「結婚できないにはワケがある。」速水もこみち / 若月佑美 インタビュー|エリート課長×結婚を夢見る女×人形!?が織りなす不思議な三角関係

ドラマ+「結婚できないにはワケがある。」がABCテレビ、テレビ神奈川で放送中のほか、TELASAで配信中。同じくABCテレビ制作のドラマ「この男は人生最大の過ちです」で話題をさらった速水もこみちが、“人形愛好家”という一面を持つエリート課長・富澤光央役で本作でも主演を務めている。30歳までに理想の男性と結婚したいと夢見る会社員・後藤まりこ役には若月佑美がキャスティングされた。劇中では光央、まりこ、光央が溺愛する人形・みちゅこが織りなす不思議な三角関係が描かれる。

このたび映画ナタリーでは速水、若月にそれぞれインタビューを実施。速水とみちゅこの間に芽生えた“絆”、この現場ならではの言い間違いNGなどユニークなエピソードが明かされる。

取材・文 / 田尻和花 撮影 / 玉井美世子
ヘアメイク / 大江一代(速水もこみち)、オオクボエミコ(若月佑美)
スタイリング / 後原利基

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速水もこみち インタビュー

クセのある男シリーズをやってて女性ファンがつくのかな

速水もこみち

──「この男は人生最大の過ちです」に続いて、クセの強いエリート役を演じられるということで話題になっていますね。こういった大きなギャップがある役で再びオファーが来ていかがでしたか?

うれしかったですね! 「この男は人生最大の過ちです」のあと、「またご一緒できたらいいですね」とは話していたんです。ABCさんは本当に面白い番組作りをしてくださいますし、ドンピシャで読んでいたマンガが原作だったというのもあって。

──ドラマ発表時のコメントでも、すでにマンガを読んでいるとつづられていましたね。

同じく少女マンガ原作だった「この男は人生最大の過ちです」がきっかけで、少女マンガって面白いなと。それからけっこう読むようになって、たまたま見つけたんですよ。

──すごい偶然ですね!

そうなんです。いろんなマンガを読むんですけど、エリート課長で、ふたを開けたら人形が好きで……っていうのはありそうでなかった。まず設定が面白いなって思って、読んでいくうちにどんどんハマっていきました。ヒロインのまりこはすごく一生懸命で、ここまでしてくれるの?っていうほどのまっすぐな心がある。そういうところにすごく惹かれました。

──速水さんが演じられた光央についてはどうでしょうか。

不思議な人ですよね。なんでもできる憧れの存在で派手に見えるけど、実は寂しいところがある。なんでもできてしまうからこそ、自分はつまらない人間なんだって思ってるんです。そこでみちゅこという人形、さらにまりことも出会ってどんどん光央が成長していく。でも光央だけじゃなく、まりこもともに成長していくっていうのがすごく素敵だなと思うんです。プラスしてみちゅこがいることで不思議な三角関係というか、お互いを支え合う関係になっていますから。

──マンガを読みながら、光央を演じることになるとちょっとでも想像していましたか?

もしかしたら?みたいなのはありましたね。それにちょっと気が早いですけど、「この男は人生最大の過ちです」「結婚できないにはワケがある。」に続くクセのある男シリーズ3作目が今後あればやりたいなとも思います。ただ、このシリーズをやってて女性のファンがつくのかな?っていう感じはありますが……(笑)。

(ドラマ制作スタッフ一同) (笑)

会議を重ねて、素敵なところにたどり着いた

──そういう一面も素敵だと思います(笑)。脚本を読む限り、コミカルなシーンも多そうでしたね。

速水もこみち

コミカルな部分は真面目にやるぐらいのほうが面白さが伝わるんじゃないかなと思ってます。いかにも転びますみたいな感じでふざけるより、逆に本気で演じるぐらいがいいんじゃないかなと。でもところどころの箸休め的な部分で遊びは入れてますよ。

──「みちゅこー!」と叫ぶシーンや、全力で魂が抜けるような顔をする場面もあるようなので、映像で観るのがとても楽しみです。

そこは何度か会議を重ねて、素敵なところにたどり着きまして……(笑)。ちょっとした話し合いに僕も参加させてもらっているのでチーム感が生まれていますし、この現場ではたくさんコミュニケーションが取れていてすごくありがたいですね。

──現場に入られると、監督とはけっこうお話されるタイプなんですか?

