映画ナタリー PowerPush - ナタリー×「龍三と七人の子分たち」
ジジいいね!水曜日のカンパネラ・コムアイが同世代に教えたい、チャーミングな“ジジイ”の魅力
「花子と七人の子分たち」!(笑)
──「龍三と七人の子分たち」を観て、ほかに何か思い出したことはありますか?
今年公開された「マッドマックス 怒りのデス・ロード」がヒットしたのは、おばあちゃんたちが活躍したからだと思うんです。超カッコよくて。“砂漠で生きる女たち”みたいな。娘たちを助けて、どんどん犠牲になっていくんですけど……。
──容赦なかったですよね。
あのへんは日本と違いますよね。日本では、おばあちゃんを犠牲にはできないと思うな。あ! 「龍三と七人の子分たち」おばあちゃんバージョンなんてどうですか!? 「花子と七人の子分たち」!(笑)
──(笑)。
みんな編み物とかしてるの。
──そして編み針を凶器に?
かわいい!「五寸釘のヒデ」みたいに、刺繍針でシュッて。「刺繍針のトメ」みたいな(笑)。やってほしいなあ! おばあちゃんバージョンのほうが、さらに観たことないような映画になりそう。でも、それだけの女優さん8人も集められるかな。早めに撮り終えないと、エンドロールで「○○に捧ぐ」ってなるかも……(笑)。撮影期間は短くしないと。
──想像しただけで面白いです!
あとは、各国で「龍三と七人の子分たち」を作ってほしい。このフォーマットで、いろんな国のバージョンを観てみたいな。
──各国の「一龍会」ですか。イタリアとかカッコよさそうですね。
自分のことしか考えない元マフィアたち(笑)。おじいちゃんの映画、グダグダになりそうですごくいい! 北野監督がインタビューで、台本あわせをしたら耳の遠い人がいたり、脚本の文字が小さくて読めない人がいたっておっしゃってて(笑)。
──カンペの文字が見えない人もいたそうですよ。
やばすぎ!(笑) やっぱり平均年齢73歳は、超面白いんだなって思いましたね。撮影現場が楽しそう。
老人ホームに映画部を
──ほかにやってみてほしいことはありますか?
「龍三と七人の子分たち」のDVDを、全国の老人ホームに寄付してほしいです。これはいいか悪いかわからないけど、刺激になるんじゃないですか!
──素敵なアイデアです!
それで、老人ホームで映画部が立ち上がったら応援したくなりませんか? この歳で映画制作を始めるっていう。今は高校生とかでも撮影できるくらいコストも低くなってきてるので。みんな一緒に住んでるから合宿状態ですよね。絶対できますよ。
──時間はたっぷりありますもんね。
映画制作は、お年寄りの趣味にぴったりかもしれません。老人ホームで作られた映画が、TOHOシネマズとかで上映されたら面白いなあ。
──お年寄りがメインの映画で印象に残っている作品はありますか?
最近、「アドバンスト・スタイル そのファッションが、人生」というドキュメンタリーを観ました。ニューヨークで暮らす、オシャレ好きのおばあちゃんたちの映画で。30代ぐらいの男性が、自分のおばあちゃんを撮影してブログにアップしたら反響があって。それで、60歳以上の女性のファッションスナップをたくさん撮るようになったという。彼女たちも、「我が身に明日はない」を地で行っていて、仲間が実際に亡くなるなんてことも起きるんですが。すごく奇抜な服装の人もいるんです。私のおばあちゃんにも観てほしいと思いました。
──それでは最後に、コムアイさんと同世代の若いファンに向けて「龍三と七人の子分たち」をオススメしていただけますか?
若い人はおじいちゃんたちにキュンとすると思います。特に女の子は、“おじいちゃん映画”のよさがわかるんじゃないかな。私も年上好きで、高校生のときは“オヤジ好き”なんて言われて(笑)。そういう落ち着いたオヤジの渋さとも違うんですけど、威勢がいいのにアホなオヤジも、とっても素敵。かわいらしさ、愛おしさが伝わると思います!
- Blu-ray / DVD「龍三と七人の子分たち」2015年10月9日発売 / バンダイビジュアル
- スペシャルエディション特装限定版
- [Blu-ray Disc+DVD] 7560円 / BCXJ-1030
- [DVD2枚組] 6480円 / BCBJ-4715
- 通常盤 [Blu-ray Disc] 5184円 / BCXJ-1029
- 通常盤 [DVD] 4104円 / BCBJ-4714
特典映像
特報 / 予告編(ロングver.&ショートver.) / TVスポット / 特別映像「ジジイ映画の楽しみ方」
特装限定版特典
特典ディスク(メイキング映像、キャストインタビュー、完成披露試写会、初日舞台挨拶、ミニ特番「俺たちに明日なんかいらない ジジイが最高スペシャル!!」、海外版予告編)/ 解説書(24P)/ 特製ブックケース付きスペシャルパッケージ
共通特典
特報 / 予告編 / テレビスポット / 特別映像「ジジイ映画の楽しみ方」/ 日本語・英語字幕付き
あらすじ
70歳の高橋龍三(藤竜也)は、「鬼の龍三」と呼ばれおそれられていた元ヤクザの組長。ある日、オレオレ詐欺に引っかかったことをきっかけに、元暴走族で構成される「京浜連合」と因縁めいた関係になる。詐欺や悪徳商法を繰り返す「京浜連合」にお灸を据えるため、博打好きの兄弟分「若頭のマサ」(近藤正臣)や寸借詐欺で生活する「はばかりのモキチ」(中尾彬)、戦争に行ったこともないのに今でも軍服に身を包む「神風のヤス」(小野寺昭)、ほかにも「早撃ちのマック」「ステッキのイチゾウ」「五寸釘のヒデ」「カミソリのタカ」という異名を持つ仲間たちと「一龍会」を結成。次々に「京浜連合」の活動を妨害していくが……。
スタッフ
監督・脚本・編集:北野武
音楽:鈴木慶一
キャスト
龍三親分:藤竜也
若頭のマサ:近藤正臣
はばかりのモキチ:中尾彬
神風のヤス:小野寺昭
早撃ちのマック:品川徹
ステッキのイチゾウ:樋浦勉
五寸釘のヒデ:伊藤幸純
カミソリのタカ:吉澤健
マル暴の刑事・村上:ビートたけし
- ナタリー×「龍三と七人の子分たち」
- EXILE / 三代目 J Soul Brothers NAOTO
- 芸人 大久保佳代子
- マンガ家 清野とおる
- Dream / E-girls Aya
- 監督 北野武
水曜日のカンパネラ(スイヨウビノカンパネラ)
コムアイ
1992年7月22日、神奈川県生まれ。水曜日のカンパネラの主演・歌唱担当。高校生時代はNGOやNPO活動に力を注ぎ、キューバで同世代100人のスナップ撮影とインタビューを敢行した。2012年、ケンモチヒデフミとDir.Fに出会い、水曜日のカンパネラへ加入。同年に初のデモ音源「オズ」「空海」をYouTubeに配信し、本格的に活動開始する。2013年よりライブ活動をスタートさせ、「クロールと逆上がり」「羅生門」と立て続けにアルバムを発表。全国各地のイベントやフェスへ精力的に参加しているほか、MVの多さも話題に。2015年、コムアイ単独で「ヤフオク!」のCMに出演を果たした。11月11日にはニューアルバム「ジパング」がリリースされる。
2015年10月9日更新