猿原真一に出会えて、別府由来は成長できた(別府)
──さて、「ドンブラザーズ」はそれぞれのキャラに目標があったり、成長が描かれたり、誰かの関係を深めたりというストーリーがあるんですが、猿原真一だけはわかりやすい縦軸がなくて。それに対して何度か別府さん本人が冗談めかしつつ気にされるような発言があったり、メンバーがいじったりしている場面を他媒体で何度も拝見しました。誰かが「縦軸」と発言したら敏感に反応したりとか(笑)。
別府 ……(目を閉じる)。
タカハシ そんなことないよね? 3話の「あかりどろぼう」とかは猿原メイン回だし。
別府 本当にそんなこと言えます? あれを縦軸と言えます?
一同 (笑)
富永 48話(「9にんのドンブラ」)は縦軸と言っていいんじゃない?
──確かに48話はタロウがいなくなった回で、猿原がちゃんとサブリーダーとして仕切ってるなと思いました。
別府 そうですね、僕の「ドンブラザーズ」のスタートは48話でしたね。
鈴木 あははは!
樋口 1年で3話ってこと?(笑)
別府 はい! ……いやいや冗談です、冗談です。
──ただ「ドンブラザーズ」最終回後に東映特撮ファンクラブに掲載されていた、プロデューサー補の湊陽祐さんと松浦大悟さんの対談によると、田﨑監督は「猿原がいないと場が回らないときが多々ある」とおっしゃっていたそうです。メインストーリーの重要な要素にはあまり絡まないかもしれないけど作品には欠かせない存在という独自のポジションだったのかなと。
別府 そうですね、そう言っていただいてなんとかやれたというか。僕はまだそんなに芝居経験もないし、最初はヒーローになれてうれしいし、かっこいいとこ見せたいし、番組開始前のインタビューでは意気揚々としゃべってたんですけど、ふたを開けてみたらああいうキャラで。最初はちょっと難しいと思う部分もあったんですけど、でもやっぱり続けていったことでこのポジションの重要性にも気付けたし、猿原真一に出会えて別府由来が成長できたかなって。そしていつか、僕がもっと成長した役者になってから、猿原真一というキャラクターをもう1回見てみて、そのときの自分ならどう立ち回れるのかなと見直したいキャラになりました。番組内で猿原真一の成長は少なかったかもしれないけど、別府由来の個人的な成長を促してくれたキャラクターだったので出会えてよかったと思います。
鈴木 今回のショーでも猿原はドンブラチームを仕切るポジションに着いているから、井上先生的にも猿原はそこなんだなと思った。
別府 そうですね。
石川 猿原がいなかったらドンブラザーズは暴走してますよ。
別府 でもそれは猿原に限らずですよね。Gロッソのショーではジロウの大切さに気付いたし。
鈴木 でも猿原がいなかったら、ジロウはもっと早くドンブラザーズに入っていたと思う(笑)。
石川 それは……複雑だわ(笑)。
タカハシ 猿原がいなかったら、僕ら(脳人)ももっと早く入ってた(笑)。
宮崎 入れた。
樋口 猿原が新メンバーの番人なんだね。
石川 いつも猿原は正しいといえば正しいんですよ。
樋口 でも彼氏にはしたくない。
別府 友達も嫌。
鈴木 お金ないし(笑)。
樋口 まあ桃井タロウも彼氏だったら嫌だけど(笑)。
全員が「この戦隊を一番にしてやろう」と思っていた(樋口)
──そして樋口さん。前回インタビューさせていただいたときに締めの言葉として「戦隊を『ドンブラ』から観始めた」っていう人が増えたらうれしい、と言われてまして。
樋口 覚えています。
──それに対して読者の反応は「初手としては変化球すぎ」「井上敏樹脚本を最初に見せるのは……」みたいなものが多かったんですけど(笑)。でも今日のイベントのラストの挨拶で、樋口さんが「僕たち『ドンブラザーズ』のよさって『本当にスーパー戦隊?』って思うぐらいはちゃめちゃであること」「最初に『ドンブラザーズ』の名前を聞いたときは僕らも不安でしたし、特撮ファンの皆様も『特撮を汚すな』と思った可能性すらあります(笑)。でも1年が終わってみて、こんなに多くの皆様に会場に来ていただけた」と言ってたのがすごく印象的でした。一風変わった戦隊だからこそ新しいファンが増えたのかなという印象があるんですが、演者側としてはどうですか。
樋口 新しいファンが増えたという実感はめちゃくちゃありますね。イベントだけじゃなく、SNSのコメントとかでもすごく感じます。
──「ドンブラザーズ」の次の戦隊である「王様戦隊キングオージャー」初回放送後に、樋口さんがTwitterで「ドンブラザーズって言う戦隊モノ相当変わってたんだ」とおっしゃってたのが、今さら感があって面白かったです(笑)。
樋口 でも変わっている戦隊だからこそ、このキャストが選ばれたんじゃないですか?
