小芝風花が主演を務め、「SPEC」「民王」シリーズなどで知られる西荻弓絵らが脚本を手がけたドラマ「妖怪シェアハウス」。8月1日に放送がスタートした本作では、ダメ男との恋が原因で金や仕事、住まいまで奪われてしまったどん底のヒロインが、妖怪たちと共同生活を送る姿が描かれる。TELASA(テラサ)では、本編を全話見逃し配信しているほか、オリジナルスピンオフ「妖・怪談」も配信中だ。
映画ナタリーでは、人に嫌われることを恐れ周りの空気ばかり読んでいる主人公・目黒澪(めぐろみお)を演じる小芝にインタビューを実施。異色のホラーコメディに挑む心境やお気に入りの妖怪、コメディを演じるうえでのこだわりを聞いた。
取材・文 / 金子恭未子 撮影 / ツダヒロキ
ヘアメイク / 竹下あゆみ スタイリング / 成田佳代
妖怪とシェアハウスってどういうこと?と思いました(笑)
──「妖怪シェアハウス」放送決定のニュースは映画ナタリーでも配信したのですが、その日のアクセスランキング1位でした。
本当ですか!? すごくうれしいです。
──小芝さんの周りではどんな反響がありましたか?
「美食探偵 明智五郎」というドラマの撮影をしていたのですが、共演者の方やスタッフさんは「次、こんなのやるんだ! 面白そうだね」と楽しみにしてくれていました。主演の中村倫也さんから「ワンシーンだけ出してよ!」と声を掛けてもらったので、「妖怪役で出てくださいよ!」なんて返したり(笑)。周りはすごく喜んでくれています。
──民放の連続ドラマは今回が初主演ですね。
私でいいのかな?とプレッシャーを感じることもありますが、主演だから気張らなきゃいけないとは思っていないんです。周りの方に支えられて主演にしていただいているんだなと実感しています。緊張はしますが、共演者の方々が素晴らしい役者さんばかりなので心強いです。豊島圭介監督は「ラッパーに噛まれたらラッパーになるドラマ」でもお世話になった方なので、存分に甘えさせていただこうと思っています(笑)。
──脚本を読ませていただきましたが、設定がとてもユニークですよね。小芝さん演じる目黒澪は妖怪たちとシェアハウスで共同生活を送るという役どころです。
最初にオファーをいただいたときは、妖怪とシェアハウスってどういうこと?と思いました(笑)。でも、もともとファンタジー作品が好きだったので、妖怪と一緒に住んだら楽しいだろうなとすぐにワクワクしましたね。幽霊は怖いというイメージがあるのですが、妖怪は陽気で愉快なイメージが強くて。
──それは好きな作品の影響ですか?
そうです。「ゲゲゲの鬼太郎」や「妖怪大戦争」の影響だと思います。実際に妖怪がいたら楽しそうだと思うので。
──お気に入りの妖怪はいますか?
最近「妖怪大戦争」を見直したんですが、すねこすりはかわいすぎます! 「ゲゲゲの鬼太郎」だったら一反木綿が好きです。空を飛びたいなと思いますね。
純粋さやまっすぐさを最後まで大切に演じられれば
──澪と一緒に暮らす妖怪も個性豊かです。松本まりかさん、毎熊克哉さん、池谷のぶえさん、大倉孝二さんがそれぞれ演じています。
ナイスキャスティングですよね! 最初に聞いたときにぴったりだと思いました。大倉さんのぬらりひょんはすぐに想像できましたね(笑)。松本さんが演じているお岩さんはすごく怖いけど妖艶。毎熊さんの酒呑童子は顔が真っ赤で、角も牙も生えて迫力があります。のぶえさんが演じる座敷童子はおかっぱ頭でかわいらしいお着物を着ているんです。ビジュアルにインパクトがあってそれぞれ魅力的。特殊メイクにもこだわっているので注目してほしいです。毎熊さんの酒呑童子は3時間ぐらいメイクに時間が掛かってます!
──演じてみたい妖怪はいますか?
お岩さんがすごく好きです。浮気男をめちゃくちゃ過激な方法で退治してくれるのですが、普段は優しい看護師さんで、傷付いてボロボロになった澪に最初に寄り添ってくれたのも彼女でした。ダメンズを呪うときの恐ろしさと優しい一面とのギャップが笑えます。そのほかの妖怪も人間社会に溶け込んでいて、しっかり仕事にも就いています。隣にいる人がもしかしたら妖怪かも?というリアリティもこの作品の面白さの1つ。どの妖怪を演じても個性が強くて楽しそうだと思いますね。
──妖怪たちは本来人間と関わることが禁止されているにもかかわらず、澪の力になってくれますよね。
澪には放っておけない魅力がありますよね。放っておいたら、いろんな人に大切なものをどんどん吸い取られてしまう危うさがある。だから妖怪たちも「私たちがいないとダメね」って守ってあげたくなると思うんです。散々ひどい目に遭っているのに、人を信じることができる点も彼女の魅力です。澪の純粋さやまっすぐさを最後まで大切に演じられればと思っています。
次のページ »
女性用の下着を「俺のだよ」って言われたら、納得できない(笑)