「斉木楠雄のΨ難」吉沢亮×賀来賢人インタビュー|悔しさや先輩の背中が成長させてくれる“福田組”という場所

二朗さんやムロさんにレールを敷いてもらっている(賀来)

──賀来さんは、福田組でのコツをつかんだ瞬間を覚えていますか? それとも最初から吹っ切れました?

「斉木楠雄のΨ難」より、ムロツヨシ演じる蝶野雨緑。

賀来 最初はできませんでした。とりあえず福田さん演出の「スパマロット」っていう人生2本目の舞台は、共演の方に演劇モンスターみたいな人がいっぱいいて、バケモノみたいな人たちが笑いをかっさらっていくわけですよ。僕は全然笑いが取れなくて、すごく悔しくて。でも先輩たちが存分にふざける姿を見ていたので、それに比べたら自分なんてまだまだだな、もっともっと足していっていいんだなと思えました。それでしばらく期間が空いて、「宇宙の仕事」というAmazonプライム・ビデオのドラマで福田さんとまたご一緒する機会があったので、「もう、思いっきりやってみよう!」と。そうしたらしっくり来たというか、福田さんにも「いいね、いいね」って言ってもらえたんです。そのあたりから、徐々にわかってきた感じですね。

──先輩の姿を見ていたというのが大きいんですね。

賀来 うん、やっぱり(佐藤)二朗さん、ムロ(ツヨシ)さんを見てるっていうのは大きいですね。お二人とも全部ノリでやってるわけじゃなくて、ものすごく考えながらやってるから。それを見てると、うちらもこんなふうにやっていいんだって、レールを敷いてもらっているような感じになりますよね。

橋本環奈ちゃんが変顔したら、そりゃ面白いですよね(吉沢)

「斉木楠雄のΨ難」より、橋本環奈演じる照橋心美。

──福田組の現場では、出番が終わった俳優さんたちがモニター前に集まって、ほかの方の演技を見たり、雑談したりして過ごしていますよね。今回の芝居を見ていて、一番刺激を受けた共演者はどなたですか?

吉沢 橋本環奈ちゃんが変顔したら、そりゃ面白いですよね。

賀来 (笑)

吉沢亮

吉沢 完成した作品には、橋本環奈ちゃんのめちゃくちゃかわいい瞬間もたくさん収められていて、それが彼女のやっている腹黒キャラ(照橋心美)の説得力をすごく増しているなって感じました。もう、バカみたいにかわいいから(笑)。それであれだけの変顔を、楽しそうにやってるのがすごいと思いました。

賀来 君もだけどね? 彫刻みたいな顔して(笑)。

吉沢 (笑)。でも、すごくいいなと思ったし、環奈ちゃんのところでたくさん笑いました。

──賀来さんはいかがですか?

賀来 みんな素敵でしたよね、すごく。でもやっぱり……ムロさんと二朗さん。出番は本当に短いのに、面白いからすごいですね。

「斉木楠雄のΨ難」より、佐藤二朗演じる神田品助(左)。

──佐藤さんは、撮影が6分で終了したとおっしゃっていましたね。

賀来 そうなんですよ。出演シーンも短いし、正直言って大したことやってるわけじゃないんですけどね(笑)。それが面白いし、映像から監督の愛もすごく感じるんです。

演じている楽しさが、お客さんに伝わるのが一番いい(賀来)

──スタッフの方から、お二人は特にお芝居の好きな俳優さんだと伺いました。

賀来 いやいや、生活のためですよ(笑)。

吉沢 ははは!(笑)

──(笑)。本作のようなコメディに参加する際に、ほかのジャンルと意識を変える部分や、コメディの面白いと思う部分を教えてください。

吉沢 コメディって、めっちゃむずいですよね。

賀来 うん、難しいね。一番難しいと思う。

吉沢 ほかのどのジャンルのお芝居よりも、単純に技術的なものが一番必要な気がします。それこそ間の取り方とか、ちょっとした動きとか。些細なことまで気にしなきゃいけない芝居だと思う。だから楽しいんですけど、僕にとって一番難しくて、やっていて一番悩むのがコメディです。