鈴木 確かに。普通なら絶対、俺なんか選ばれないよ。
樋口 1年間このキャストとやってきて、「こういう人だからこの役なんだな」って何度も思いましたね。それに、このキャストじゃなければドンブラザーズはうまくいっていないと思います。それは自信を持って言えるし、絶対そうなんですよね。ドンブラザーズは僕が子供の頃に憧れていたスーパー戦隊か?と言われるとたぶん違うんです。でもそれでも「誰よりも一番盛り上げてやろう」「このスーパー戦隊を一番にしてやろう」「入り口を広げてやろう」ってチーム全体が思っていたから、新しいファンを獲得できたのかなと思います。
タカハシ いい言葉だ。
富永 素晴らしい。
樋口 役者だけじゃなくてスタッフも熱かったんです。でも役者チームに火が付かないとスタッフにも火が付かないですからね。
最後に誰が泣くか、当てられる(鈴木)
──「ファイナルライブツアー」のお話に戻ります。テレビシリーズは観てたけどファイナルライブはまだ観たことがない、という人もいると思うので、改めて見どころをアピールしていただければ。
柊太朗 今回のショーは、地獄を題材にしてるのに怖くないのはドンブラならではなのかなと思いました。
宮崎 子供でも観られるね。
石川 アクションの人数が多いのなんの。あっちを見ていたらこっちがしゃべって、こっちがちょこっと動いたなって思ったら、あっちが本筋で……みたいな。どこを見たらいいかわからないショーになっています。
富永 舞台上、パンパンだもんね。
別府 何が起きてるんです?って。
──そこは配信で何度も見返したいポイントかもしれないですね。ドンムラサメ、ゼンカイザーブラックも含めた11人が並んだ画は壮観でした。
樋口 あんなの勝てるわけないですよね(笑)。ストーリーも、「ドンブラザーズ」のテレビシリーズであった出来事を、全部詰め込んでるようなショーになってます。ドンブラザーズを好きな人は総集編みたいに見えるんじゃないかなと。
鈴木 ショーで明かされる事実がいくつもあるし。
──確かに脳人3人のフルネームが明かされたほか、「ずっと気になってはいたけど、今それ言うの?」ということがいくつかありました(笑)。
柊太朗 めちゃめちゃ情報がある。
富永 あとはダンスにも注目していただいて。
──タロウとソノイのデュエット曲「月ノミゾ知ル。」が観られるとは思ってなかったです。
樋口 あのダンス、一昨日覚えたんですよ(笑)。
鈴木 一昨日覚えた感が出てた(笑)。
石川 でもかっこよかったです。
柊太朗 最終日の大阪ではさらにかっこよくなってるんじゃない?
鈴木 あのダンスシーン、みんな踊っている2人を観るかもしれないけど、周りが小芝居がんばってるから、配信ではそこも観てほしい!
──最終日は3回とも配信があるわけですが、それぞれの回でのアドリブも楽しみです。
石川 毎回違う部分があります。それにアドリブとはちょっと違うというか、見どころと言っちゃいけないと思うんですけど、生で演じているので今日の2回目の僕みたいに思いっきりセリフを間違えてしまうときもある(笑)。
別府 そのときの周りの対応力とか団結力を見てほしいですよね。
樋口 でも助かるよね。間違えていいとは言わないけど、ほかの誰かがセリフを入れてくれるから「間違えても大丈夫」感がある。
──千秋楽の2部にはゲストも来ます。1公演目が五色田介人 / ゼンカイザーブラック役の駒木根葵汰さん、夏美 / みほ役の新田桃子さん、桃井陣役の和田聰宏さん、2公演目がソノシ役の廣瀬智紀さん、ソノゴ役の高井真菜さん、ソノロク役の小柳心さん。
宮崎 桃ちゃん(新田桃子)が来るんだ。
別府 夏美とみほのどっちで来るんですか?
鈴木 たぶん、みほとして来ると思う。そしたらみほちゃんに「1年間ありがとうございます」を伝えたいです。夏美が来たら言わない(笑)。「あ、夏美じゃん。今日よろしく」で。
石川 怖っ。
──そしてラストの3公演目はゲストなしでの“卒業公演”と銘打たれています。そこが本当のラストなので、例年だと涙を見せる人もいますが……。
鈴木 いやあ、泣かないでしょう!
