映画ナタリー Power Push - 「進撃の巨人 ATTACK ON TITAN」
三浦春馬インタビュー 見えざるものとの戦いに捧げた日々
取材 / 伊東弘剛 文 / 岡大 撮影 / 笹森健一
マンガやアニメが先にあると参考にしやすい
──「進撃の巨人」は大きな壁に囲まれた世界を描いていますが、三浦さんは最近何か大きな壁を感じたことはありますか?
この間教習所に行ったんです。
──はい(笑)。
免許の更新で講習を受けなければいけなかったんですが、そのときの先生がおじいちゃんで、しゃべりながら今にも寝そうだったんです。心地いい感じに講習を受けている僕らもみんなやられてしまいそうになっていたら、もう1人の教官が「起きてくださいよー」って。そのときの睡魔が最近感じた一番大きな壁でした(笑)。
──その壁を乗り越えたときはどうでしたか?
更新できました(笑)。
──三浦さんは「君に届け」「ごくせん」などこれまでにもマンガ原作の実写作品に出演されてきましたが、マンガが好きだからそういう作品を選んでいるということでしょうか?
いえ、そういうつもりはありませんでした。
──マンガ原作かそうじゃないかは作品選びにも演技にも関係ないと。
一概にそうとは言い切れないと思います。マンガやアニメが先にあると、参考にしやすいというのは確実にありますから。だから事前に必ず原作は読みます。
──実写化に期待しているマンガがあったりしますか?
それは考えたことがありませんでした。ただ、「ONE PIECE」が歌舞伎化されるみたいなんですが……知ってました?
──はい(笑)。
スーパー歌舞伎(「スーパー歌舞伎II ワンピース」)でやるのは観客として楽しみです。楽しみじゃないですか? 「ONE PIECE」がどうスーパー歌舞伎になるのか。
──興味深いですね。
間違いなくすごいと思います。絶対観に行きます。
自分がまさかエレンをやるとはまったく思っていなかった
──映画に出演が決まる前から原作マンガ「進撃の巨人」のファンだったそうですね。
はい。読んでいました。
──どんなところに魅力を感じていたんですか?
絶滅の危機に立たされた人類と巨人との戦いという構図がすごくわかりやすくてキャッチーだなと思いつつ、その背景にはいろんな緻密な計算、ストーリー設定があるというのがまず1つ。それと、普通の人間と姿形が似ているものに蹂躙されることが、異質というか、とても新しいなと思いました。まったく表情がない巨人たちに食べられていくっていう、その敵対する関係性も独特だなと思っていました。でも、窮地に追い込まれている人間の会話の中に、かなりユーモアが含まれているというところも面白い。そこでそのギャグを言うかって。笑いのスパイスがちりばめられているのもかなり大きな魅力だなって思います。
──今回の出演オファーが届いたときの心境は?
「進撃の巨人」の実写化プロジェクトが動き出しているっていうのは、お話をいただく前から聞いていたんです。だから自分がまさかエレンをやらせていただけるとはまったく思っていなかったんです。もう撮り終わったかなって思っていたら、マネージャーから台本を渡されたので、唖然としたというか、信じられなかったです。「あ、まだ撮ってなかったんだ」って。年齢的にも原作のキャラクター設定と異なっていたのでびっくりしました。
──最初からエレン役でのオファーだったんですか?
最前線でやってほしいと言われたのはそうですけど、主人公がエレンかどうかもまだ決まってなかったみたいなんです。エレンにするのか、違うキャラクターにするのか、台本も決定稿ではなかったのでわかりませんでした。ただ、「進撃の巨人」の世界に生きられるんだっていう喜びはありました。映画の中で自分も立体機動装置を使って空を飛び回れるというのもすごく楽しみでした。
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「進撃の巨人 ATTACK ON TITAN」2015年8月1日より全国東宝系にて公開 / 「進撃の巨人 ATTACK ON TITAN エンド オブ ザ ワールド」2015年9月19日より全国東宝系にて公開
スタッフ
監督:樋口真嗣
原作:諫山創(講談社「別冊少年マガジン」連載中)
脚本:渡辺雄介、町山智浩
特撮監督:尾上克郎
主題歌:SEKAI NO OWARI「ANTI-HERO」
音楽:鷺巣詩郎
キャスト
エレン:三浦春馬
シキシマ:長谷川博己
ミカサ:水原希子
アルミン:本郷奏多
ジャン:三浦貴大
サシャ:桜庭ななみ
サンナギ:松尾諭
フクシ:渡部秀
ヒアナ:水崎綾女
リル:武田梨奈
ソウダ:ピエール瀧
ハンジ:石原さとみ
クバル:國村隼
三浦春馬(ミウラハルマ)
1990年4月5日、茨城県生まれ。ドラマ、映画、舞台と幅広く活躍中。2006年「キャッチ ア ウェーブ」で映画初主演、2008年「ブラッディ・マンデイ」でドラマ初主演を果たす。2007年「恋空」で第31回日本アカデミー賞新人俳優賞、2008年「奈緒子」で第63回毎日映画コンクール スポニチグランプリ新人賞を受賞。その後も「君に届け」「東京公園」「真夜中の五分前」などで主役を務め、2013年公開の「永遠の0」では第38回日本アカデミー賞優秀助演男優賞に輝いている。
2015年9月18日更新