「glee/グリー」「ラ・ラ・ランド」の振付師が手がけた最新ミュージカルが、いよいよ日本初上陸。海外ドラマ「ゾーイの超イケてるプレイリスト」が、海外ドラマ専門チャンネルのスーパー!ドラマTVで3月25日より独占日本初放送される。本特集では、ミュージカル好きの著名人にコメントを依頼。俳優の小関裕太、7ORDERの真田佑馬、SCANDAL HARUNAにひと足早くドラマを鑑賞してもらった。数々のヒットソングが流れる本作の公式プレイリストも聴き逃しなく。
文 / 奥富敏晴
他人の心の声が聞こえたら…?
ザ・ビートルズが「落ち込む僕を助けてくれ。そばにいてほしい」と叫んだ名曲「ヘルプ!」。この曲を電車で隣に座った人が突然歌いだしたら? 時に違和感も覚える誰もが歌って踊るミュージカルの常識。そんなお約束を逆手に取った本作では、急に歌い出す周囲の人に戸惑う女性ゾーイが主人公に。彼女はあるきっかけで他人の心情が歌となって聞こえる能力を持ってしまう。道行く人や同僚による突然の大熱唱。しかし、歌う本人たちの悩みは至って大真面目……ゾーイは思いがけない形で知った他人の苦悩に直面していく。
実在のヒット曲が彩るミュージカル
いつも楽しそうな同僚が突然歌い出す「狂気の世界」。できる上司が職場で欲求不満を爆発させる「サティスファクション」。人々が歌うのは、ドラマオリジナルの楽曲ではなく実在のヒットソングだ。ホイットニー・ヒューストン、ボン・ジョヴィ、ケイティ・ペリー、ジョナス・ブラザーズ、リゾなど。一世を風靡したアーティストの懐かしの名曲から最新ヒット曲まで、数々の楽曲が物語を彩った。あなたも自分の心に乗せて歌いたい1曲が見つかるはず!
ジョナス・ブラザーズ
「サッカー」(2019年)
同僚の秘めた思いが爆発
2019年に再結成を果たした3兄弟バンド。ミュージックビデオでは3人がそれぞれの妻や婚約者の前で「僕は君に夢中」とセクシーに歌い上げたことで話題に。ゾーイは親友だと思っていた男性の同僚から、この曲を歌われて大混乱!?
ヴァン・モリソン
「ムーンダンス」(1970年)
両親の性生活に介入?
北アイルランドが生んだ孤高のシンガーが、“ムーンダンス”を踊るのにふさわしいロマンティックな一夜を歌った1曲。劇中では、ゾーイだけに見える形で難病の父親がこの曲を披露する。普段は体を動かすことも話すこともできない父親の真意とは。
「あの人、本当はどう思っているんだろう」と、他人の本音というものは普段どうしても覗きたくなってしまう。上司の声・部下の声・友人の声・気になるあの人の声…
皆さんもこんなこと思ったことありませんか? “何か”が違くて改善したいのだけど、その何かがわからない時の「もっとこうしたら良いのに」という先輩からのアドバイスや、面接官の「もっとこういう人材が欲しい」という本音などを聞きたくなること。多いのではないだろうか。
でも他人の本音が自分にとって全て聞きたいものとは限らない。悲しみ・弱み・誹謗中傷など様々なものがあり、聞くに堪えないものの方が多い。
この物語の主人公ゾーイはある出来事から、人の心の声が「歌声」となって聴こえるようになる。そんなゾーイにも、聞きたくない人の喜びや叫びや悩みが、雨のように降りかかる。ただ、物事は捉えよう。ゾーイは段々と声に出せない人たちの悲痛を聴いて寄り添うようになり、声に出せない人の心から聴こえてくる応援にゾーイ自身が助けられ、様々な人と心を交わし成長していく。
心の声が歌に聴こえるというシチュエーションはドラマのようだけれど、現実世界、人の心の声が見えてしまう人は多いと思う。ゾーイを見ていると進もう!と元気が貰えるので、ぜひそんな方々にこの作品と出逢ってほしい!
ちなみに、ちなみにだけれど、僕の最近の脳内プレイリストは寺尾聰さんの「ルビーの指環」です(笑)。
現在貴方は自分の心に正直に生きていますか?
感情を押し殺して日常を過ごしていませんか?
そんな貴方にお薦めしたいミュージカルコメディドラマ「ゾーイの超イケてるプレイリスト」です。今作品では一度は聴いたことがあるヒットナンバーがシーンを華やかに彩りつつ、ストーリーが進んでいきます。
また「ミュージカルドラマで急に役者が歌い出すと面白いと感じる」という現象が気になる人も、今作品ではその現象を逆手にとり、主人公のゾーイがおかしく思いながら物語が進んでいくのも面白いポイントです。
The BeatlesからJason Mrazまで幅広い世代の楽曲が織りなす超イケてるプレイリスト達も最高ですね。
作品を見た後は普段聴いてる曲を通して貴方の感情を曝け出す事ができるでしょう。音楽が貴方の感情を豊かにしてくれる事を再確認できるミュージカルコメディドラマです。
ミュージカル作品といえば、歌唱シーンをいかにストーリーの中に馴染ませるかを重要視していくと思うのですが、本作では、その歌唱シーンを意図的に違和感として描き、周りが一方的に歌やダンスで感情をぶつけてくることに主人公が戸惑い振り回されたり、悩みを解決するヒントをもらったりするという斬新な設定がとても面白く、今までに観たことのない全く新しいジャンルのミュージカルだなと思いました!
心温まる家族とのシーン、職場で起こるドキドキのロマンス、そのシチュエーションに合わせたプレイリストを観て聴いてシンプルにその選曲を楽しめる事と同時に、やはり日常において音楽は必要不可欠なんだな、気持ちを表現する上で音楽は誰かの役に立っているんだなと、なんだかミュージシャンとしても嬉しくなる作品でした。