健太くんは頼れる存在（亀田）

──次は須賀さんについて、いかがですか？

櫻井　健太くんは、いろんな作品に参加してきただけあって現場での振る舞いが大御所だった。

須賀　いやいや待て。「現場での振る舞いが大御所」って俺が（踏ん反り返って）こんなんみたいじゃん！

櫻井　周りをよく見て気遣ってくれてたってことですよ。言い方間違えた！

亀田　頼れる存在だよね。年齢的には僕のほうが上なのに、なぜか健太くんといると下になってもいいかなって思っちゃう。不思議な安心感があります。

須賀　お、いいね！ 今のは太字で書いてもらおうか。

佐野　いつも中心になって盛り上げてくれる印象もあります。待ち時間とか。

須賀　みんなで大仏の家の前に行くシーンの待ち時間のことすごい覚えてるよ。今みたいな感じで5人並んで椅子に座って、みんなでしゃべってさ。話した内容は全然覚えてないような他愛ないことなんだけど、そこで「ああ、この人はこういう感じなんだ」とかみんなのことがわかってきた気がして。あの時間があってよかったです。

佐野　僕の中では櫻井くんもムードメーカーですね。役も本人も。

亀田　最終的に一番おしゃべりになってたんじゃない？

須賀　前のめり！って感じだよね。ロケバスで仲良くなるためにたくさん話しかけるとか、やろうと思ってもなかなか難しい。そういうことをできるのは素敵だなと思う。僕も仲良くなりたいって気持ちがあったからうれしかったです。亀田くんは真面目だから、僕らのこと邪魔だったんじゃないかな（笑）。「ロケバスで台本読みたいのに！」とか。

亀田　そんなふうにはまったく思ってないよ（笑）。でも、そこで無理にがんばっちゃうと持たなくなるタイプだって僕自身わかっているから省エネというか。みんなが盛り上がってるのを見てるだけで楽しいし、この現場では自然と素の状態になってたかも。

須賀　お芝居に対してだけじゃなくて、そういうところも誠実だよね。まっすぐでいてくれる。

本郷　というか、ここ（佐野、須賀、櫻井）が動物園なんですよね。僕ら2人は歳上っていうのもあって見てる側というか。

佐野　「ここ」？ 僕こっち側ですか？

須賀　もちろんこっちでしょ。

櫻井　勇斗は間違いなく動物園だよ！

佐野　マジかー。

──皆さん、どことなく役柄と通ずる部分もあるようですね。「凜」は又吉直樹さんの舞台が原作ですが、又吉さんもこの上ないキャスティングだと思われるんじゃないでしょうか。

亀田　僕、実は又吉さんにお会いしたことがあるんです。

一同　え!?

亀田　バラエティ番組でご一緒させていただいたことがあって。楽屋に挨拶に伺って、映画の「凜」で竜二やらせていただきましたって伝えたら仏様みたいな顔になられて。映画も観てくださってて「すごく竜二にぴったりでした」とおっしゃってもらえたんです。又吉さんは「凜」のキャラクター1人ひとりに愛情を持って大切にしてると聞いていたので、報われたなと思って幸せでした。