死ぬまでには父親に感謝を言いたい(リンリン)
──物語が展開していくにつれて、家族4人が互いに守ったり守られたりと立場が変わっていきました。皆さんは誰に感情移入しながら観ましたか?
アイナ 途中で出てくるおじいさん! 絶対にアイナも同じ行動すると思います。
──主要人物ではなく(笑)。確かに衝撃的なシーンでした。
アイナ 「Life is beautiful」っていうBiSHの曲があって。夫婦の話を振り付けにしているんですけど、それに近い。
──そう考えると切ないシーンでもありますね。チッチさんはいかがですか?
チッチ 私は家族構成が一緒で。お父さんとお母さん、弟がいて、私が姉なんです。だからお姉ちゃんとして観ました。私だったら家族を守るために同じことするなって。あとお父さんに「弟のほうが好きなんでしょ?」って当たっちゃうのも少しわかりました(笑)。
──姉ならではの心情が。
リンリン 私もお姉ちゃんの気持ちで観ました。昔は父親のことそんなに好きじゃなかったので、ちょっとわかるなあって。
──そうなんですね。映画では父親の愛情を娘が受け止めるシーンがありましたが、リンリンさんがお父さんに対して素直になれたのはいつ頃だったんですか?
リンリン うーん……まだないかなあ。
アイナ え、まだ?(笑)
リンリン 死ぬまでには感謝を言いたいと思ってます。最後は幸せに終わりたいから。でも、まだ言えないです。
──お父さんには、まだ長いこと我慢してもらわなくてはなりませんね。
リンリン はい。
一番最初に死にそうなメンバーは……(リンリン)
──では、ここからは妄想トークということで。もしBiSHのメンバーが「クワイエット・プレイス」の世界に迷い込んだら、それぞれどんな行動を取ると思いますか? 先ほどリンリンさんは「生き残れると思ったけど無理だった」とおっしゃっていましたが……。
リンリン 一番最初に死にそうなのはモモコ(グミカンパニー)さん。足音がすごい大きいから。
チッチ やっちゃいけないことやっちゃいそうだからね。
リンリン ドタドタドタって歩いて、気付いたら死んでる(笑)。
チッチ リンリンは何かにびっくりした拍子に声出して死んじゃいそう。
アイナ うんうん。ずっと静かにしてたのに、いきなり「キャー!」って。
リンリン 鳩が来たら終わりだと思う。(※リンリンは鳩が苦手)
アイナ ハシヤスメ(・アツコ)は図太そうだよね。案外生き延びるんじゃない?
リンリン でも頭があんまりよくないから……。
一同 (笑)
アイナ アユニ(・D)は途中で「お腹すいたー! もう無理!」とか叫んじゃう気がする。
チッチ わかる。あと絶対の自信を持って狩りに出るんだけど、結局死んじゃいそう(笑)。
アイナ 私は声出しちゃいけない設定を忘れちゃって、トイレで「ヴー」ってうなり声出すと思う(笑)。あとごはん食べるときに「超おいしー!」とか言っちゃうんだろうな。
──皆さん生き残れそうにないですね……。残るはチッチさんだけとなりました。
チッチ 私も自信はないですけど。でもホラー映画をめっちゃ観てるから、変に知識だけはあるので。「そろそろ懐中電灯の電池が切れるパターンだ、気を付けなきゃ!」とか予想しながら行動したら生き残れるかも。
音があることは当たり前じゃない(アイナ)
──皆さんには怖いだけではない「クワイエット・プレイス」の魅力を語っていただきました。最後に、ホラーが苦手だという読者に向けて改めて本作の楽しみ方を教えてください。
チッチ 何が出てくるかわからない。観る前はそれが一番怖かったです。でも実際は家族愛を感じられる映画だったので、ドラマを観に行く気持ちで映画館に行ってほしい。ホラーだけどホラーだけじゃないぞって言いたいです。
アイナ ただのホラーではなかったです。“新体感”したい人は感じちゃったらいいんじゃないでしょうか。あと途中で音楽が流れるシーンがあるんですけど、その瞬間にふっと緊張がほぐれました。普段音楽に囲まれて過ごしているので、音のすごさというものを忘れていたかもしれない。音があることは当たり前じゃないんだって気付かされました。
リンリン 映画の中では、お皿じゃなくて葉っぱを使って食事しているんです。地面に砂を敷いて裸足で歩いたり。音を立てちゃいけない中でいろいろ工夫しているので、そういう部分も注目したら面白いと思います。