
──では、撮り終えたときは達成感とともにホッとした気持ちにもなりましたか?
すごくホッとしましたが、あの緊張感はまだ少しだけあります。作品がどういうふうに仕上がって、観てくれた方にどういうことを感じてもらえるのかも含めてですが、スタッフの皆さんとこの映画について話しても、いまだに答えの出ないところに行き着くので「クランクアップしました、完成です!」というのもちょっと違うのかなと思います。
──本編を観終わったあとに最初に浮かんだことは?
観終わってしばらく呆然としてしまうというか、映画館の椅子から立ち上がれなくなるような作品でした。この映画をどう表現したらいいかわからないけど、とにかくすごいものを観た、僕たちはすごいものを作ったんだという気持ちが大きかったです。
──なるほど。
この映画を作ると決めたスタッフさんの心意気や覚悟は、尋常じゃないものだと思っているんです。その思いを僕らはお芝居で表現しなきゃいけないと感じていたので、映画という場所で僕らの使命を果たした気持ちになっています。瑛太とも「賛否両論ある作品になった」とよく話していますが、失敗を恐れずに真っ向から作品づくりをしたので、自信を持ってお届けしていいんじゃないかと思います。
キャラクター紹介
- 「友罪」
- 2018年5月25日(金)公開
- ストーリー
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ジャーナリストの夢に破れた益田は、見習いとして働き始めた工場で鈴木という名の男と出会う。自身の過去を語らず、人と関わることを避ける鈴木。だがある出来事をきっかけに、2人は次第に仲を深めていく。そんな折、かつて日本中を震撼させた殺人事件を調べていた益田は、同事件の犯人・少年Aが鈴木と同じ顔をしていることに気付く。
- スタッフ / キャスト
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監督・脚本:瀬々敬久
原作:薬丸岳「友罪」(集英社文庫刊)
出演:生田斗真、瑛太、夏帆、山本美月、富田靖子、佐藤浩市ほか
©薬丸 岳/集英社 ©2018映画「友罪」製作委員会
- 生田斗真(イクタトウマ)
- 1984年生まれ、北海道出身。2010年に「人間失格」で映画初出演にして初主演を務めた。近年の出演作品は、映画「土竜の唄 香港狂騒曲」「彼らが本気で編むときは、」、ドラマ「ウロボロス~この愛こそ、正義。」など。2019年の大河ドラマ「いだてん ~東京オリムピック噺(ばなし)~」に三島弥彦役で出演が決定している。