「暴太郎戦隊ドンブラザーズ ファイナルライブツアー2023」が、5月28日の大阪・オリックス劇場での公演で最終日を迎える。本イベントは「暴太郎戦隊ドンブラザーズ」テレビシリーズのメインライター・井上敏樹がショーの脚本を初めて執筆した「ファイナルライブ 『じごくさいばん』」と、「Don!Don!笑え笑え!トークショー!&DON!音楽祭」の2部構成。千秋楽となるこの日は「スペシャル公演」が3公演行われ、いずれもオンラインライブ配信サービスのuP!!!(アップ)およびTELASA(テラサ)で配信される。なおuP!!!ではauスマートパスプレミアム会員向けの特別価格も用意されており、1公演は500円引き、3公演セットは1500円引きで購入可能だ。
映画ナタリーでは、キャストである樋口幸平、別府由来、志田こはく、柊太朗、鈴木浩文、石川雷蔵、富永勇也、宮崎あみさ、タカハシシンノスケによる座談会を実施。名古屋公演の初日(参照:「ドンブラザーズFLT」名古屋で開幕!地獄でタロウが訴えられる、原告はジロウ)を終えたばかりの9人に、ツアーの見どころを聞いた。さらに主演の樋口が「変わっている戦隊」だと言う「暴太郎戦隊ドンブラザーズ」の1年間についても、9人それぞれに振り返ってもらった。なお文中ではショーの内容にも一部触れているので、新鮮な気持ちで鑑賞したい人はご注意を。
取材・文 / 松本真一撮影 / 笹井タカマサ
uP!!! / TELASAでは、大阪でのSP公演の模様を3公演とも独占配信!
「暴太郎戦隊ドンブラザーズ ファイナルライブツアー2023」SP公演
配信情報
日時:2023年5月28日(日)
<10:00の回「3人のおとも?」>開場9:00
<13:30の回「6人のーと」>開場12:30
<17:00の回「9人のハッピーエンド」>開場16:00
アーカイブ配信期間:各公演ライブ配信終了後準備整い次第開始~2023年6月4日(日)23:59
「暴太郎戦隊ドンブラザーズ ファイナルライブツアー2023」
公演情報
2023年5月27日(土)10:00 / 13:30 / 17:00 大阪府 オリックス劇場
2023年5月28日(日)10:00 / 13:30 / 17:00 大阪府 オリックス劇場
※5月27日は開演の45分前、28日は60分前に開場予定
※5月28日の3公演はすべてSP公演
※3歳以上有料
井上先生の台本を読んで「これは何をやっているんだろう?」(志田)
──ツアー初日、名古屋での2公演を終えた直後のインタビューとなりますが、今のお気持ちは。
樋口幸平(桃井タロウ / ドンモモタロウ役) シアターGロッソのショーをやっていたときは、このメンバーで立てる舞台がこのあとにもまだまだあるということがわかっていたので、寂しさみたいなものは薄かったんです。もちろんGロッソは手を抜いたわけじゃなくて、皆さんに楽しんでいただけるように全力を尽くそうという思いだけでやっていたんですけど、このファイナルライブツアーは、今日の名古屋の1公演目ですら、幕が下りるときに「あっ、僕たちが1年間やってきた番組の、本当に最後のイベントなんだ」という感じでグッとくるものがありました。
柊太朗(犬塚翼 / イヌブラザー役) Gロッソもそうでしたけど、お客さんが温かくて、何しても拍手してくれたり笑ってくれたりするんです。だから僕たちも「もっとこうして反応させてあげたい」とか、「もっとここで笑いどころを作ってあげたい」とすごく思いますね。日替わりで内容を変えられるパートが多いショーになっているし、もうちょっとテンポを上げたりとか、精査できることはしていって、これからさらにすごくいいショーになりそうだなって。
