映画ナタリー Power Push - 「闇金ウシジマくん Part3」「闇金ウシジマくん ザ・ファイナル」
今だから言える!? カウカウファイナンス受付嬢&No.2から見たメンバーの素顔
山田孝之を主演に迎え、金と欲望に翻弄される者たちの姿をリアルに描いてきた実写版「闇金ウシジマくん」シリーズが2016年をもって完結。テレビドラマのシーズン3を皮切りに、ネットビジネスにはまっていく若者の行く末を追う映画「闇金ウシジマくん Part3」、そして山田演じる主人公・丑嶋の過去を紐解く映画「闇金ウシジマくん ザ・ファイナル」の3作が連続して世に放たれ、6年間続いた同シリーズのフィナーレを飾った。
このたび「闇金ウシジマくん Part3 / ザ・ファイナル」の配信が3月10日よりauの動画配信サービス・ビデオパスで開始されることを記念し、丑嶋が社長を務める金融会社・カウカウファイナンスの受付嬢モネ役の最上もが、丑嶋の右腕的存在・柄崎役のやべきょうすけに単独インタビューを実施。作品やカウカウメンバーへの思いを、最上は愛情たっぷりに、やべは熱を込めて思う存分語ってくれた。
取材・文 / 金須晶子(P1~2)、イソガイマサト(P3~4) 撮影 / 塚原孝顕
まさかの共演に、孝之さんから「俺が根回ししたと思われる」って
──山田孝之さんと最上さんはフェスの会場で一緒に写真を撮ったり、もともと交流があったんですよね。今回、そのつながりでのキャスティングだと思ったファンも多いのでは?
実は違うんですよ、それに全然仲良くないです。って言うと語弊がありますが(笑)。共通の友人がいて、たまたまフェスやイベントでお会いする機会があってご挨拶する程度で。氣志團万博2015に出させていただいた頃、ちょうど「ウシジマくん」への出演が決まって、孝之さんも来ていたので「共演しますね」って話したら「俺が根回ししたって思われる。Twitterにあんまり書かなきゃよかった」ってびっくりされていました。
──山田さんがいるとは言え、もともと長く続いているシリーズに途中参加するのは不安でしたか?
そうですね。それに孝之さんが実際にお仕事しているところを見たことありませんでしたし。知り合いであっても、安心というより「どうしたらいいんだろう!」って。でも撮影初日が終わって、孝之さんに「めちゃめちゃ緊張しました!」って言ったら、「一生懸命やろうとしているのはみんなに伝わってるから大丈夫だと思う。カウカウファイナンスの受付として、俺はやりやすいよ」と言ってくださったので、大丈夫だったんだと。あ、「芝居は別として」とは言われましたが(笑)。でもその言葉をもらえたことで「よし、がんばろう!」と思えました。
「ウシジマくん」シリーズ唯一の良心
──最上さんが演じた受付嬢・モネは、原作にいるのかいないのか、どちらとも言えないキャラクターですよね。
原作にもカウカウの受付嬢は出てきますが、実写版ではすべて別の女優さんが演じていますし、(山口雅俊)監督もその都度キャラクターを変えているんです。だからぼくの中で参考にするものが1つもなくて、とにかく監督に「モネってどういう子ですか?」って聞いていました。台本上だけではモネのキャラクターがわからない部分が多すぎて。あと、カウカウの共演者の皆さんは人にアドバイスするタイプの人たちではないんです(笑)。たぶん聞いたら教えてくれるんでしょうけど。「自分で探ればいいよ」というタイプ。だからぼくにとって撮影は毎回チャレンジでした。
──モネのキャラクターについて、皆さん「女神みたい」と表現されていましたが。
監督が言うに、モネは「カウカウファイナンス、シリーズ唯一の良心」。普通に素直な子で、悪いことは悪い、かわいそうなことはかわいそうって思っているんですけど、カウカウで働いているところがまた面白い。今までの受付って、債務者の方たちを一緒になっていじめていたというか、ちょっとSっぽい子が多かったんです。モネはカウカウの人たちを嫌ったり軽蔑したりはしていないし、丑嶋社長のことも尊敬しているんですけど、やり過ぎだと思ったら「可哀想だからやめてあげてください!」って言える優しい部分があるんです。
──そんな子がどうしてカウカウに行き着いたんでしょう。裏設定はあるんですか?
