磨けば美人なのに、超ネガティブで冴えないOL・小鳥遊玲音(たかなし・れおん)と、女好きなワンマン社長・朝比奈玲男(あさひな・れお)の心が入れ替わったことから巻き起こる爆笑コメディ「レオン」が2月24日に封切られる。清智英と大倉かおりによる同名コミックの映画化で、中身が入れ替わる2人を演じるのは元KARAの知英と竹中直人。交通事故をきっかけに玲音と玲男がスイッチング! 知英がオッサン、竹中がナヨナヨ乙女をフルスロットルで演じ、笑いを炸裂させる。
映画ナタリーでは公開を記念して、この突き抜けた“入れ替わり”コメディ=スイッチング・エンタテインメントの特集を展開。山崎育三郎、吉沢亮も含めたキャスト陣の撮影秘話を監督の塚本連平が語っているほか、入れ替わりもの作品の歴史も紹介する。
文 / 山川奈帆子(P1)、前田かおり(P2)
知英&竹中直人、待ち時間には仲良く「エア吹き矢」
撮影のずいぶん前から、知英さん、竹中さんのリハーサルをしました。知英さんは竹中さんに会う前から彼のファンで、竹中さんのネタ「笑いながら怒る人」も知っていました。竹中さんは、知英さんとリハーサルを始めてすぐに、彼女の思い切りのよい熱い芝居をベタ褒めしてましたね。とても仲が良く、待ち時間には2人で「エア吹き矢」「エアつまずき」などで遊んでました。撮影中には、入れ替わる前のキャラをそれぞれが演じ合い、お互いの演技に取り入れてました。
山崎育三郎の“ミュージカルキャラ”誕生の裏側
育三郎さんの日下役は台本よりもかなりぶっ飛んだキャラにできました。彼のキレのいいダンスをキャラに生かせないものかと思っていましたが、やりすぎになる危険もあり躊躇していました。育三郎さんの撮影初日は、日下が社員食堂に登場するシーン。ぶっ飛んだ芝居も試してみたいと提案すると、彼のほうから「踊りながら登場するのはありですか?」と。これが絶品で、以後“踊る嫌なやつキャラ”で行くことに。育三郎さんは、現場で本番直前まで振りを試行錯誤していました。登場するときは必ずどこからともなく「ボレロ」が鳴り響くようにしました。
カッコいい顔で思い切りボケられる吉沢亮という男
吉沢さんがカッコいい外見で思い切りボケたことができる人なのは知っていたので安心して任せることができました。“天使が地上に降りてきたような人間離れしたピュアな男”をリアルに演じられるのは彼以外なかなかいないのでは、と思えるほどいい感じに面白くしてくれました。宙を浮くシーンは、大変ノってやってくれました。
女優生命を懸けた知英の変顔を見よ!
イチオシは、あの有名な怪獣さながら叫ぶシーンでの女優生命を懸けた知英さんの変顔ですね。本人も演じたあとに「仕事こなくなっちゃうー」と叫んでいました。ミッツ・マングローブさんの“見切れカット”は、「ポリス・スクワッド」の異常に背の高い刑事が登場するシーンのオマージュ。音楽は、1960~1970年代のイタリアのお色気コメディをイメージしたテイストです。
- 塚本連平(ツカモトレンペイ)
- 1963年2月24日生まれ、岐阜県出身。日本大学藝術学部映画学科卒業後、テレビ界入り。「時効警察」シリーズ、「ドラゴン桜」「特命係長 只野仁」シリーズなど数多くのテレビドラマを手がける。2004年、「ゴーストシャウト」で映画監督デビュー。その後、「着信アリ2」、脚本・福田雄一とタッグを組んだ「ぼくたちと駐在さんの700日戦争」「非女子図鑑」「かずら」を発表する。近年ではテレビドラマ「お迎えデス。」「定年女子」「重要参考人」などを演出。
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こんなにあります! “入れ替わりもの”アラカルト
2020年8月6日更新