──脳人の3人は「超英雄祭2023」には出演されていたものの、シアターGロッソのショーには出ていなかったので、こういったショーに出られるのはうれしかったのでは。
富永勇也(ソノイ役) 夢のようでした。出られるかわからなかったですから。
タカハシシンノスケ(ソノザ役) 誰も欠けずに出演できてよかったです。
──もし本編で敵として死んでしまったら、出演が叶わなかったかもしれないんですよね。
宮崎あみさ(ソノニ役) だから最初、私たちの出演は発表されていなかったんです。「出たいねー」ってずっと言っていたけど、まさか本当に出られるとは思ってなかった(参考:富永勇也、宮崎あみさ、タカハシシンノスケが「ドンブラザーズ」ライブツアーに参加)。
富永 初演で柊太朗と別府(由来)さんと(石川)雷蔵さんが舞台の上手に戻ってきたときに、「(舞台からの)景色ヤバいですよ!」「圧巻だった!」みたいな話をしていて、こんな幸せなことはないなって思いましたね、本当に。やることなすこと、お客さんがすべて受け入れてくださって、ずっとウケていて。なんか……もっとがんばらないとな!って素直に思いました。この人たちにちゃんとしたものを届けてあげたい!という気持ちになりました。
タカハシ 僕とソノニは舞台に出る順番が一番最後なんですけど、みんなが楽しそうにお芝居しているのを袖から見るのがすっごい楽しくて。「早く交ざりたい! 早く出たい!」って気持ちになるぐらい盛り上がっていましたね。
──ショーは非常に盛りだくさんというか、メインキャラだけで9人もいるので、追うのが大変でした。
石川雷蔵(桃谷ジロウ / ドンドラゴクウ / ドントラボルト役) 全員がわちゃわちゃ動いているから、観てる人は絶対に目が足りないですよね。
──脚本が本編と同じく井上敏樹先生ということで、テレビシリーズの延長のような感じでしたね。「じごくさいばん」というタイトルで、地獄でタロウが訴えられるという謎のシチュエーションで。
志田こはく(鬼頭はるか / オニシスター役) 私はまさか、井上先生が脚本を書いてくださるとは思っていなかったので、それを聞いたときはうれしかったですね。ただ、台本を読んでいくうちに、「これは何をやっているんだろう?」みたいな(笑)。
一同 あはははは!
志田 1話のときを思い出しましたね。
鈴木さんが「カンペを持っていてくれ!」って(タカハシ)
──第1部がヒーローショー、第2部がトークショーとキャラソン歌唱という構成で、今日は鈴木浩文さんと別府由来さんがキャラソンを歌っていましたが、感想は。
別府由来(猿原真一 / サルブラザー役) (絞り出すように)緊張しました………。
──魂が抜けたみたいになっていますが。
別府 本当に緊張しいで……。「初日」とか「本番」とかがすごい苦手なんです。僕は準備をいっぱいやって臨みたいタイプなんですけど、リハーサル期間が長くはとれていないので今日もすごく不安だったんです。今はほっとして……あまり言葉も出てこない……。
志田 やりきった顔してる。
鈴木浩文(雉野つよし / キジブラザー役) 30年ぐらい老けた?
樋口 今日はたくさん寝られるな。
別府 昼ごはんも食べられなかったんで。
タカハシ 確かにずっと袖にいたね。
別府 でも楽しかったです。
──鈴木さんはいかがでしたか?
鈴木 1部よりも2部のほうが3倍ぐらい緊張するんですよね。どれだけ歌詞を覚えても忘れてしまうんですよ。
タカハシ ずーっと練習してたもんね。
宮崎 廊下からずっと歌声がしてた(笑)。
タカハシ でも結局覚えられなくて、カンペを書いて僕に「持っていてくれ!」って。
──確かに今日、鈴木さんが歌ってるときにはカンペがありましたね。
タカハシ 歌、よかったですよ。
鈴木 あ、ホント?