モネは当初、もっと無口で人見知りっていう設定だったらしく。監督から言われたわけではなく、マネージャーさんから「こういう役の依頼が来ているよ」と情報として聞いたんですけど。なんとなく、ぼくの過去と近かったんですね。人見知りで、ネットの世界にどっぷり浸かって借金を抱え、たどり着いたのがカウカウ、みたいな。でも台本を見させていただいたら普通に明るくて、対応もよくて、お金の計算もパパッとできる子で、「どれでいけばいいの!?」って。毎日撮影を重ねていくうちに、だんだん「モネはこういう子」ってわかって演じるのが楽しくなりました。
緊張がほぐれたのは、社長&柄崎の文通
──アドリブもけっこうあったんですか? カウカウメンバーの掛け合いが自然で、台本なのかわからない部分もありました。
カウカウのシーンは基本的にアドリブはなかったです。ただ、後ろで笑わせてきたりはありましたね。「耐えろ! ここは笑っちゃいけないから、やべ(きょうすけ)さんの顔は見ちゃいけない!」みたいに自分に言い聞かせたり(笑)。
──(やべ演じる)柄崎とモネのボケツッコミみたいなノリも自然でした。
モネから見たカウカウメンバーの関係性って、(崎本大海演じる)高田は対等。で、柄崎のことはちょっと下に見てるんです(笑)。それがぼくの中で面白くて。そういえば孝之さんとやべさんが現場で文通をしていて、それでぼくの緊張がほぐれたんです。
──文通ですか?
カウカウの事務所にあるメモ帳に手紙を書いて、お互い机の中に入れていくんですよ。で、ぼくの撮影初日にも孝之さんがやべさんの引き出しに手紙を入れて。それを見たやべさんがププッて笑うんです。「お前の隣にいるの、でんぱ組だぞ」って書かれていて、その横にぼくの似顔絵も(笑)。空き時間になると、だいたいやべさんとかがお絵描きしてるんです。そういう姿を見ると、緊張をほぐしてくれたのかな?って。それか本当に暇だったのかもしれませんが。どっちだろう?(笑)
──なんだかほっこりしました。
ぼく、最初に人と壁を作ってしまうので。それをぶち壊してくださってありがたかったです。孝之さんも筋トレのやり方を教えてくれたり。あとカウカウの壁に貼ってある四文字熟語はぼくが実際に書いたんですけど、「俺のほうがうまいよ!」ってめっちゃ言われてました(笑)。孝之さんにも書いてもらいましたが、そんなに変わらなかったです(笑)。
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「闇金ウシジマくん Part3」2017年3月10日(金)配信開始
「闇金ウシジマくん ザ・ファイナル」2017年3月10日(金)配信開始
©2016真鍋昌平・小学館/「闇金ウシジマくん3」製作委員会・MBS
©2016真鍋昌平・小学館/映画「闇金ウシジマくん ザ・ファイナル」製作委員会
最上もが(モガミモガ)
2月25日生まれ、東京都出身。6人組ユニット・でんぱ組.incのメンバー。2017年1月にアリーナツアー「でんぱ組.inc 幕神アリーナツアー2017 電波良好Wi-Fi完備!」や、2度目の日本武道館ワンマンライブを成功させる。ソロ活動としてグラビア、ドラマ、映画などでも活躍。主な出演作にドラマ「ウルトラマンギンガS」「重版出来!」、映画「劇場版 ウルトラマンギンガS 決戦!ウルトラ10勇士!!」など。初めて編集長を務めた雑誌「最上もがのもがマガ!」が4月10日に刊行される。