映画ナタリー Power Push - 「TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ」

宮藤官九郎×神木隆之介×桐谷健太×清野菜名“鬼特訓”乗り越えた地獄図(ヘルズ)メンバーが極楽音楽トーク

モテようと試行錯誤した経験が役作りに生きました(神木)

──今回の役はすべて当て書きなんですか?

宮藤官九郎

宮藤 そうですね。ただ清野さんとご一緒するのは初めてだったので、こんな感じの演技ができるんじゃないかなっていうイメージで書いたんですけど。

──バンド対決のシーンで、邪子が楽器そっちのけでアクションを始めるのには興奮しました!

宮藤 そうそう。なんかもう、楽器はいいかなって思って(笑)。

清野 アクション、どんどん増えていきましたよね!(笑)

宮藤 最初は楽器対決って言ったんだけどね。相手の清さんも、なんか知らないけど楽器以外のバトルもすごく強いんですよ(笑)。だからどんどん盛り上がっていって。

──神木さんは「バクマン。」インタビューの際に、高校時代はモテるために努力していたとおっしゃってました(参照:映画「バクマン。」特集 佐藤健×神木隆之介“持ち込み”体験記)。その経験は今回の役作りに生きましたか?

神木 とても生きました! 映画の中で、大助が色の付いたピンで前髪を留めてみたりとか、いろんなことを試してみるシーンがあるのですが、実は僕も……やっていたんです。

──そうなんですね! 周りの反応はいかがでした?

神木隆之介

神木 特に何もなかったです(笑)。今考えたら、そんな自分の姿ってけっこうダサいな、と思ったんです。それが役作りに生きました。

宮藤 神木隆之介なのに「髪の毛にピン付けたらモテる」っていう発想がすごいよね。

桐谷 そういうのが流行ってたの? そういうイケてるやつがおったの?

神木 いたんです! それを見て、「イケてる人ってピンを付けるのかな?」って思ったので、前髪が邪魔だから家から付けてきたっていう体で……。

桐谷 なるほど。真似しちゃったんだね……(温かい目)。

神木 そうなんです(笑)。この角度かな? 色は何かな? って考えていました。

宮藤 なんか……がっかりですね!!

「TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ」より。

神木 ストレートアイロンも試してみましたよ(笑)。そうやって試行錯誤している姿ってきっとダサいんだろうなと感じたので、同じことをオーバーにやれば大助がよりダサく見えるだろうと思って演じていました。

──宮藤さんは、神木さんのそういう面をご存知であの脚本を書いたわけでは……。

宮藤 ないですね(笑)。びっくりしました。

──桐谷さんの役に関してはどういうイメージで作られたんですか?

宮藤 どういうイメージ……? うーん……緑(笑)。

一同 (笑)

桐谷 そうですねえ、緑ですね(笑)。

宮藤 最初はなんとなく名古屋のチンピラっていう設定だけ考えてたんです。だけど、撮影中に桐谷くんがどんどん関西弁になるから、「もうどっちでもいいよ!」って言いましたね(笑)。「わしは、先端恐怖症だがや!」っていうセリフだけ台本に書いてあったんですけど。

桐谷 名古屋弁使ったの、その1回だけなんです。で、大阪弁は2回使ってるんですよ(笑)。でも俺の中でもCOZYの大阪弁は、名古屋出身のやつが大阪弁をまねて言う「ほんまー」みたいなイメージなんです、一応。

スタジオで演奏が始まったときに「もう大丈夫だ」って(宮藤)

──前回のインタビューで、スタジオ練習に入ってから地獄図の4人にチーム感が出たという話を伺いました。皆さんの気持ちの面はどう変化したのでしょうか?

左から宮藤官九郎、神木隆之介、桐谷健太、清野菜名。

桐谷 オレはリュウや菜名とはそれまでお話をしたことがなかったんです。

神木 初めてでしたね。

桐谷 俺の場合は、1回練習入ったときにすごい速い曲だなと思って「もっと練習したいです」って音楽プロデューサーにお願いしたんですよ。でも「桐谷くんは大丈夫でしょー(高い声で)」っていう感じで。みんなはもう2カ月くらい前から練習始めてるのに!

宮藤神木清野 ははは。

桐谷 そうしたら「神木くんと清野さんはめちゃくちゃ上達してますよ。桐谷さんヤバいですよ」的なことを言われて。「いやいや、だったらなんでもっと練習させてくれへんの」って(笑)。でもフタを開けてみたら……。

清野 私たちも同じ状況だったんです! 「桐谷さんは1回目の練習からすごいですよ、ちょっと動画見ますか?」って動画見せられたりとか。

神木 僕もまったく同じでした!

清野菜名

清野 「清野さんももっとがんばらないとですね。もうちょっと練習増やしますか?」「神木さんはもう1曲は弾けるようになったみたいですよ」とか、すんごい焦らされたんです!

桐谷 そうそう(笑)。あとで、よくしゃべるようになってからお互いにそれを知ったんですけど。「お前もか! 俺もや!」みたいな。だからそれまでは、仲間というよりはライバル的な感じで進められてました。初めて顔合わせして、本読みをやったあとにスタジオに入って、「みんなええやつやん!」ってなりましたよ。

神木 それまで妙にプレッシャーをかけられていたので(笑)。

──清野さんは、そのとき初めてベースで人と合わせて演奏をしたんですか?

