生田斗真の主演ドラマ「警部補ダイマジン」がテレビ朝日系で毎週金曜23時15分から放送中。動画配信サービス・TELASA(テラサ)では、未公開シーンやメイキングを収録した「警部補ダイマジン完全版」が独占配信中だ。
リチャード・ウー原作、コウノコウジ作画の同名マンガを映像化した本作。映画ナタリーでは、巨悪に挑むエース警部補・ダイマジンこと台場陣役の生田、台場をこき使う特命捜査対策班の室長・平安才門役の向井理、そして監督を務める三池崇史にインタビューを実施した。ドラマの魅力や、生田と向井がエネルギーを感じたという三池組の現場、そして「地上波版以上にやりたい放題やっている」と期待を込めた完全版についても語ってもらった。
取材・文 / 奥村百恵撮影 / 曽我美芽
がんばって戦い続けてきたからこそ今がある(向井)
──生田さんと向井さんは2010年公開の映画「ハナミズキ」以来約13年ぶりの共演となりましたが、久々にご一緒されてみていかがでしたか。
生田斗真 「ハナミズキ」から13年も経ったの?と思うぐらい、お互いあまり変わってないんじゃないかなっていうのが久々に会ったときの印象でしたね。ただ、向井くんの佇まいからは13年の間にたくさんの現場でいろいろな修羅場をくぐってきたことが伝わってきたので、今回ご一緒できて感慨深かったです。
向井理 お互いがんばって戦い続けてきたからこそ今があると思うので、同じく感慨深かったです。もちろん、いろいろな変化も感じつつ、相変わらずだなと思うところもたくさんあったので、懐かしかったし楽しかったですね。
──向井さんは、今回初めての三池組となりましたね。
向井 正直な話、お会いするまでは怖い方なのかなと思っていたんです。NGを出して殴られたらどうしようとか(笑)。というのは冗談ですが、三池監督の作品からは圧倒的なエネルギーを感じることが多かったので、それがいったいどうやって撮られているのか、以前からとても興味がありました。それで今回監督と初めてご一緒させていただいて、「なるほど! だからこういう瞬発的なエネルギーを映像として残せるのか」と納得できることばかりだったので、それを目の当たりにできたのが何よりうれしかったです。
ちょっと危険な香りがするドラマになっています(生田)
──生田さんは三池監督とは映画「土竜の唄」シリーズでタッグを組み、今回はドラマという形でご一緒されています。現場はいかがでしたか。
生田 映画からテレビドラマという場所に闘いの場を移して、監督とともに作品作りができたのはすごくうれしかったです。向井くんが“エネルギーを感じる”と話していましたが、映像から伝わってくる“三池崇史ならではの色”というのは確実にあって、その魅力の源がなんなのか、何度ご一緒してもいまだにつかみきれていないというか。「警部補ダイマジン」も三池節炸裂のちょっと危険な香りがするドラマになっていますので、最後まで楽しんでもらいたいですね。
──三池監督は生田さん、向井さんの俳優としての魅力をどんなところに感じてらっしゃいますか。
三池崇史 俳優としてというよりも、男としてかっこいいですよね。2人とも、長年あらゆる現場でいろんなものと闘ってきたからこそ今の立ち位置やキャリアがある。それは簡単ではないと思うんです。作品をどうやって面白く見せるかを必死で考えながら芝居を続けてきた方たちなので、本作の現場では「毎シーンどう演じてくれるんだろう?」とわくわくしながら撮影していました。
──向井さん演じる平安が「ご主人様」で、生田さん演じる台場が「奴隷」というユニークな関係性も本作の魅力ですが、この特殊な関係性を演じてみていかがでしたか。
生田 向井くんのスマートな容姿から放たれる“嫌みなセリフ”が心地よくてたまらなかったです(笑)。
向井 事前に「こう演じよう」と準備したというよりは、現場で1度やってみて、そのあと「もっと台場が嫌がることをやろう」とか「こういう距離の詰め方をしたらきっと嫌だろうな」とか、その場その場で感じたことをお芝居に取り込んでいました。台場が嫌だと思えば思うほど、それが負のエネルギーに変わると思ったし、その蓄積された負のエネルギーを彼が大事な場面で発散することで、平安が台場をコントロールしているように見えればいいなと、そんなふうに思いながら演じていました。
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とにかく三池監督の振り切り方が半端じゃない(生田)