中国の“ツンデレプリンス”と称されるシン・ジャオリンが主演を務めた中国ドラマ「三番目の花婿~Choice Husband~」と「ネコの手も借りたい恋」がU-NEXTにて独占先行配信中、DVDが8月2日より順次リリースされる。
映画ナタリーでは合同キャンペーンが実施されている両作の日本上陸を記念し、ドラマの魅力に迫るコラムを展開。さらに中国ドラマに造詣の深いライター・沢井メグと林穂紅の対談をセッティングし、ドラマの魅力を語り合ってもらった。中国と日本で描かれるツンデレの違いは?といった質問もぶつけている。
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文(コラム) / 沢井メグ(「三番目の花婿~Choice Husband~」)
林穂紅(「ネコの手も借りたい恋」)
取材・文 / 金子恭未子
(文 / 沢井メグ)
「三番目の花婿~Choice Husband~」予告編公開中
「三番目の花婿」のタイトルの意味は?
本作を一言で表すと「“バツ2” ヒロインと2人の貴公子による溺愛ラブコメ」。2回の離婚歴がある令嬢・沈妙(しんみょう / チャン・シュエイン演)の“三番目の夫の座”を1人目の元夫・裴衍禎(はいえんてい / シン・ジャオリン演)と2人目の元夫・宋席遠(そうせきえん / ライリー・ワン演)で争い、最終的に朝廷をも巻き込んでしまいます。タイトルの「三番目の花婿」とはそういう意味なんですね。
ツン顔のベールに隠されたデレにキュン!
さて主演のシン・ジャオリンといえば、「中国No.1ツンデレプリンス」と呼ばれるほどこれまで数々のツンデレキャラを魅力的に演じてきた俳優です。「三番目の花婿」で演じた文武両道パーフェクト貴公子・裴衍禎もツンデレ要素がばっちり。ですが、このドラマの設定が裴衍禎を現代劇のツンデレキャラと少し違うものにしています。
裴衍禎は、元々、感情を表に出さないキャラですが、沈妙との契約結婚で早くもヒロインにデレていきます。しかし、2人は皇帝の命令で離縁することに。夫婦ではいられない想い人に対し、裴衍禎はツンとした対応をとらざるを得なくなり……現代劇ならここで反抗したり駆け落ちという展開も考えられますが、本作は時代劇。皇帝の命令は絶対で、そして「君子たれ」という儒教的な観念も強い。そういった背景から裴衍禎は思いを抑えることにするのです。裴衍禎はツン顔のベールでデレを隠し、実はかなり耐え忍んでいるんですね。そんな苦悩垣間見えるツン顔は、キャラクターには申し訳ないけれど、とても魅力的です。
気になるキスシーンは?
さてシン・ジャオリンと言えばキスシーンの名手ですよね。「キュート・プログラマー」や「運命100%の恋」では直視できないほど甘~いキスシーンをたくさん見せてくれました。
「三番目の花婿」ではどうかというと……正直なところ回数は現代劇より少なめ。その背景には時代劇ならではの貞操観念、そして物語の大半を「元夫」として過ごしたということがあります。ですが、本作のキスシーンは思いを募りに募らせた後に迎えるので、ときめきと情熱でいっぱい。もちろんシン・ジャオリンならではの艶っぽさも健在です。ぜひその瞬間を待ちつつ、「三番目の花婿」の世界を楽しんでみてくださいね。
(文 / 林穂紅)
「ネコの手も借りたい恋」予告編公開中
看板に偽りなし! ネコが取り持つじれキュン・ラブストーリー!
歩く「ツンデレCEO」シン・ジャオリンの現代ドラマ最新作は、ネコがキューピッドをつとめる、ネコ好きさん必見のもふもふキュートな恋の物語。
今回シン・ジャオリンが演じるのは、芸能プロダクションのオレ様社長ジー・チェン。「俳優をしのぐルックス」と女子社員憧れの的だが、就任早々リストラを決行し辣腕ぶりを見せつける。そんな彼の前に現れたのが、フー・ビンチン演じるヒロインのジョウ・ティエン。ケガが原因で陸上競技を引退、先輩が経営する猫カフェで働きながら就活中の体育会系ガールだ。しかしその日はツイてなかった。面接に臨む朝、お店から逃げ出した黒猫を追いかけて激突したのが、面接相手のジー・チェンだったのだ……!
何とか採用はされたものの、ジー・チェンのムチャぶりに振り回されてヘトヘトのジョウ・ティエン。そんなある日、逃げ出した飼い猫のチウチウが保護してくれた人のメッセージを首輪に付けて戻ってくる。それをきっかけにSNSで交流を重ね、相手も知らないまま惹かれあっていく2人。気づきそうで気づかないすれ違いラブに、じれキュンが止まらない!
「ツン」と「デレ」が同時進行! 甘さと辛さの波状攻撃がクセになる!
人に厳しくネコに優しいジー・チェンのギャップに萌えるこのドラマ、シン・ジャオリンがSNSのバーチャル空間で、メンツ命の「ツン」なオレ様社長と「デレ」なネコ好きさんを巧みに演じ分ける直接対決シーンは必見! また、時代劇ではコスチュームに隠れているシン・ジャオリンの抜群のスタイルを、ビシッと決めたスーツ姿で拝めるのは現代ドラマならではのお楽しみだ。
王道ロマンスに現代〈いま〉をトッピング
最悪な出会いからの両片思いとすれ違い、ヒロインに思いを寄せる先輩ジャン・ハオ、彼を慕うジー・チェンの妹ジー・ニエンとの三角四角な恋模様などロマンスはトキメキの王道展開。一方で、顔が見えないバーチャル空間でのドキドキのやり取りやコミック風の場面転換、さりげなく描かれる同性カップルたちの存在など、今っぽさも満載だ。“猫奴”(ニャンコの奴隷)という言葉もあるほどネコ好きさんが市民権を得ている今の中国にふさわしい、猫カフェや猫のキャラ弁、猫トーストなど可愛いディテールにも注目したい。
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中国ドラマ界のツンデレプリンスが見せる新たな魅力とは?