賀来賢人

賀来 映像のコメディと舞台のコメディでも違うんですよね。舞台だとお客さんの反応があるけど、映像はリアクションしてくれる人が誰もいない空間でやらなきゃいけない怖さもあるから。でも、普通のコメディって「自分が面白い」と思いながらやってると痛い目を見ることが多いんですけど、福田組は「面白いだろ!」っていう勇気があればどんどん面白くなっていくのが特殊なところだと思う。最近、ムロさんともよく話すんですけどね。そうやって、自分でガンガン提案していくことが、福田組ではプラスの方向にしかいかない。だから、たとえコメディの経験がない人でも勇気さえあれば楽しめるチームなんじゃないかなと思いますね。

──観ている側だけじゃなく、演じている側も楽しめるのが福田組なんですね。

賀来 そうですね。やっぱり、やってて楽しいほうがいいじゃないですか。その楽しさがお客さんに伝わるのが一番だと思うし。そこに関して福田組は最高の環境なので、福田さんという人の力を感じますね。

この映画にはシリアスな部分が1つもないので(賀来)

──では最後に読者に向けて、メッセージをお願いします。

左から吉沢亮、賀来賢人。

吉沢 「斉木楠雄のΨ難」は、ただひたすら馬鹿をやってる映画です。97分なので、さらっと観て、ただひたすら笑って終わるのにちょうどいい長さだと思います。それこそ学生さんにとっては、学校で空き時間に話すのにぴったりな作品なんじゃないかな。友達や家族、いろんな人と、たくさん観ていただけたらうれしいです。

賀来 そうですね。まあ、この映画にはシリアスな部分が1つもないので(あっさりと)。

吉沢 (笑)

賀来 僕はそこがすごく素敵だなって思いました。勢いのままワーッと駆け抜けて終わるので、本当に何も考えずに観てもらえればうれしいですね。

斉木楠雄さいきくすおΨ難サイなん
2017年10月21日(土)より全国ロードショー
「斉木楠雄のΨ難」
ストーリー

生まれながらにありとあらゆる超能力を与えられた高校生・斉木楠雄。彼は普通の生活に憧れつつも、クラスメイトが起こす災難に巻き込まれては、人知れず超能力を使って危機を回避していた。そんな斉木が年に1度、テレポートで抜け出し一人旅を満喫する日として楽しみにしていた文化祭。今年の文化祭は、何か問題を起こせば来年以降の開催がなくなってしまうという条件が付けられていた。だが斉木につきまとう学園のアイドル・照橋、ミステリアスバカこと燃堂、重度の中二病・海藤、熱血委員長の灰呂、元ヤンの窪谷須ら、ワケありクラスメイトたちがおとなしくしているはずがない。次々と襲い来る災難を超能力で解決していく斉木だったが、気付いたときには、たかが文化祭が地球滅亡の危機につながろうとしていた……。

スタッフ / キャスト

原作:麻生周一「斉木楠雄のΨ難」(集英社「週刊少年ジャンプ」連載)

監督・脚本:福田雄一

主題歌:ゆず「恋、弾けました。」(セーニャ・アンド・カンパニー)

出演:山﨑賢人、橋本環奈、新井浩文、吉沢亮、笠原秀幸、賀来賢人、ムロツヨシ、佐藤二朗、内田有紀、田辺誠一ほか

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吉沢亮(ヨシザワリョウ)
1994年2月1日生まれ、東京都出身。2011年に特撮ドラマ「仮面ライダーフォーゼ」の仮面ライダーメテオ / 朔田流星役で注目を浴びる。2013年に「ぶっせん」でドラマと舞台に初主演。主な出演映画に「アオハライド」「オオカミ少女と黒王子」「さらばあぶない刑事」などがある。2017年にはドラマと2本の映画からなる「トモダチゲーム」シリーズや「銀魂」に出演。2018年には主演映画「あのコの、トリコ。」「ママレード・ボーイ」(桜井日奈子とのダブル主演)や、出演作「リバーズ・エッジ」「悪と仮面のルール」「レオン」の公開も控えている。現在、MBS・TBSにて小池栄子とW主演を務めたドラマ「恋する香港」が放送中。
賀来賢人(カクケント)
1989年7月3日生まれ、東京都出身。「神童」で俳優デビュー。「ごくせん THE MOVIE」「武士道シックスティーン」「森山中教習所」といった映画や、NHK連続テレビ小説「花子とアン」、「泣くな、はらちゃん」「Nのために」といったドラマに出演した。「俺はまだ本気出してないだけ」やAmazonプライム「宇宙の仕事」、ドラマ「スーパーサラリーマン左江内氏」といった福田雄一作品に多数参加している。2017年冬には主演舞台「流山ブルーバード」の上演を控えるほか、2018年に「ちはやふる -結び-」の公開を控えている。