山口ミコト、佐藤友生による累計発行部数100万部を突破したマンガ「トモダチゲーム」が、ドラマに2本の劇場版を加えた計3部作で実写化。劇中では、高校生・片切友一と4人の友達が、借金返済のため謎の“トモダチゲーム”に参加させられ、追い込まれていくさまが描かれる。「銀魂」「リバーズ・エッジ」など注目作への参加が続く若手俳優・吉沢亮が主演し、内田理央、山田裕貴、大倉士門、根本凪(虹のコンキスタドール)、久保田悠来らが脇を固めた。
映画ナタリーでは、本作の特集を2回にわたって展開する。まずはドラマ版Blu-ray / DVDが5月24日に発売、劇場版第1弾が6月3日よりシネ・リーブル池袋ほか全国で順次公開されることを記念し、主演の吉沢へインタビューを実施した。普段は友達思いの貧乏学生でありながら非情な一面を持ち、嘘と奇策でゲームを支配していく主人公・友一を演じた吉沢。役作りのうえでこだわった“ゲス顔”や座長を務めた心境について、そして自身の友達に関しても語ってもらった。なお特集の第2回は8月に更新予定なので、そちらもお楽しみに。
取材・文 / 浅見みなほ 撮影 / 上山陽介
- 片切友一(吉沢亮)
- 両親に先立たれ、バイトを掛け持ちして生計を立てる貧乏高校生。幼い頃、母から「お金よりも友達が大切」と言って育てられた。友達の誰かの策略によって、借金返済を懸けた“トモダチゲーム”に参加させられる。普段は友達思いの優しい青年だが、ゲームに勝つためには非情な手段も辞さない別の顔も持つ。
- 沢良宜志法(内田理央)
- 警察官の父親を持つ、正義感の強いクラスの副委員長。密かに友一へ思いを寄せている。
- 美笠天智(山田裕貴)
- 頭の回転が速いクールな青年。友達同士でもめたときは調停役を務める。志法とは幼なじみ。
- 四部誠(大倉士門)
- 裕福な家のお坊ちゃまで、父親は市議会議員。単純な性格で嘘がつけない。志法に片思い中。
- 心木ゆとり(根本凪)
- アニメ好きでおとなしい性格。中学時代にいじめを受けていたが、志法に救われた。
もう、ドロッドロでしたね
──本作の主人公である片切友一は、友達思いな高校生でありながら、ゲームに勝つためには手段を選ばないというキャラクターでした。以前、ドロドロした内面を持つ役をやりたいとおっしゃっていましたが……。
はい。もう、今回はドロッドロでしたね(笑)。
──では念願の役柄ということで(笑)。どのように役を作り上げていきましたか?
原作のマンガで、友一はかなりの“ゲス顔”をするんですよ。それをどこまで表現すればいいのかは、クランクインの前から何度か監督と相談しましたね。原作みたいにいきなりバーン!と顔が変わるほうがいいのか、リアルな流れで徐々に変えていくほうがいいのか。ただ彼がゲス顔になる瞬間っていうのは、その空間を支配してしまうというか、その場における最強の存在になるときなんです。なのでわかりやすくスイッチを切り替えることにしました。特に「劇場版2(仮題)」では……けっこうなゲス顔してますね、ははは(笑)。
──普段、役作りは外見から入るタイプですか? それとも内面から?
作品によって変わりますね。でも今回は、髪型にこだわりました。前髪の長さについては、僕もいろいろと意見を出したりして。顔が隠れるけど、目はちゃんと見えるように、長さを伸ばして梳きました。ビジュアル面から原作に寄せることを意識しましたね。
──最近は「トモダチゲーム」だけでなく「銀魂」「斉木楠雄のΨ難」「リバーズ・エッジ」など、マンガ原作映画への出演が続いていますよね。本作よりも前、2016年の夏に撮った「銀魂」以降、かなり原作を意識するようになったそうですが。
マンガ原作、多いですねえ。特に最近は少年マンガが多いんですが、少年マンガのキャラクターって個性が強くて、ある意味リアルじゃない、現実離れした部分が多いじゃないですか。だから自分の解釈で想像するというよりは、原作でのセリフの言い回しとか、細かい部分を意識するようになったんです。今回も控室に原作マンガが全巻置いてあって、台本読んでからマンガを読んで、また台本を読んでマンガを読んで……って作業をひたすら繰り返してましたね。
──「トモダチゲーム」の原作マンガでは、まだ友一の過去がすべて明らかになっていませんよね。
そうなんですよ! なので、そのあたりは実写版のオリジナル設定にもとづいています。「劇場版2(仮題)」で友一の大きな秘密が明かされるんです。
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見習いたい役者は柴田恭兵さん
- ドラマ「トモダチゲーム」
- 2017年5月24日発売 / キングレコード
- 映像特典
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- メイキング前篇 / 後篇
- ドラマ「トモダチゲーム」プロモーション映像 30秒 / 15秒
- 「トモダチゲーム 劇場版」予告編① / ②
- ストーリー
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幼い頃、母親に“金より友達”と言って育てられた主人公・片切友一。両親に先立たれ、バイトで生計を立てる身となりながらも、彼は4人の友達と楽しい高校生活を送っていた。しかしある日、クラスの修学旅行費200万円が盗まれる事件が発生。さらに友一たち5人は何者かに襲われ、目が覚めると白い壁の部屋に閉じ込められていた。案内人マナブくんの話によると、5人のうち誰かが2000万円の借金を返済するため、「トモダチゲーム」への参加料200万円を支払ったという。そんな彼らを、第1ゲーム「コックリさんゲーム」が待ち受ける。クリアの鍵は“友達を疑わないこと”。しかし過酷な状況下で、友一たちは次第に疑心暗鬼になっていき……。
- スタッフ / キャスト
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原作:山口ミコト・佐藤友生「トモダチゲーム」(講談社「別冊少年マガジン」連載)
監督:永江二朗
脚本:永江二朗、佐上佳嗣
主題歌:天月-あまつき-「Mr.Fake」
エンディングテーマ:上野優華「友達ごっこ」
キャスト:吉沢亮、内田理央、山田裕貴、大倉士門、根本凪(虹のコンキスタドール)、上野優華、天月-あまつき-(声)、久保田悠来ほか
- 映画第1弾「トモダチゲーム 劇場版」
- 2017年6月3日(土)よりシネ・リーブル池袋ほか全国順次ロードショー
- ©山口ミコト・佐藤友生/講談社 ©2017年「トモダチゲーム」製作委員会
- 吉沢亮(ヨシザワリョウ)
- 1994年2月1日生まれ、東京都出身。2011年に特撮ドラマ「仮面ライダーフォーゼ」の仮面ライダーメテオ / 朔田流星役で注目を浴びる。2013年に「ぶっせん」でドラマと舞台に初主演。主な出演映画に「アオハライド」「さらば あぶない刑事」「オオカミ少女と黒王子」などがあり、2016年には「サマーソング」で映画単独初主演を果たした。2017年7月14日公開の実写映画「銀魂」に沖田総悟役、10月21日公開の「斉木楠雄のΨ難」に海藤瞬役で参加。2018年公開の「リバーズ・エッジ」には山田一郎役で出演する。2nd写真集「One day off」(ワニブックス刊)が発売中。
2017年8月21日更新