映画ナタリー Power Push - 「X-ミッション」

佐野岳を驚かせた“リアルでクレイジー”な極限アクション

ジャッキー・チェンと共演して「X-ミッション」リメイク?

──スポーツバラエティ番組でも大活躍の佐野さんですが、演技とスポーツには重なる部分があると思いますか?

すごくあります。殺陣では思考と体の動きをうまくシンクロさせないと、本当に斬ったり斬られたりしてるように見えないんです。動きのない演技にしても同じで、まず動けるという前提がないとうまく見せられないと思います。

──「仮面ライダー鎧武/ガイム」では激しいアクションに挑戦されていますね。

佐野岳

テレビだと「鎧武」だけですが、舞台ではアクションや殺陣のシーンが多くある作品に出させていただいてます。去年の夏には、劇団30-DELUXの「義経千本桜」という舞台にゲスト出演させてもらって、中国的な殺陣に挑戦しました。大好きなジャッキー・チェンがやっていたような動きを自分ができたことが、すごくうれしかったですね。

──佐野さんが目標にされるのはジャッキー・チェンなんですね。

やっぱり生身のアクションに惹かれるので、ジャッキー・チェンが大好きなんです。作品でいうと「酔拳2」が一番好きです。

──「X-ミッション」を佐野さんとジャッキー・チェンのコンビでリメイクするのはどうでしょう?

あ、すごくいいです! (しみじみと)やりたいですね……。年が離れすぎてて、(2010年版の)「ベスト・キッド」みたいな話になっちゃいそうだけど(笑)。

ユタとボーディの、本物の友情にグッときた

──本作には、アクション以外にも「潜入捜査もの」という要素があります。

左からユタ(ルーク・ブレイシー)、ボーディ(エドガー・ラミレス)。

そういう設定、大好きなんです! ただ「X-ミッション」は少し変わっていて、ユタとボーディが深く心を通じ合わせますよね。「ユタ、FBI辞めちゃうんじゃないかな」と思ったぐらい(笑)。

──佐野さんはユタとボーディのどちらに感情移入されましたか?

僕はやっぱりユタのほうですね。FBIに入ったきっかけについて、「規律が欲しかった」とユタが言うところがすごく心に残っていて。でもユタとボーディの考え方は、根本では同じだと思うんです。やり方が違うだけで。2人は似た者同士だからこそ惹かれ合ってると思うんですよね。

──2人の友情もこの映画の魅力ですよね。

佐野岳

世界を変えるために、過激な行動を起こすこともいとわないボーディ。それを許容できないユタがボーディに銃を向けるけど、どうしても撃てない!というシーンでは、強い絆で結ばれた男同士の友情を感じてグッときました。それに、ユタとボーディがミッションを達成してたたえ合うシーンでは、ユタ役のルーク・ブレイシーとボーディ役のエドガー・ラミレス自身が喜んでるように見えました。ルークとエドガーは、役を演じるうちに本物の友情を育んでいったのかもと思いましたね。

誰が観ても、絶対に何かを受け取れる映画

──ユタはボーディとともにミッションをクリアしていき、過去のトラウマから解き放たれていきます。佐野さんは芸能界で高い壁にぶち当たったとき、どのように乗り越えてきましたか?

「責任は自分にしか取れない」というセリフがこの映画の中にもあったと思うんですけど、本当にその通りだと僕は思っていて。仕事をしていると、怒られたり非難されたり、いろいろなつらいことがありますけど、結局その道を選択したのは自分自身ですから。そこでクヨクヨしても仕方ないので、割り切って自分を高めていくしかないんだと常に心がけてますね。

──「X-ミッション」では、ボーディとユタの関係が師弟のようにも見えますが、佐野さんには師と呼べるような存在はいますか?

佐野岳

JAE(ジャパンアクションエンタープライズ)の方にはいろいろ教えてもらいました。技の名前は忘れちゃったんですけど、くるくるくるって回って蹴る、みたいな技とか(笑)。JAEの方が本当にすごいなと思うのは、ヒーローものでスーツを着て視界がほとんどない状態でも、きれいな動きができることですね。これから、もっと教えてもらおうと思ってます。

──佐野さん自身、「X-ミッション」に触発されたところもあるのでしょうか?

そうですね。命懸けのアクションシーン、男同士の友情、自分の道をひたすら進む登場人物の信念の強さ。それらに触発されて、自分がこれからどういう人生の“ライン”を歩んでいくのかということについて考えたりしましたね。でも、僕だけじゃなくて誰が観ても絶対に何かを受け取れる映画だと思いますよ。

「X-ミッション」佐野岳コメント動画

Contents Index
第1回 谷垣健治が語る「X-ミッション」
第2回 佐野岳が語る「X-ミッション」Coming Soon
第3回 Jean-Ken Johnny(MAN WITH A MISSION)が語る「X-ミッション」

「X-ミッション」2016年2月20日より2D&3Dで公開

「X-ミッション」

若きFBI捜査官ジョニー・ユタに下されたミッションは、超一流アスリートの犯罪集団への潜入捜査。エクストリームスポーツのカリスマ、ボーディが率いるこの集団は、その天才的なスポーツスキルを駆使し、前代未聞の方法で次々と犯罪に手を染めているというのだ。自らも元アスリートであるユタは、ボーディに度胸と才能を認められ、チームに招き入れられる。命を危険に晒しながらともに行動するうちに、ボーディとの友情と捜査官としての正義に引き裂かれるユタ。果たして、決定的な証拠を掴み、彼らを捕えることができるのか? そして明かされる、彼らの本当の目的とは──!?

※映倫区分:PG12

スタッフ

監督・撮影:エリクソン・コア
脚本・製作:カート・ウィマー
音楽:トム・ホーケンバーグ

キャスト

ボーディ:エドガー・ラミレス
ジョニー・ユタ:ルーク・ブレイシー
サムサラ:テリーサ・パーマー
ホール教官:デルロイ・リンドー
パパス:レイ・ウィンストン

イメージソング

MAN WITH A MISSION「Give it Away」(ソニー・ミュージックレコーズ)

佐野岳(サノガク)
佐野岳

1992年4月3日、愛知県生まれ。2011年11月、第24回ジュノン・スーパーボーイ・コンテストでグランプリを受賞し、翌年6月には舞台「SAKURA」で俳優デビューを飾る。2013年には映画「『また、必ず会おう』と誰もが言った。」、特撮テレビドラマ「仮面ライダー鎧武/ガイム」で主演。「仮面ライダー鎧武/ガイム」では卓越した身体能力を生かして自ら多くのアクションシーンをこなしたほか、バラエティ番組「究極の男は誰だ!? 最強スポーツ男子頂上決戦」では第1回と第5回において総合優勝を果たした。そのほかテレビドラマや舞台「『終わりのセラフ』The Musical」への出演など活動の幅を広げ続けているほか、4月2日と3日には東京・豊洲PITで行われるイベント「Ever Green Entertainment Show 2016 Vol.5」に参加する。


2016年2月19日更新