清野 はい。でもそれまでずっと個人練習していたので、もう「見せてやるぞ!」っていう気持ちで入りましたね、私は。

「TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ」より。

宮藤 いきなりできたもんね、あのとき。読み合わせもリラックスしてできたけどやっぱりお芝居だから、正直「現場どうなるのかな? どうやって演出しようかな?」って思ってたんですよ。でもスタジオで初めて演奏がバンっと始まったときに、「ああ、もう大丈夫だ」って思いました。

清野 あの瞬間は、感動しました! 「うわ、できてる!」って思ったな。

神木 ね!

宮藤 それはきっと、皆さんそれぞれがプレッシャーかけられてたからなんでしょうね。僕も言われましたもん! 「清野さんの動画見ます? がんばってますよ」って。

一同 (笑)

宮藤 下手したら長瀬(智也)くんもプレッシャーかけられてたかもしれないよね。「TOKIOなのに、大丈夫ですか?」って(笑)。

ABOUT THE MOVIE

「TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ」2016年6月25日より全国公開
ストーリー

普通の高校生・大助は、同級生のひろ美のことが大好き。しかし修学旅行中のある日、大助は不慮の事故で命を落としてしまう。彼が目を覚ますと、そこは真紅に染まった空が広がり、ドクロが転がる“地獄”だった。慌てる大助を待ち構えていたのは、地獄農業高校の軽音楽部顧問で、地獄専属ロックバンド・地獄図(ヘルズ)のボーカル&ギターを務める赤鬼のキラーK。彼によると、閻魔大王の裁きにより人間に転生するチャンスがあるという。「ひろ美ちゃんにもう一度会いたい!」と願う大助は、キラーKの“鬼特訓”のもと、生まれ変わりをかけた地獄めぐりをスタートさせるが……。

スタッフ

監督・脚本:宮藤官九郎

主題歌:地獄図「TOO YOUNG TO DIE!」

キャスト

キラーK:長瀬智也
大助:神木隆之介
なおみ:尾野真千子
ひろ美:森川葵、宮沢りえ
COZY:桐谷健太
邪子:清野菜名
松浦:古舘寛治
じゅんこ:皆川猿時
修羅:シシド・カフカ
鬼姫:清
えんま校長:古田新太
その他キャスト:坂井真紀、荒川良々、瑛蓮、みうらじゅん、Char、野村義男、ゴンゾー、マーティ・フリードマン、ROLLY、快速東京、木村充揮、関本大介、ジャスティス岩倉、烏丸せつこ、田口トモロヲ、片桐仁、平井理央、中村獅童ほか

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映画「TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ」監督の宮藤官九郎と、劇中バンド・地獄図(ヘルズ)メンバー役の神木隆之介、桐谷健太、清野菜名が好きなバンドの曲を集めたチャンネル。定番地獄ソングや映画ゆかりの曲も!

PROFILE

宮藤官九郎(クドウカンクロウ)

1970年7月19日、宮城県生まれ。1991年より大人計画に参加し、「真夜中の弥次さん喜多さん」「少年メリケンサック」「中学生円山」といった作品の監督を務めるほか、多くの脚本、演出などを手がける。ドラマでは「うぬぼれ刑事」「11人もいる!」「あまちゃん」「ゆとりですがなにか」などの脚本を担当。俳優としての出演作も「ゲゲゲの女房」「バクマン。」ほか多数。1995年に結成したパンクコントバンド・グループ魂ではギタリストを務め、作詞作曲も担当している。

神木隆之介(カミキリュウノスケ)

1993年5月19日、埼玉県生まれ。1999年「グッドニュース」でドラマデビュー。2005年に主演作「妖怪大戦争」で日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。「11人もいる!」「サムライせんせい」などテレビドラマで活躍する一方、「劇場版 SPEC~天~」「桐島、部活やめるってよ」「るろうに剣心 京都大火編 / 伝説の最期編」「脳内ポイズンベリー」「バクマン。」「太陽」などに出演。2016年8月26日に声の出演をした劇場アニメ「君の名は。」が封切られるほか、主演作「3月のライオン」が2017年に公開予定。

桐谷健太(キリタニケンタ)

1980年2月4日、大阪府生まれ。2002年にテレビドラマ「九龍で逢いましょう」で俳優デビューし、2007年に「GROW 愚郎」で映画初主演を飾る。主な出演ドラマに「ROOKIES(ルーキーズ)」「天皇の料理番」、出演映画に「クローズZERO」「ソラニン」「BECK」「GONIN サーガ」「バクマン。」など。2017年に出演作「彼らが本気で編むときは、」の公開を控える。2015年よりauのCM「三太郎」シリーズで浦島太郎役を務めている。

清野菜名(セイノナナ)

1994年10月14日、愛知県生まれ。2007年に雑誌ピチレモンの専属モデルとしてデビュー。映画では、2014年に園子温監督作「TOKYO TRIBE」でヒロインに抜擢され、2015年には押井守監督作「東京無国籍少女」で初主演を務める。ほか、2016年6月4日公開の清水崇監督作「雨女」に主演。ドラマではAmazonオリジナル「はぴまり~Happy Marrige!?~」が2016年6月22日より配信中。