映画ナタリー Power Push - 「進撃の巨人 ATTACK ON TITAN」

本郷奏多インタビュー 感情のメーターを100にするとき

感情のリミットを外す心地よさ

本郷奏多

──完成品を観たあとで、アルミン以外に本郷さんが演じてみたいと感じるキャラクターはいましたか?

うーん……、どのキャラクターも魅力的なので難しいですね。でも誰か1人を選ぶならエレンですね。

──それはどうしてですか?

エレンが一番、感情を爆発させる場面が多いからです。演技をしていて一番楽しい瞬間って、感情のメーターを100にするときだと思うんです。私生活の中で、思いっきり感情をぶつけることって、ほとんどないじゃないですか。だから撮影期間の中でそれが何度もできるというのは、すごい楽しい作業なんです!

「進撃の巨人 ATTACK ON TITAN」より。

──そういう意味で、アルミンをかばったエレンが巨人に喰われてしまうシーンは……。

そのシーンは、感情を剥き出しにできる瞬間なので楽しかったです。原作でも印象的な場面ですし、映画の中でも前編のクライマックスを彩る大事なシーンだったので、感情を高めながらも丁寧に演じました。ただ僕には巨人に食べられた経験がないので(笑)、どう演じればいいかわからない部分もあったんですよ。でも観客の方々にもそんな経験ないでしょうし、そういう意味で正解なんてない場面だと思ったんです。だから演じる上での自由度も高かったですし、感情を爆発させることで観客の方々をスクリーンの中に引き込みたいと考えていました。

「進撃の巨人 ATTACK ON TITAN」より。

──たしかに本郷さんの表情に引き込まれました。完成したものをご自身で観ていかがでした?

やっぱり印象的なシーンに仕上がっていました。エレン役の三浦(春馬)さんの演技も真に迫っていますし、投げ飛ばすアクションのスピード感とかもすごくよくて。かなりいいシーンになったと我ながら思ってます(笑)。

純然たるワイヤーアクション

──「進撃の巨人」は大きな壁に囲まれた世界を描いていますが、本郷さんは何か大きな壁というのを感じたことはありますか?

「進撃の巨人 ATTACK ON TITAN」より。

そうですね……、今のところそれほど巨大な壁には突き当たってないなと思います。それが、いいことか悪いことか僕にはわからないんですけど……。でも、大きな挫折を経験できていないので、それを乗り越えた人と比べたら弱いところもあるのかなと思います。それにこの先どこかで大きな壁に当たるんじゃないかなと思ったりもしますね。

──なるほど。では今回の撮影で何か苦労されたことはありますか?

苦労というわけではないですが、撮影前にワイヤーアクションの稽古をみっちりやりました。ワイヤーで吊られながら「ここに巨人の首があって、こう斬りかかる」みたいな、けっこう本格的な練習をしました。でも戦闘中のアルミンは中間管理職なので……。

──(笑)。その成果は観客の方に確かめてもらうとして、「進撃の巨人」に出演する上で参考にした作品はありましたか?

うーん……、本当に原作のマンガとアニメぐらいしか観てないんですよ。しかも樋口監督はミカサ役の水原(希子)さんとかに「アニメは途中までしか観ないで」みたいなことを言っていたらしいんですけど、僕はもともと全部観ていたので(笑)。

──キャラクターの声であったり、立体機動の動きであったりアニメは参考になりましたか?

本郷奏多

そうですね、アニメのアクションはすごくカッコいいですし、スピーディで魅力的だな思いました。やっぱり立体機動の動きをイメージするのに役立ちましたね。ただ実写のアクションでは、アニメのように人間の重さをゼロにすることはできないので。その中で実写版「進撃の巨人」は、ワイヤーで人間が飛んだらこうなるというリアルさを追求していますし、それが大きな見どころになっていると思いますね。新しい、重みのあるワイヤーアクションというか。

──重みのあるアクション?

ワイヤーアクションの映画って、ワイヤーアクション感というものがどうしても残ってしまうと思ってるんですよ。どう処理してもそれは残ってしまうように感じていて。でも今回はそれが残っていて正解なんですよ。実際に立体機動というワイヤーの付いた装置で飛んでいるわけなので。ワイヤーに引っ張られるアクション感が残っていてもいい、と言うかむしろそれがいいみたいな。それは原作と実写映画が見事にマッチしてる部分だと思うし、大きな強みだと感じています。ワイヤーアクション感のあるワイヤーアクションというか(笑)。

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「進撃の巨人 ATTACK ON TITAN」2015年8月1日より全国東宝系にて公開 / 「進撃の巨人 ATTACK ON TITAN エンド オブ ザ ワールド」2015年9月19日より全国東宝系にて公開

「進撃の巨人 ATTACK ON TITAN」
スタッフ

監督:樋口真嗣
原作:諫山創(講談社「別冊少年マガジン」連載中)
脚本:渡辺雄介、町山智浩
特撮監督:尾上克郎
主題歌:SEKAI NO OWARI「ANTI-HERO」
音楽:鷺巣詩郎

キャスト

エレン:三浦春馬
シキシマ:長谷川博己
ミカサ:水原希子
アルミン:本郷奏多
ジャン:三浦貴大
サシャ:桜庭ななみ
サンナギ:松尾諭
フクシ:渡部秀
ヒアナ:水崎綾女
リル:武田梨奈
ソウダ:ピエール瀧
ハンジ:石原さとみ
クバル:國村隼

本郷奏多(ホンゴウカナタ)

1990年11月15日、宮城県生まれ。2002年「リターナー」で俳優デビュー。2005年「HINOKIO」で映画初出演を務める。以後、「NANA2」「GANTZ」「ストレイヤーズ・クロニクル」などに出演。映画、ドラマ、舞台と幅広く活動し、「BTOOOM!」「ガンダムビルドファイターズ」で声優にも挑戦。現在主演ドラマ「アカギ」が放送されており、11月に出演作「シネマの天使」の公開を控える。

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2015年9月18日更新