「音を立てたら、即死。」──。インパクト抜群のキャッチコピーが話題を集めるサバイバルホラー「クワイエット・プレイス」が9月28日に全国公開される。
本特集では、BiSHのリンリン、セントチヒロ・チッチ、アイナ・ジ・エンドにこの注目作を鑑賞してもらった。おびえながら試写室に入った3人だが、観終わると口をそろえて「感動しました!」と絶賛。ホラー要素だけではない魅力とは? 生き残れそうなBiSHのメンバーは? 鑑賞直後の3人に感想を聞いた。
取材・文 / 金須晶子 撮影 / 草場雄介
怖いけど観たい気持ちが勝っちゃう(チッチ)
──本日は“新感覚サバイバルホラー”と銘打たれた新作映画「クワイエット・プレイス」を観ていただきました。チッチさんはもともとホラー映画がお好きなんですよね?
セントチヒロ・チッチ はい。「ホステル」シリーズを観てからスプラッター映画にハマって、昔TSUTAYAで働いていた頃に観まくりました。スカッとしてストレス発散になるので。そこから心霊とかゾンビとか宇宙人ものにも手を伸ばしたり。怖いけど観たい気持ちが勝っちゃうんです。
──ほかのお二人はホラー映画に耐性はありましたか?
アイナ・ジ・エンド 私の場合は、昔からお母さんがホラー映画大好きだったんです。毎晩グロテスクな映画をレンタルしては、焼き鳥を食べながら観ていて(笑)。そんな母の姿をずっと見ていたので、ホラー映画にも慣れてはいました。
リンリン 私は最近だと「アイアムアヒーロー」を観ました。その日はずっと怖くて、電車で隣の人が立ち上がると「ゾンビだ!」ってびっくりして。本当に怖いのは無理なんです……。
──そうだったんですね……。では「クワイエット・プレイス」も観る前に覚悟が必要だったのでは?
リンリン まずは予告を観たんですけど、「しゃべっちゃいけない」っていう設定で。私は(BiSHの)無口担当なので、自分だったら生き残れるんじゃないかなって思ってました。
──実際に映画を観ていかがでしたか?
リンリン 無理でした。すぐ死にます。
アイナ うん、絶対すぐ死ぬよ(笑)。
家族のドラマが心に残った(アイナ)
──上映中は3人とも手で目を覆ったり、スクリーンから目をそらしている姿が見受けられました。予想通りの怖さでしたか?
チッチ 「ドント・ブリーズ」みたいなのかな?と思っていたけど、また違う怖さ。でも、やっぱりドキドキしちゃって心臓に来ました。
リンリン 何回も驚いてビクッってなりました。ドキドキしながら観てるから、お姉ちゃんを見つけた弟が突然現れるところとか、なんでもないシーンでもビビっちゃった(笑)。でも意外と怖いばっかりじゃなかったかも。
アイナ ホラーって結末が地獄だったりするじゃないですか。未来ないじゃん、みたいな。でもこの映画は観終わったあと、家族のドラマが心に残りました。ただのホラーを観たのとは違った。
チッチ 私も。どっちかと言うとホラーより家族愛の物語だったなって。家族以外の人物がいきなり出てきたシーンはめっちゃ怖かった!
アイナ あと普通に考えて、あの状況で出産を目前に控えてるっていうのもヤバい。家族が出かけて、お母さんが家で1人になったときの緊迫感が半端なかった!
──近年のホラーやスリラー系のヒット作と言えば「IT/イット “それ”が見えたら、終わり。」「ゲット・アウト」などが挙げられます。この「クワイエット・プレイス」もアメリカで大ヒットしたんですが、その要因はなんだと思いますか?
チッチ 設定の面白さはもちろんですが、リアルさが伝わってくるところですかね。監督(ジョン・クラシンスキー)自身が主演しているし、しかも奥さん役の女優さん(エミリー・ブラント)と本当に夫婦だと聞いて驚きました。旦那さんの演技は、奥さんに対するリアルな気持ちなんだろうなって思いました。
アイナ 役者さんたちの目がびっくりするくらい嘘ついてないよね。涙のシーンもリアルだし。むしろ演技してない。自分もその場にいるような気がしました。
──登場人物がほぼ家族4人だけという点も新鮮ですよね。
リンリン そのおかげでドラマにのめり込みやすかったです。怖いシーンはいっぱいありましたけど、家族の愛情にもちゃんと目が行きました。
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死ぬまでには父親に感謝を言いたい(リンリン)