山本舞香が主演を務め、板垣瑞生が共演するスペシャルドラマ「デキないふたり」が1月3日深夜にテレビ朝日で放送。TELASA(テラサ)オリジナルバージョンも12月31日24時より配信される。
本作は、里村による同名マンガを映像化したオフィスラブコメディ。7年前に最悪の別れ方をした同期の男女の関係が、ライバルとして営業成績を競い合う中で変化していくさまが描かれる。山本が“こじらせ系美人”の白藤奈緒、板垣が素直になれない“迷走男子”の黒瀬孝仁を演じたほか、塩野瑛久、高野洸、綱啓永らも出演。「チェリまほ」の愛称で知られるドラマ「30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい」の湯浅弘章が演出を担当した。
地上波版は「ディスきゅん」編として奈緒の視点、TELASAオリジナル版「ムズきゅん」編は黒瀬の視点でそれぞれ物語が展開。双方の“きゅん”が描かれる両作の見どころや、初共演した感想、キスシーンの裏話などを山本と板垣に語ってもらった。
取材・文 / 小林千絵撮影 / 西村満
板垣くんを検索して「弟と同い歳!?」(山本)
──山本舞香さんは白藤奈緒、板垣瑞生さんは黒瀬孝仁、それぞれご自身の役をどのような人物だと捉えて演じられましたか?
山本舞香 奈緒は好きな人に対して強く当たってしまう子。私も好きな人に対して思ってもないことを言ってしまって後悔することがあるから、似ているなと思っていて。それでいて意識していない金城(冬馬)には弱いところも見せちゃう。そういうところも含めて、私だけじゃなく、特に女性が共感できる子じゃないかなと思いながら演じました。
板垣瑞生 黒瀬は純朴で真面目。僕も異性に対して、“好きだからこそ近付けない”みたいなところがあるので共感できます。なかなか一歩が踏み出せないところは特にわかりますね。それでいて黒瀬は子供っぽさも持ち合わせていて。地上波版では真面目な分、TELASA版では思いきりふざけられたらと思いました。
──お二人は初共演でしたが、いかがでしたか?
板垣 僕はもともと山本さんと一緒にお芝居してみたいなと思っていたので、共演できる機会をいただけてうれしかったです。映像で拝見していて、「芝居を喧嘩腰でやってくれる方なんだろうな」と勝手に思っていたんです。
山本 ほう。
板垣 いい意味で、ですよ! セリフの投げ方や動きがそうだということではなくて、「そのフックで来るなら、こっちはアッパーで返す」みたいな……その瞬間瞬間に“本気”でやってくれる方なんだろうなと。実際、奈緒と黒瀬が喧嘩するシーンがあったのですが、まっすぐで気持ちよかったです。「こんなに気持ちよく怒れる人いるんだ」っていうくらい。
山本 あはは(笑)。言っとくけどお芝居だからね!
板垣 はい! すみません!(笑) 喧嘩するシーンって、少しでもテンポが落ちたり、どちらかの熱量が落ちたりするとうまくいかないんですけど、山本さんは常に時速150kmの豪速球みたいなものを投げてくれるので、奈緒が山本さんでよかったなと思いました。
──山本さんは板垣さんに対してどのような印象を持っていましたか?
山本 申し訳ないのですが、板垣くんのことをそんなに存じ上げていなくて。共演することが決まってから検索させていただいて「え、21歳なの!? 弟と同い歳!? で、キスするの!?」と不思議な気持ちになりました。実際に会ってみるとすごく人懐っこい子で。スタッフさんたちに対してもフランクで、かわいらしい子ですが、撮影では黒瀬になる瞬間がきちんとあって。私が想像していた黒瀬とはまた違う、板垣くんなりの黒瀬を演じてくれました。お茶目な部分もあり、一緒に撮影していて楽しかったです。
地上波版はクール、TELASA版では解放できた(板垣)
──山本さんはラブコメ初挑戦となりましたが、その点はいかがでしたか?
山本 新鮮でした。恥ずかしかったですけど、今までにない役だった分、勉強にもなりましたね。
──先ほど、板垣さんが「TELASA版ではふざけられたらと思っていました」とおっしゃっていましたが、本作は奈緒の視点で物語が進む地上波版と、黒瀬の視点で展開するTELASA版という、2つの視点による連動作品です。この試みについてはどう思いましたか?
山本 TELASA版のほうがコミカルになるとは聞いていたのですが、実際に脚本を読んで「こうも違うのか」と思いました。TELASA版では黒瀬の本心が描かれているので、あまり読まないようにしようと思いましたね。黒瀬がどう思っているかがわかると、奈緒はちょっと優しくなっちゃいそうだなと思って。あくまでも黒瀬の気持ちを知らない奈緒を作ろうと意識しました。TELASA版の脚本を最初に読んだとき「見なきゃよかった」と思いましたもん(笑)。原作通りではあるんですけどね。TELASA版はコメディ要素が強くて面白いと思います。
板垣 僕は「やったー!」と思いました。
──喜びですか?
板垣 喜びです。地上波版の黒瀬はクールなので、肉体的にも精神的にも解放する場所があるのがすごくうれしかったです。解放できるおかげでクールなほうも振り切ってできましたし。
山本 できてなかったじゃん!
板垣 えー! できてましたよ!
山本 監督に「そこは笑わないで」「黒瀬、もうちょっとクールでいて」ってめっちゃ言われてたじゃん。「ふざけられるところはふざけていいから、とりあえずここはクールで」って。
板垣 ……言われました(笑)。
山本 それに対して「だって笑っちゃうんですもーん」とか言って(笑)。でもそういう面で黒瀬を演じるのはすごく大変だったんじゃないかなと思います。素がこういうニコニコした子だから、なおさら。
板垣 そうですね。でも面白かったです!
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キスシーンで「いつ目をつぶればいいんだろう?」(山本)