ある意味「スマホを落としただけなのに」の顔でもある(井浦)
──全作ご出演されている千葉雄大さんについてもお伺いしたいです。
大谷 僕は基本、成田くんとウンビさんの2人としか現場で会っていなくて、千葉さんにはお会いできていないんです。
成田 僕も千葉さんとは1日しか一緒のシーンがなかったんですけど、そういえばこの作品の衣装合わせ直後ぐらいにたまたま連絡が来て、「何してんの? ごはん食べよう」って誘われて。この作品の話は一切していないんですけど、何かを察知したかのようなタイミングで連絡が来たのは面白かったです。
井浦 浦野がこの作品の飛び道具だとしたら、千葉くん演じる加賀谷はこの作品の良心だと感じます。1から3までブレずに徹底して加賀谷としていてくれるのは、ある意味「スマホを落としただけなのに」の顔でもある。シリーズを通して正義の刑事である加賀谷がいるからこそ、1作品ごとにさまざまな顔を見せる浦野がいい対比になっているというか。
──千葉さんのことで印象的だったエピソードは……。
井浦 特にないですね(笑)。
成田・大谷 あはははは(笑)。
井浦 粛々と進めていましたから。
成田 2人とも粛々とやっていましたね。爆破シーンとかもあったけど。
井浦 うん、粛々とやってた(笑)。だってもう千葉くんってなんでもできる人でしょ。だからすごい安心感で、ワンシーンワンシーン、2人でしっかりとやっていこうみたいな雰囲気でした。
成田 千葉さん、真面目ですよね。
井浦 例えば浦野を追う芝居でも、多角的な視点でいろんな場所でいろんなシーンを撮ってつなぎ合わせるから複雑で。演技している側は今どこに浦野がいて、自分たちはどこに進めばいいのかわからなくなるときがあったんです。
大谷 あのシーンはカットをたくさん撮っているなと思っていました。
井浦 そうなんです。中田秀夫監督の頭の中にはちゃんとビジョンがあるんですけどね。千葉くんと2人で「次のシーンでこうすればいいんだよね」って確認して助け合いながらやっていました。
皆さん出てくださるのはありがたいです(成田)
──田中圭さんや白石麻衣さん、原田泰造さんら前作のキャストが出演されているのもファンの方にはうれしいですよね。
成田 1作目からストーリーがつながっているので、皆さんが出てくださるのはありがたいです。でも僕は見事に誰にもお会いできてないんですけど(笑)。新さんは、圭さんとは「おっさんずラブ-リターンズ-」の時期と同じくらい?
井浦 圭くんとはまた違う現場で親子の役(2023年放送のテレビ朝日系ドラマ「unknown」)を撮影しているときで(笑)。昨日は親子を演じていたのに、この現場では初めましての設定で面白かったです。
──シリーズを通して中田秀夫監督がメガホンを取っていますが、今回の中田組はいかがでしたか? 大谷さんは初めてですよね。
成田 中田組はいつも平和ですよ。
大谷 そうですね。中田監督は一見、ちょっといかつい雰囲気がありますけど(笑)、とても穏やかな方です。
成田 ホラーの第一人者としてあんな作品もこんな作品も撮っているから、怖い人でもおかしくないですもんね(笑)。中田監督は芝居に関しては任せてくださることが多いです。
井浦 お芝居に関しては俳優を信じて任せてくれていますが、2作目と3作目をご一緒した僕の印象としては、やっぱり画へのこだわりがすごいなと思いました。
成田 そうですね。だからビジュアルとしての衣装にもこだわりがあって、こうしたいああしたいという意見がはっきりされています。あ、でもキャラクターの感情は「この気持ちが6くらいで、この気持ちが2ぐらいで」みたいに数値で説明してくださるんですよ。
大谷 中田監督が感情を数値で表すというお話は聞いていたんですけど、ガンフンにはそれが出てこなかったので残念です(笑)。
一瞬もダレないし、常に緊張感がある中で驚かされる展開も多い(大谷)
──シリーズをより楽しめるポイントがあったら教えてください。
大谷 最後まで見どころが多いですよね。僕は試写を観たときに自分の出演シーン以外はお客さん目線になってすごく楽しめたんですよ。一瞬もダレないし、常に緊張感がある中で驚かされる展開も多いし、ある人物の正体とか夫婦間の話とか、ポイントになる要素にワクワクしました。
井浦 「スマホを落としただけなのに」、いよいよ誰もスマホを落とさなくなってきたなっていう……(笑)。
成田・大谷 あははは(笑)。
成田 3作目ではついに韓国が舞台になって感慨深いです。それに1作目が公開された6年前より、もっと当たり前にスマホがあって、より身近になっていて。それが誰の手に渡るかで人生が劇的に変わってくるかっていうダイナミックさもありますよね。
