俊藤さんは役柄としても佐藤瑠雅としてもサポーターでした(佐藤)
──「ギーツ」はサブキャラクターも個性豊かでしたが、お気に入りのキャラクターはいますか?
簡 ジットですね。ジットは変身シーンもすごくかっこよかった。
佐藤 僕はそば屋の大将の福男さんです。1年通してお世話になった大将ですし、全体のクランクインの日もクランクアップの日もそば屋での撮影があって、本当にいい経験をしたなと。顔にそばとか天かすとか付けて(笑)。それを一緒に乗り越えてくれたミスターちんさん、ありがとうございました。
杢代 五十鈴大智ですかね。最初はクイズ王から始まってジャマーガーデンの人になって、ジャマトになって……あの人はずっと何をしてるんですかね?(笑)そういう起伏があるところを含めて五十鈴大智は好きなキャラクターの1人ですね。
星乃 私の好きなキャラは冴さんです! 唯一ともに戦える女の子の友達だったので、祢音ちゃんは冴さんに会えてすごく勉強できたと思いますし、強くもなれたと思います。それになんと言っても女の子だけど男前というか、かっこいいなと思います!
──夏映画で復活してくれてうれしかったですよね。
星乃 登場の仕方がまたかっこいい!
簡 いやあ、うれしかった、あれは。
青島 私はギロリさんが好きです。ギロリさんは16話までの暗躍で、もしかしたらちょっとヘイトを集めてしまったかもしれませんが、結果的に一番良心的なゲームマスターだったなって思います。
──「ギーツ」は各ライダーを応援する、サポーターと呼ばれるキャラクターが登場するのが独特でした。ご自身のサポーターの魅力を教えてください。キャラクターについてでも、役柄についてでも大丈夫です。
簡 ジーン役の(鈴木)福くんは芸歴も僕よりはるかに長いのに気さくで、親しみやすい方でしたね。現場での振る舞い方が特に素敵だなって思いました。
佐藤 ケケラ役の俊藤(光利)さんは本番直前まで普段の優しい雰囲気のままなので僕もやりやすかったですし、お芝居となると雰囲気がスッとケケラに変わるので、こっちもすんなり切り替えられました。いろいろ手助けしてもらって、役柄としても佐藤瑠雅としてもまさにサポーターでした。
杢代 ベロバはやっぱりビジュアルがすごくかわいいですよね。左右の目の色が違うとことか、衣装も魅力的だなと思います。
──性格的な部分はどうですか?
杢代 ちょっかいかけてくるところがいいなと思います。道長も嫌がってるのにそのまま一緒に戦うとか、無視すればいいのにしないとか。道長もそういう性格なので、相性がよかったのかなと思います。“ベロバッファ”と言われるペアでファンになってくれた方もいて、うれしかったです。
星乃 キューン役の水江(建太)さんとはちょっと歳が離れてるんです。これまでは同世代での撮影が多かったから、最初は歳上の方とのお芝居に不安も多かったんですけど、初めましてのときに、「なんて呼んだらいいかな?」とか、積極的に話を広げてくださって。1日目の撮影から、ロケバスの移動中も会話をしてくださったり、一緒に練習してくださったり。それも水江さん側から誘ってくれるんですよ! 「僕、台本覚え悪くて」っていう、あくまで自分に付き合ってほしいっていう言い方をしてくださって。
──声の掛け方から完璧ですね……。
星乃 本編では祢音のほうが一枚上手というか、ちょっと大人っぽく映ってると思うんですけど、裏側は180度違って、ずっと助けてくださってました。キューンが手紙ではなく声に出して祢音を応援して、一緒に戦ってくれた30話なんかはキューンが水江さんだからこそ素敵な回が作れたのかなって思います。たくさんサポートしていただけて、すごく素敵な方でした。
──ツムリは終盤、“白ツムリ”にされてジットに拘束されていましたが、ジット役の佐藤流司さんとのエピソードなどありますか?
青島 ジットが怖い役柄だったし、あそこのロケのシーンは全部シリアスだったので、お互いが集中できる空間を作ってくださいました。あとはよくわからないボケというか(笑)、聞いたことのないことを言ってくる不思議なお兄さんだなっていう。
杢代 そんな感じなんだ。僕は一緒のシーンがまったくなくて、お会いしたことないんですよね。
青島 なんか「僕、生まれたときから固形物食べたことなくて、血液しか飲んだことないんですよね」っていきなり言われたことがあって(笑)。
──それにはどう反応されたんですか?
