吉永さんとお話すると、僕の顔を見上げながらしゃべってくれるんです(ムロ)
──ムロさんの役どころについてもお聞きできればと思います。ムロさんはハリウッド版の「最高の人生の見つけ方」が昔からお好きで、ショーン・ヘイズが演じた秘書トマス役を熱望されていたとのことですが、それはなぜですか?
ムロ 30代前半くらいのときに、ジャック・ニコルソンとモーガン・フリーマンが共演したハリウッド版を観たんです。ストーリーにも惹かれましたし、いつかニコルソンの演じた大富豪のような役をやりたいと思いました。そこで、彼の年齢を迎えるまでに、まずは秘書役ができるような役者になりたいと考えていたんです。
──今回のオファーは偶然だったんですか?
ムロ そうです。10年ほど前から今のマネージャーとは「こういう役がやりたい」って話し合っていたんですが、オファーをくれた方は知らなかったみたいで。言ってみるものだな、ご縁ってあるんだなと思いました。
──本作で高田は、幸枝とマ子の旅がうまくいくよう懸命にサポートする役どころです。演じるうえではどのようなことを意識されたのでしょうか。
ムロ これは余命を宣告された2人の物語ですが、悲観的な人間にならないようにしていました。悲観的になりすぎず、浮かれすぎず、ニュートラルな立ち位置でいようと。あまり感情的にならないように抑えた演技にしました。
──吉永さんと天海さんとの共演にプレッシャーはありましたか?
ムロ どちらかといえば喜びのほうが大きかったです。お二人との共演にはうれしさしかなかったですから、しっかり楽しんで演じました。撮影現場では、天海さんが盛り上げてくれつつ、ピシッとした緊張感も作ってくれて。そこに吉永さんがいてくださることで、優しい空気が流れていましたね。
──なるほど。ムロさんは現場でどのように過ごされていたのでしょうか。
ムロ 僕はもう、高田のように1歩引いていました。ももクロたちがいたら一緒に遊びますが、普段の撮影ではここはふざける時間じゃないなと。
ももいろクローバーZ あはは(笑)。
ムロ そういえば、吉永さんとお話しようとすると、サッと近付いて僕の顔を見上げながらしゃべってくれるんです。僕みたいな力不足な人間が言えることではないですが「うわー! お守りしたい!」とキュンとしました。そのことはしっかりと覚えています。
夢を叶えるって誰かの思いを背負うこと(高城)
──完成した映画をご覧になって、ももクロの皆さんはいかがでしたか? 観ると元気をもらえるという点で、ももクロのライブとも通じるものがあった気がします。
佐々木 「余命を宣告された2人」というワードだけ聞くと、悲しくなっちゃうのかな?と思うかもしれませんが、すごく明るい映画でした。残りの人生をどう生きるかというテーマは、私たちにも当てはまると思うんです。この映画を観て、明日からどうやって楽しく生きていこうかなって考えさせられました。
ムロ その通りだね。でも「死ぬまでにやりたいことリスト」の中に自分たちのライブが入ってるってうれしくない?
玉井 うれしいです! もしかしたら実際に「死ぬまでにももクロのライブで踊りたい!」と思ってくださっている方がいるかもしれないって考えると、すごくありがたいことだなって。そういう存在でい続けられるように、これからもがんばらなきゃと気合いが入りました。
百田 実は私たちが出演することになったのは、吉永さんが名前を挙げてくださったおかげなんです。吉永さんの甥っ子さんが私たちを応援してくださっていることから、今回のお話をいただいたみたいで。
──え! それはすごいご縁ですね。
百田 そうなんです! 甥っ子さんがなんて言ってくださったのかはわからないんですけど、そういったご縁がつながったことが純粋にうれしかったです。映画のストーリーだけではなく、お話をいただいた時点からとても素敵で温かい作品だなと思いました。今回参加することができて、「ああこの仕事しててよかったな」と心から思いました。
高城 そうだね。私が一番感じたのは、夢を叶えるって誰かの思いを背負うことなんだなって。いろんな人の気持ちが重なって夢が叶うから、それは本当に大変なことだし、1つひとつのことが奇跡だなって思いました。
ムロ 子供がいる親御さんやご高齢の方はもちろんですが、どの世代の方にも共感できるポイントがある作品ですよね。僕はマ子さんとお父さんの関係や、幸枝さんが「私の人生を馬鹿にしないでください!」と怒るシーンが好きでした。ももクロくらい若い子たちが観ても、きっと響くものがあるんじゃないかな。
- 「最高の人生の見つけ方」
- 2019年10月11日(金)全国公開
- ストーリー
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人生を家庭に捧げてきた大真面目な主婦・幸枝、人生を仕事に捧げてきた大金持ちの社長・マ子。まったく違う世界に暮らしてきた2人が偶然出会い、唯一の共通点は余命宣告を受けたことだと知る。12歳の少女の「死ぬまでにやりたいことリスト」を実行するために、無謀な旅に出る2人。“スカイダイビングをする”“好きな人に告白する”など、今までの自分なら絶対にやらなかったことに挑戦する幸枝とマ子は、だんだんと生きる喜びを感じていくのだった。
- スタッフ / キャスト
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監督:犬童一心
アダプテーション脚本:浅野妙子、小岩井宏悦、犬童一心
音楽:上野耕路
原案:ジャスティン・ザッカム「最高の人生の見つけ方」
主題歌:竹内まりや「旅のつづき」(ワーナーミュージック・ジャパン)
出演:吉永小百合、天海祐希、ムロツヨシ、満島ひかり、鈴木梨央、駒木根隆介、ももいろクローバーZ、賀来賢人、前川清ほか
©2019「最高の人生の見つけ方」製作委員会
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- ムロツヨシ
- 1976年1月23日生まれ、神奈川県出身。1999年に作・演出も兼任した1人舞台で活動を始め、2005年の「サマータイムマシン・ブルース」から映像作品にも活動の場を広げる。ドラマ「大恋愛~僕を忘れる君と」「今日から俺は!!」や、映画「50回目のファーストキス」「銀魂2 掟は破るためにこそある」などに出演した2018年には、エランドール賞新人賞を獲得。連続ドラマ初主演作「Iターン」が7月から10月にかけてテレビ東京系で放送された。
- ももいろクローバーZ(モモイロクローバーゼット)
- 百田夏菜子、佐々木彩夏、玉井詩織、高城れにの4人からなるアイドルグループ。2008年にももいろクローバー名義で結成され、2012年に「NHK紅白歌合戦」へ初出場。2015年には本広克行の監督作「幕が上がる」で主演を務めた。結成10周年を迎えた2018年には東京ドーム公演の開催や、ベストアルバムの発表、5カ月連続新曲リリース企画を展開。2019年5月に5thアルバム「MOMOIRO CLOVER Z」を発売した。
- ももいろクローバーZ 10周年記念BEST ALBUM|ももいろクローバーZ 10周年記念 特設サイト
- 週末ヒロイン ももいろクローバーZ オフィシャルサイト
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