別府 その前フリ!
鈴木 (笑)。でもどうせ幸平は泣くよ。俺、当てられる。幸平と、こはくちゃんと、シンノスケは泣く!
志田 私は絶対泣きます(笑)。
──最後に樋口さんから改めて、「ファイナルライブツアー」配信チケットの購入を迷っている人にメッセージを。
樋口 この配信って「ドンブラザーズ」に会える最後の3回じゃないですか。僕たちの気持ちのバロメーターもマックスに上がりきっている3回だから、僕たちとしても絶対に観てほしいです。ドンブラザーズを愛してる人たちに届けられるようがんばりますので、ぜひ配信チケットを購入して観ていただければうれしいです。
プロフィール
樋口幸平(ヒグチコウヘイ)
2000年11月30日生まれ、兵庫県出身。高校卒業後、Jリーグプロ育成選手として活躍していたがケガでサッカー選手の夢を断念。その後芸能事務所からスカウトを受け芸能界デビュー。186cmの長身を活かしモデル活動を中心に活躍し、ドラマなどにも出演する。
樋口幸平(ひぐち こうへい) | ホリプロオフィシャルサイト
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別府由来(ベップユウキ)
1998年11月24日生まれ、東京都出身。美容師経験を経て芸能界入り。ドラマ出演作に「オリバーな犬、(Gosh!!)このヤロウ」「ヒミツのアイちゃん」がある。
別府由来 (@beppu_yuuki) | Instagram
志田こはく(シダコハク)
2004年5月25日生まれ、埼玉県出身。「暴太郎戦隊ドンブラザーズ」にて映像作品デビュー。現在、ドラマ「私がヒモを飼うなんて」「ガチ恋粘着獣」に出演中。
志田こはく (@shida_kohaku) | Instagram
志田こはく マネージャー公式 (@shida_kohaku) | Twitter
柊太朗(トウタロウ)
2000年10月27日生まれ、北海道出身。2021年に「ミュージカル『テニスの王子様』4thシーズン 青学vs不動峰」で石田鉄役を演じ、翌年「暴太郎戦隊ドンブラザーズ」にてドラマデビュー。ABEMA「花束とオオカミちゃんには騙されない」にも出演。
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鈴木浩文(スズキヒロフミ)
1988年11月3日生まれ、兵庫県出身。大学卒業後に銀行員として働くが2年で退職し、俳優を志して上京。映画「事故物件 恐い間取り」「スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼」「窮鼠はチーズの夢を見る」などに出演したほか、テレビや舞台でも活躍している。
鈴木浩文 (@suzuki_hirofumi_1103) | Instagram
石川雷蔵(イシカワライゾウ)
2003年9月10日生まれ、埼玉県出身。2017年にスターダストプロモーションの芸能1部モデルオーディションに応募し、合格。2018年にドラマ「文学処女」で俳優デビューした。そのほかの出演作に「ミドリムシの夢」「高津川」、ドラマ「もしも、イケメンだけの高校があったら」など。
石川雷蔵's STAFF (@Raizoustaff) | Twitter
富永勇也(トミナガユウヤ)
1994年11月8日生まれ、神奈川県出身。「舞台『弱虫ペダル』 新インターハイ篇」シリーズの葦木場拓斗役のほか、「あやかしむすび」「『家庭教師ヒットマンREBORN!』the STAGE」「SERVAMP-サーヴァンプ-」など、数多くの舞台に出演。そのほかの出演作に映画「デメキン」など。
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富永勇也 Yuya tominaga (@yuya.tominaga) | Instagram
宮崎あみさ(ミヤザキアミサ)
2002年10月28日生まれ、東京都出身。2020年に週刊ヤングジャンプ(集英社)のオーディション企画「制コレ'20」のファイナリストに選ばれたほか、多数の雑誌のグラビアページを飾る。2023年には初の写真集「1920」を発売した。
宮崎あみさ (@miyazaki_amisa) | Twitter
宮崎あみさ (@miyazaki_aa) | Instagram
タカハシシンノスケ
1993年1月20日生まれ、神奈川県出身。2016年頃より活動を始め、映画を中心に活躍。「とんかつDJアゲ太郎」「街の上で」「さつきのマドリ」「グッドバイ、バッドマガジンズ」などに出演した。6月16日には出演作「よっす、おまたせ、じゃあまたね。」の公開を控える。
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