大野智が時代劇映画初主演を果たした「忍びの国」が、7月1日に全国公開される。原作は「のぼうの城」「村上海賊の娘」で知られる和田竜の同名ベストセラー小説。史実に残る天正伊賀の乱を背景に、織田軍と伊賀忍び軍団の壮絶な戦を、「予告犯」「殿、利息でござる!」の中村義洋がダイナミックに描き出した。共演には石原さとみ、鈴木亮平、伊勢谷友介、知念侑李らが名を連ねる。
映画ナタリーは本作の公開を記念し、凄腕だが女房の尻に敷かれっぱなしの忍び・無門を演じた大野と、無門に厳しい視線を向ける妻・お国を演じた石原の2人にインタビュー。無理なく芝居に入り込めたという2人が、夫婦役を通して互いに抱いた思いを明かす。
取材・文 / 金須晶子
伊賀 忍び軍
織田軍
伊勢 北畠家
大野さんがセリフを発した瞬間、「無門だ!」(石原)
──撮影は2016年の夏だと伺いましたが、お二人がそろうのは久々ですか?
大野智 あれ……あれだよね、歌番組。ドラマ(「地味にスゴイ!校閲ガール・河野悦子」)でゲスト出演していたときの。
石原さとみ え、それが最後でしたっけ? 映画の打ち上げもありませんでした?
大野 いや、それは歌番組より前だよ。確か。
石原 そうでしたか! ひさびさですね。いつもテレビでお見かけするから身近な存在に感じてました(笑)。
──思ったよりひさびさだったということで。役者としては今回が初共演だったお二人ですが、一緒にお芝居されていかがでしたか?
大野 バラエティ番組では何回か共演していたので、自然とできました。なんの違和感もなく、お互いスーッと役に入りましたね。
石原 大野さんはいつも自然体でいてくださるので、こちらも気負わずにいられました。一番初めの読み合わせのとき、私すごく緊張していたんです。でも大野さんがセリフを発した瞬間、無門だ!と思って。そうそう、これこれ!みたいな。ついに始まったんだなと実感したのを覚えています。
次のページ »
無門は僕に近い、基本何もしたくないという意味で(大野)
- 「忍びの国」
- 2017年7月1日(土)全国公開
-
時は戦国。魔王・織田信長は勢力を拡大し、織田家の天下統一に向け猛進していた。次に狙うは伊賀の国。そこには人を人とも思わない非情な忍者衆が暮らしていた。忍びの1人である無門は、彼の前ではどんな堅牢な門も意味をなさないと形容されるほどの凄腕ながら、普段は怠け者で、女房・お国に頭が上がらない。一方、無門の強さに匹敵する伊賀忍者・下山平兵衛は、家族の命でさえも粗末に扱う伊賀の考えに疑念を抱く。ある日、ついに織田の軍勢が伊賀攻めを開始。平兵衛が祖国を裏切り、伊賀への手引きを行ったのだ。武力・兵力では到底敵うはずもない伊賀だったが、無門率いる忍びの軍団は秘策を用意して織田軍に対抗する。
- スタッフ / キャスト
-
監督:中村義洋
原作・脚本:和田竜
主題歌:嵐「つなぐ」
出演:大野智、石原さとみ、伊勢谷友介、鈴木亮平、知念侑李、立川談春、國村隼、マキタスポーツ、平祐奈、満島真之介、でんでん、きたろう
ナレーション:山﨑努
©2017 映画『忍びの国』製作委員会
- 大野智(オオノサトシ)
- 1980年11月26日生まれ、東京都出身。1999年、嵐のメンバーとしてデビュー。2011年、中村義洋監督作「映画 怪物くん」で映画単独初主演を飾った。ドラマ主演作には「魔王」「歌のおにいさん」「鍵のかかった部屋」「死神くん」「世界一難しい恋」などがある。絵画やオブジェの創作に励むクリエイティブな一面も持ち、2008年と2015年に個展「FREESTYLE」「FREESTYLE II」を開催した。
- 石原さとみ(イシハラサトミ)
- 1986年12月24日生まれ、東京都出身。2003年、映画デビュー作「わたしのグランパ」で第46回ブルーリボン賞新人賞をはじめ多数の映画賞を獲得する。2006年公開「北の零年」で第29回日本アカデミー賞優秀助演女優賞に輝いた。2016年公開「シン・ゴジラ」は第40回日本アカデミー賞で最優秀作品賞を受賞し、自身も助演女優賞に選出された。そのほか近年の出演作に「進撃の巨人 ATTACK ON TITAN」シリーズ、ドラマ「地味にスゴイ!校閲ガール・河野悦子」など。