井浦 あとは浦野をたっぷり見られるのが面白いと思います。1、2は突然登場しますが、今作は浦野目線の物語なので、シリーズを追って観てくださっている方はおなかいっぱいになるぐらい浦野の根源を堪能できますし、逆にこの作品から観た方が2作目、1作目とさかのぼっていって、浦野の狂気を見ていくのも面白いですよね。
成田 1と2では表面的だった浦野の中身を3で埋めていくので、確かにシリーズを逆走するのは面白いですね。
井浦 6年経ってますから。当時10歳の子はもう高校生になってスマホを持つ年代になってますし。
成田 確かに。6年前の記憶、あいまいになりますよね。僕ですら、この間久々に1作目を観返したら、鮮度抜群で楽しく観られましたから。
大谷 シリーズものはそういう楽しみ方ができるのが醍醐味ですよね。ファイナルでは韓国が舞台なのでスケール感もありますし、スリルと緊張感が味わえました。
成田 シリーズを通して観てくださっている方とか、友達に連れられて観に行く方とか、いろいろな方がいらっしゃると思いますけど、すべての方に楽しんでいただけるエンタテインメント作品になっていますので、ぜひ劇場でご覧ください。
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プロフィール
成田凌(ナリタリョウ)
1993年11月22日生まれ、埼玉県出身。2013年よりMEN'S NON-NOの専属モデルとして活動し、2021年に卒業。2018年には出演作「スマホを落としただけなのに」「ビブリア古書堂の事件手帖」で第42回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞した。そのほか「ニワトリ★スター」「愛がなんだ」「カツベン!」「窮鼠はチーズの夢を見る」「弥生、三月 -君を愛した30年-」「まともじゃないのは君も一緒」「ホムンクルス」「コンビニエンス・ストーリー」「こいびとのみつけかた」、ドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」「アリバイ崩し承ります」「逃亡医F」「転職の魔王様」「降り積もれ孤独な死よ」、連続テレビ小説「わろてんか」「おちょやん」などに出演。2024年11月29日に「雨の中の慾情」の公開を控える。
成田凌 (@_ryonarita_) | Instagram
大谷亮平(オオタニリョウヘイ)
1980年10月1日生まれ、大阪府出身。2003年に韓国のCM「ダンキンドーナツ」に出演し、2006年には韓国のシチュエーションコメディドラマ「ソウルメイト~恋人たちのダイアリー~」で俳優デビューを果たす。ドラマ「朝鮮ガンマン」では「ソウルドラマアワード2014」グローバル俳優賞を受賞。2016年に日本でも本格的に活動を始め、主な出演作は映画「ゴールデンカムイ」、ドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」「ノーサイド・ゲーム」、連続テレビ小説「まんぷく」、「異世界居酒屋『のぶ』」「スカイキャッスル」「ゴールデンカムイ -北海道刺青囚人争奪編-」など。
大谷亮平 STAFF (@ryohei_otani) | X
井浦新(イウラアラタ)
1974年9月15日生まれ、東京都出身。1998年に是枝裕和の監督作「ワンダフルライフ」で映画初主演。2013年、若松孝二監督「11・25自決の日 三島由紀夫と若者たち」で日本映画プロフェッショナル大賞主演男優賞、ヤン・ヨンヒ監督「かぞくのくに」でブルーリボン賞助演男優賞を受賞。近年の主な出演作に「朝が来る」「福田村事件」「東京カウボーイ」「ラストマイル」といった映画や、ドラマ「アンナチュラル」「最愛」「おっさんずラブ-リターンズ-」大河ドラマ「光る君へ」など。そして「無能の鷹」「ゴールデンカムイ -北海道刺青囚人争奪編-」が現在放送中。2024年10月18日より主演作「徒花-ADABANA-」が公開中。12月13日には「MIRRORLIAR FILMS Season6」の公開を控える。また映画館を応援する「MINI THEATER PARK」、アパレルブランド〈ELNEST CREATIVE ACTIVITY〉ディレクター、サステナブル・コスメブランド〈Kruhi〉のファウンダーを務めるなど、その活動は多岐にわたる。
井浦 新 | ARATA iura (@el_arata_nest) | X