飯塚監督は恩師のような存在(醍醐)
──野球部の原田監督を演じた髙嶋政宏さんをはじめ、濃いキャストがそろっていますね。アドリブなどもあったのでしょうか。
醍醐 ありましたね。
黒羽 どんな動きをされるのか、毎回楽しみでした。
醍醐 テストのときからされていて、カットが掛かったら笑いが起こっていました。原田監督が怒るシーンは、笑いをこらえるのが大変でしたね(笑)。
──飯塚健監督の演出で心に残っていることも教えてください。
黒羽 テストの段階で監督が求めるものを伝えてくださって、あとはすべてこちらに身を委ねてくれました。基本的に本番では、よっぽどのミスがない限り、一発で行けることが多かったです。監督とスタッフさんの一体感もすごくあったから、巻いて終わることが多かったのかなと。
醍醐 飯塚監督にはもう本当にお世話になりました。役柄に対してのことは本読みの段階から解釈が同じだったので、もっとテクニカルな部分を教わったんです。これは1つの例にしか過ぎないんですけど……スリッパを投げられてビクッとなって、気を付けをして「すみませんでした」と謝るシーンでは「できる限り体を低くして避けたほうが、次に気を付けをするときに、体の振り幅が大きく見えるよ」とか。さりげなくやっちゃいそうなところも細かく教えてくれて。「そういう目線で1つひとつのシーンを見て計算していったら、もっとステップアップできるんじゃないか」と言ってくださって、すごく勉強になりました。僕にとっては恩師のような存在で、今でも次の作品の話をすると、引き出しを増やせそうな作品をリストアップして送ってくださったりします。
黒羽 部活の監督であり、映画監督でもあり……という感じで。髙嶋さんもいますし、監督が2人みたいな感じでした(笑)。
──そういう現場を経て、完成作を観た感想はいかがでしたか。
黒羽 ドキュメンタリーを観ている感じはありましたね。僕自身が野球をやっていたので「わかるわかる」と思うところもありますし、純粋に面白かったです。
醍醐 僕は自分の作品をまだ俯瞰で観られたことがないので、脚本も読まない状態で、僕じゃない人として観てみたかったなと思いました。この作品をお客さんはどんなふうに受け取ってくれるんだろうなって。でも飯塚監督を信頼してやってきましたし。そう言えば、グラウンドという限られた場所が同じ場所に見えないのもいいなと思いました。たぶん同じ場所にカメラを置かないようにして、同じ空間なのに違う景色で撮っていたんですよね。画としてもきれいで、素晴らしくテクニカルで感動しました。
黒羽 野球のシーンもCGはほとんど使っていないんじゃないかな。わざとエラーをすることもなく、硬式ボールを使って吹替なしで全部リアルに撮っているんです。ボールが当たればちゃんと痛くて、そこには嘘がないので見どころの1つになっていると思います。
醍醐 僕自身、純粋に笑いに特化した映画を最近観ていなかったとも思って。約90分にこれだけ笑いの要素をぎゅっと詰め込んでいるので、部活をやっていた経験がある人はもちろん、ない人もどこかしら笑える部分があるはずなんです。「いったい何を観たんだろう?」でもいいですし、「なんか笑ったなあ」と純粋に人を笑顔にできる作品だなって。映画館から出るときに明るい気持ちになって上を向ける作品だと思いますので、気軽に観に来てくれたらうれしいです。
飯塚健から醍醐・黒羽へ手紙のサプライズ
──最後にサプライズで、飯塚監督からお二人にいただいたお手紙をお渡しいたします!
醍醐・黒羽 ありがとうございます!
黒羽 (開封しながら)どうする? 現金が入ってたら(笑)。
醍醐 そういうオチ?(笑)
飯塚健→醍醐虎汰朗
初めての映画主演、さぞ気負っただろうし、重圧に怯えながらの戦いだったと思います。
が、必死にあがくその姿が、野球部最下層の一年ボウズと重なり、日々の成長を見るのが楽しみでした。
その道の先で、また一緒に映画をつくりましょう。
飯塚健→黒羽麻璃央
熱い気持ちはあっても、事情ゆえ、一人ボウズにできなかった麻璃央。その後ろめたさはちゃんと知っています。
きっと、その分他の何かで返そうとしていたことも。
俳優部としてのその器用さは強さでもあり、弱さでもあると思います。
何を選んで磨くのか、それを見る日が楽しみです。
やはり、映画の現場で、がいいですね。
醍醐 また一緒にやろうと言ってくださるのは、役者冥利に尽きます。役者はまた同じ監督とやりたいものなので、それを熱く言ってくださるのはうれしいです。また監督とご一緒させていただけるなら、スポーツものじゃない作品がいいですね(笑)。真逆と言えるくらい作風が違う作品で、監督の現場がどんな感じになるのか気になります。……でも、まだ今すぐにご一緒というよりは、もっと自分がちゃんと成長して、いろいろな意味で還元できるようになってからご一緒させていただけたらと思います。
黒羽 ファンレター以外では、久々に手紙というものをいただきました。僕も同じで、また違った形で、監督のもとで俳優部として恩返ししたい。こういう芝居もできるんだと、いつか見せたいです。成長した姿を見せたいし、驚かせられたらいいなって。やっぱりまた映画の現場でお会いしたいですね。
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プロフィール
醍醐虎汰朗(ダイゴコタロウ)
2000年9月1日生まれ、東京都出身。2017年、「舞台『弱虫ペダル』新インターハイ篇~スタートライン~」にて3代目小野田坂道役で舞台初出演。2019年公開の新海誠による長編アニメーション映画「天気の子」では主人公・森嶋帆高役を務め、第十四回 声優アワード 新人男優賞に輝く。2022年、舞台「千と千尋の神隠し」にハク役で出演した。このほかハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」(主演)、ドラマ「先に生まれただけの僕」やHuluオリジナル「未来世紀SHIBUYA」、映画「#ハンド全力」「宇宙でいちばんあかるい屋根」「昨日より赤く明日より青く-CINEMA FIGHTERS project-『BLUE BIRD』」などに参加。今後の出演作に2022年10月14日公開の映画「カラダ探し」、2022年度後期の連続テレビ小説「舞いあがれ!」がある。
醍醐虎汰朗 スタッフ【公式】 (@daigokotaro) | Twitter
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黒羽麻璃央(クロバマリオ)
1993年7月6日生まれ、宮城県出身。第23回ジュノン・スーパーボーイ・コンテストで準グランプリを受賞し、2012年に「ミュージカル『テニスの王子様』2ndシーズン」の菊丸英二役で俳優デビューを飾る。以後、「ミュージカル『刀剣乱舞』」、舞台「黒子のバスケ」、ミュージカル「ロミオ&ジュリエット」など多くの舞台作品に出演。映像作品はドラマ・映画「広告会社、男子寮のおかずくん」シリーズや「テレビ演劇 サクセス荘」シリーズ、映画「アヤメくんののんびり肉食日誌」「Sea Opening/シー・オープニング」「恐怖人形」、配信ドラマ「寝ないの?小山内三兄弟」などがある。舞台俳優たちによる野球イベント「ACTORS☆LEAGUE」を企画プロデュースしたほか、プロ野球の始球式にも参加している。フジテレビ系“月9”ドラマ「競争の番人」に出演中。2022年10月9日から公演のミュージカル「エリザベート」に出演、10月28日には映画「貞子DX」が公開される。