実は僕、現場で基本しゃべらないんです(笑)。若月(佑美)さんも「すごいクールなイメージだ」って言ってましたよね。クールなんですよ。

(ドラマ制作スタッフ一同) (笑)

現場に入る前にバーッと僕なりに台本を読み込んではいるので、感情移入はしっかりとできていると思います。マンガも読んでいたのでイメージはできていましたし。それにすごく若月さんに助けていただいてますね。彼女がいろんな表情をしてくださるので、それで動かされる部分もあって。

──若月さんとは初共演ですよね。

若月佑美演じる後藤まりこ。

そうです。1つひとつ全力というか、びしっとストレートプレーをしてくださいますね。光央はそんなにアップダウンがない役なんですが、若月さんがストレートにセリフや思いをグサッと伝えてくれるので、すごくやりやすいです。

──今、速水さんは半分くらい撮影が終わったそうですが、若月さんとの現場で印象的だったことはありますか?(※取材は2021年4月上旬に実施)

オープニング映像の撮影ですね。結婚式の衣装を着ていろんなところを走ったので、2人とも足がパンパンになりましたよ! 横浜の赤レンガ倉庫のほうでも撮影させてもらったんですが、僕もちょこちょこ行ってる場所で真っ白いタキシード着て走って。あまりにも人が多かったんで、今後僕はもうここに来れないんじゃないかって思いました(笑)。

──周囲にはバレバレだったと。

けっこうたくさん人がいましたし、2人とも真っ白な衣装なんでね(笑)。

──見かけた方はラッキーですね(笑)。若月さんとのシーンが今のところはかなり多いんでしょうか?

そうですね、あとはみちゅこと2人のシーンも。……みちゅこエピソード、聞きます?

──ぜひ聞きたいです!

みちゅこの声が聞こえちゃう

左からみちゅこ、速水もこみち。

僕、本当にみちゅこの声が聞こえちゃうのよ……なんてね。ははは! でも、なんて言ったらいいのかな。不思議と僕自身に伝わってくる部分があるので一緒にいて面白いですよ。

──絆が芽生えていると。人形とのお芝居は難しそうですが、すんなりなじめましたか。

最初から抵抗はほとんどなかったですよね?(スタッフのほうを向きながら)

(ドラマ制作スタッフ) はい。

もともと僕はフィギュアが好きで、子供の頃から集めていたもんですから。

──どういうものがお好きだったんですか?

映画になっているようなアメコミのフィギュアですね。僕はコレクターなので、パッケージから出さずに飾ったり。

──アメコミのフィギュアってパッケージ自体もかっこいいですもんね。

そうそうそう。だから全然抵抗がないというか。人形で遊んだりすることはないんですけど、気持ちがわかるというか、よさはわかるんです。みちゅこに会えてよかったなって、うれしかったですね。ちなみにマンガではみちゅこを持ち歩くカバンの中までは描かれてませんが、ドラマではカバンの中に枕とか布団も作ってもらってます。

──かわいいです! ではみちゅこを1人の登場人物として捉えて、一緒にやってきたということですね。

左からみちゅこ、速水もこみち演じる富澤光央、若月佑美演じる後藤まりこ。

そうですね。やっぱり抱えているだけでも「こういうことしたいんだな」とか「一緒にこうしたら面白いんだな」みたいなことを考えますよ。お話まではしないけど、僕にしかわからない何かというか……いろいろと一緒に面白いことしてるんですよ。そういう細かいところもぜひドラマでチェックしていただけたらなと思います。さっきこの記事用の写真撮影でしていたように、みちゅこがばんざいしてたり口元を押さえていたりというポーズは劇中でもしていて。ちょっといっこく堂さんみたいなんじゃないかと(笑)。ちなみに、実はみちゅこは動いたりもするんです。

──えっ、ドラマ内でですか?

そうなんですよ。その一瞬を見逃さないでほしいですね。細かいところまで撮ってますよ!

いつも助けられているので感謝しかないです

速水もこみち

──動くみちゅこ、気になります! 今までお話を聞いていて、現場はすごくスムーズだったのかなという印象を受けたんですが、苦労した点もありましたか。

共演者、スタッフみんな仲良しだからか、そういうのが全然ないんです。心置きなくいろいろできているというか。多分疲れてるんだろうけど、きっとこうやってみんなで笑ってるからそういうのも吹き飛ぶんです。

──和やかなチームで素敵ですね。では、撮影を一緒にがんばってらっしゃる若月さんへのメッセージをいただけますか。

長くなりますけどいいですか? 初めて会ったときに……。

(ドラマ制作スタッフ) これは長いぞー(笑)。

(笑)。いつも助けられているので本当に感謝しかないです。すごく真面目な方ですし、演技への向き合い方が似ていると思ってます。合間に違う現場にも行かれていると聞いてるんですが、そういう中でも全力でやってくださっているので、感謝の気持ちでいっぱいですね。微力ですけど、僕も一生懸命サポートできたらと思っています。みちゅこと光央を引き続き最後までよろしくお願いします!

速水もこみち(ハヤミモコミチ)
1984年8月10日生まれ、東京都出身。2002年に俳優デビュー。2005年放送のドラマ「ごくせん」第2シリーズで注目を集め、第30回エランドール賞新人賞に輝いた。2006年公開作「ラフ」では映画初主演を果たし、第30回日本アカデミー賞新人賞を獲得している。以降主な出演作にドラマ「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」「絶対彼氏~完全無欠の恋人ロボット~」「この男は人生最大の過ちです」、映画「となりの怪物くん」「Bの戦場」がある。「バイプレイヤーズ~もしも100人の名脇役が映画を作ったら~」が現在公開中。

2021年6月21日更新