青島 「あ、ああ(苦笑)……人の血はおいしいんですか?」みたいな(笑)。
杢代 乗っかったんだ(笑)。
青島 人が一番おいしいらしいです(笑)。
自分が手に入れたいものって自分が動かないと絶対に手に入らない(星乃)
──なるほど(笑)。ツムリはナビゲーターから仲間になり、最後は英寿の「姉さん」になりましたが、姉心はどのあたりから意識されましたか?
青島 序盤は英寿もお母さんのことを知るためにツムリを「お姉さん」にして利用していたと思うんですけど、徐々に「お前はどうしたいんだ」と、こっちの気持ちも汲んでくれるシーンが出てきたりして、互いに信頼し始めた頃から心の中には姉心が芽生えていたんじゃないかと思います。48話では「もう他人の気がしませんね」とも言ってますし。本人は「姉さんじゃありません」とかいろいろ言ってますし、疑似的ではありますが、心ではつながった家族だなと思ってます。
──英寿は「輪廻転生を2000年間繰り返しているスター」という難しい役どころでしたが、簡さんは演じるうえで気を付けていたことはありますか?
簡 歩き方とか、堂々と背筋を伸ばして立つとかですね。
──今日はテレビシリーズの撮影が終わって久々に英寿になるわけですが、すぐになれるものですか?
簡 いや全然、今もたぶんなれてないと思うんですけど。本番までには!
佐藤 なれてなかったんかい(笑)。
簡 観てる側からしたら今のままでも「英寿だな」って思うかもしれないんですけど、そこは徹底的に浮世英寿になりたいなって。明日の本番までには完璧に仕上げます!
──楽しみにしてます。佐藤さんは景和を演じるにあたって、心がけていたことはありますか?
佐藤 景和は佐藤瑠雅との性格のギャップがすごくて、まずは周りのいろんな人を観察しましたね。あとは「視聴者目線の役」っていうことも伝えられていたので、観てくださる方々にそれをどうわかりやすく伝えるかは意識しながら1年間やっていました。40話付近でお姉ちゃんがいなくなったときも、「自分の唯一の家族がいなくなったときに、あなたならどうする?」と、観ている人に投げかけることを意識してやっていたつもりです。
──どちらかというと40話付近のちょっと影のある景和のほうが佐藤さんご本人には近い感じなんですか?
佐藤 いや、そんなことないよね?
簡 はい、めちゃくちゃ元気です。
佐藤 ただ演じていて「こういうお芝居も面白いな」と思えたので。今後そういう役もやってみたいなと思います。
──道長はベロバの最期に背を向けていましたが、監督からそのようなディレクションがあったんでしょうか? それとも並木さんとお二人で考えたのですか?
杢代 考えたわけじゃなくて、段取り(本番前のリハーサル)でやってみたら、採用していただけました。道長はやっぱり、ベロバには真正面から気持ちをぶつけてこなかったんで、最後もぶつけなかったというか。
──ベロバと道長らしい別れ方でしたね。
杢代 ベロバと別に親しい関係ではなかったけど、長い時間一緒にいたっていうのはあって。ベロバがちょっかいを出してきて、自分がかわす。嫌味を言っては離れるっていう今までの関係性を崩したくなかったので。
──星乃さんは祢音の「本当の愛が欲しい」という願いがああいう形で叶ったことについて、脚本を初めて読んだときはどう感じられましたか? また、このような結末になることを予想していましたか?
星乃 いや、まったく予想はできなかったです。デザイアカードに書いた祢音ちゃんの願いって「本当の愛が欲しい」だけで、アバウトというか、あんまり読めないですよね。お金持ちでなんでも手に入るのにっていう……。だからきっと家族のことなんだろうなって想像はできましたけど、詳しい内容までは謎でした。祢音の場合は本物の愛っていうのがテーマだったんですけど、やっぱり現実の世界でも自分が手に入れたいものって自分が動かないと絶対に手に入らない。求めてるだけだと手に入らないんですよね。英寿の「願い続ければ叶う」って言葉もありますけど、そこには願い続けながら努力をするから手に入るんだよっていう裏のメッセージもあって、すごく素敵なストーリーだなって思いました。
──最終的にはお父さんとも和解して。
星乃 お父さんとは仲良くなれないと思ってました。だから家族じゃなくてキューンとか友達とか、そういう「愛」になっていくのかなって思ったんですけど、祢音として誘拐されて、お父さんが今度は本当に祢音を助けに来てくれたシーンは刺さりました。