樋口 雉野っぽかった。
志田 うん。
──鈴木さんはトークショーの際、客席のお子さんに対して、誰よりも手を振っていたのが印象的でした。
鈴木 子供たちは難しい話はわからないから、コミュニケーション取りたいかなと思って。大人を笑わそうとするよりも、子供たちに手を振ろうっていう気持ちが強いですね。
タカハシ でも手を振られた子供が顔をふさいでましたよ(笑)。
鈴木 それは誤解です(笑)。
──照れちゃったのかもしれないですね。雉野は何度もヒトツ鬼になっているので子供からの人気はどうなのかな?と思ってしまうこともあったのですが、「キジブラザー!」と応援している子供の姿があって安心しました。
鈴木 子供から「空が飛べてかっこいいです」とお手紙をもらうときもありますよ。
樋口 なぜか僕も手紙をもらったことがあります。「桃井タロウさん、僕は雉野が好きです。これは雉野に渡してください」って。
タカハシ 仲がいいと思ってるんだ。かわいいね。
鈴木 直接は恥ずかしいのかな? でも「雉野さんになりたいです」っていう子から手紙が来て、「うわー、いい子だな」と思ったら「みほちゃんがかわいいので雉野さんになりたいです」って書いてあって。僕がかっこいいとかじゃなくて、みほちゃんを狙うためなんだと思って。
石川 ませてますね。
別府 その子、わかってるなー。
ショーでは「ソノイ、そこまで吐露するんだ」というシーンも(富永)
──ここからは「暴太郎戦隊ドンブラザーズ」テレビシリーズについて、軽くですが1人ずつ振り返っていただこうかと思います。石川さんを除く8人は番組開始前にもインタビューさせていただいたんですが(参照:ヒーロー×敵幹部キャスト8人に聞く、新番組「暴太郎戦隊ドンブラザーズ」ってどんな戦隊?)、その際にタカハシさんは「今までも宇宙人とか人を殺しちゃう人とか、変な役ばっかりやってたので今回も比較的やりやすい」とおっしゃってました。タカハシさん演じるソノザは敵でありながら、鬼頭はるかにマンガを教え、なぜか「編集長」と呼ばれるようになるというユニークな役でしたが、ご自身の中で印象的なシーンは。
タカハシ ソノザがフォーカスされたのって22話の「じごくマンガみち」が主だったので、やっぱりその回は印象に残っていますよね。はるかとのやりとりがどんどん膨らんで、終盤では僕らも「ドンブラザーズに入ろう」となって、ソノザが感情を知るシーンも印象に残っているし、喫茶どんぶらではるかに「ムラサメに読ませたかったんだ、お前のマンガを」と言うシーンもすごく好きです。はるかとのいい関係ができたなって。はるかと編集長という関係は一番最後まで残っていますし、それがさらにVシネクスト「暴太郎戦隊ドンブラザーズVSゼンカイジャー」でも深掘りされてます。
──それは楽しみですね。
タカハシ ソノザがカラオケで歌うシーンもあります。
──想像できなくて気になります(笑)。続いて宮崎さん。やはり開始前のインタビューのお話をさせていただくと、その際には「ソノニは妖艶なキャラだと聞いてるけど自分には妖艶さがないので難しい」と言われてました。でも終盤では妖艶とは逆の、小学生みたいな恋愛観のキャラになりましたよね。
宮崎 人間1年目みたいな(笑)。序盤のソノニは恋愛に興味があるっていうだけで、いろんな男性に声を掛けるだけで特に何もしていなかったんですよね。でも気付いたらどこかで道を踏み外し(笑)、特定の人に出会って変わっていくのが女の子らしいなと思いましたね。
──妖艶なキャラよりは等身大というか、人間味が出てやりやすかったのでは。
宮崎 そうですね。本当に初恋って感じでした。かわいらしい感じになったなって。
──ショーでも「翼、翼」と追いかけてるのがかわいかったです。
柊太朗 ずっと「翼」って言っているもんね。
鈴木 めっちゃ変わった。
宮崎 たぶんジロウの次に変わったんじゃないかな。
──富永さん演じるソノイはやはり、タロウとのやり取りが印象的でした。
富永 ターニングポイントはやっぱり27話とかですかね。それまでのソノイは人間のことを嫌いでもないけど、もしかしたら少し見下していたというか。それがタロウとのやり取りで変わっていった感じですね。
──今日のショーでもタロウとの関係性が描かれていましたね。
富永 本編からさらに踏み込んでいると思います。「ソノイ、そこまで吐露するんだ」みたいな。
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ずっとジロウのことだけを考えた期間でした(石川)