劇場版「ONE PIECE STAMPEDE」の主題歌「GONG」を歌うのは、熊本出身の3人組ロックバンド・WANIMAだ。小学生の頃に原作マンガの連載開始に遭遇し、かれこれ20年以上読み続けているというKENTA（Vo, B）、KO-SHIN（G, Cho）、FUJI（Dr, Cho）。ファンもうなずくワンピトークや思い出話に花を咲かせつつ、念願だった主題歌抜擢の喜び、そして作り上げた楽曲への思いを語ってもらった。

度肝抜かれる（FUJI）

──WANIMAの皆さんは「ONE PIECE」の大ファンと伺いました。まずは、作品との出会いを教えてください。

KENTA（Vo, B）　ギターのKO-SHINとは4歳から一緒にいるんですが、僕らが小学校3年生のときに連載が始まりました。記憶をさかのぼると、幼い頃から「ONE PIECE」ごっこをやってました。地元が熊本の港町なんです。「ONE PIECE」の世界観にもなじみやすくて、イカダを作って海に出てました（笑）。

KO-SHIN（G, Cho）　僕はアニメから入りました。それから単行本を買って、ずっと読みまくりです。

KENTA　港町だからこそ、ラブーンが来ないかなって待ち望んでましたね。イルカはいたんですけど、結局ラブーンは来なかった……。あとは僕がルフィ、KO-SHINもルフィで、ルフィVSルフィのバトルシーンをやってみたり。

FUJI（Dr, Cho）　夢の対決や。

KENTA　KO-SHINが負けを演じてくれてたのか、僕がいつも勝ってました（笑）。でも気が付いたら、（緑色の短髪であるKO-SHINを見て）見た目がゾロになってました（笑）。

FUJI　僕は小学校5年生の頃に（週刊少年）ジャンプで出会いました。そこからずっと追い続けて、今もジャンプで読んでいます。単行本も買って読み直して、それが読み終わったらまた読み返す。3周は確実にしてます。

KENTA　小さい頃はやっぱり、ザ・男の子だったのでバトルシーンが好きでした。でも歳を重ねるごとに、いろんな人を巻き込んで、街から街へ冒険する麦わらの一味の生き方に惚れていって。ファンの皆さんもそうだと思いますけど「ONE PIECE」とともに生きてきた感じはします。ずっと続きが気になるし、気が付いたら30歳を越えていたというくらい熱中してます。

FUJI　僕は大人になっても格闘シーンが大好きです。ドレスローザ編でゾロがピーカを一刀両断する場面とか、度肝を抜かれて「スゲーッ!!」ってなります。あとは自分も覇気が欲しくて。使う人によっては物に覇気をまとわせることができるじゃないですか。ゾロの刀が覇気で黒刀になったときには、これまた度肝抜かれました。

──普段から「ONE PIECE」のお話はされたりするんでしょうか。

KENTA　ツアーの車移動とかで、FUJIが「ねえ、知っとった？」と言ってくるんです。それだけでもう「ONE PIECE」の話ってわかる（笑）。ネットからいろんな話題を拾ってくるんです。ネタバレもされたり……。

FUJI　過去のエピソードの伏線とか好きなんです。

──特にお気に入りのエピソードはありますか？

FUJI　バトルじゃないんですけど、リトルガーデンの巨人族ドリーとブロギーが好きです。あの「覇国」って技で島食いを貫いたところ。あそこはウソップと一緒に僕も涙しました。

──FUJIさんは、1枚絵で見せるような豪快な場面がお好きなんですね。KO-SHINさんはいかがでしょう。

KO-SHIN　僕はゾロの戦闘シーンですね。

KENTA　彼は昔からゾロ一択なんです。

──ゾロがお好きな理由は？

KO-SHIN　海賊なのに極度の方向音痴なんですけど、何か意見を言うときは、副船長としてしっかり自分を貫いてる。一番冷静な判断をできるのはゾロなんじゃないかなと思います。特にミホーク戦とバロックワークスのMr.1との戦いが好きですね。

KENTA　僕は空島編のウソつきノーランドとカルガラの友情が好きです。ラストの鐘を鳴らすところ。あれでグッとこない人とは友達になれない（笑）。

FUJI　（しみじみと）ああ、あそこよかよね……。

KENTA　好きなキャラは難しい……けど、やっぱりルフィやな。

FUJI　基本、全員好きなんですけど。僕は特にシルバーズ・レイリー。ルフィの師匠的な立場でもありますし、（ゴールド・）ロジャーの右腕というすごい海賊。あのひげもかっこいいんですよ。50巻を超えてから初登場だと思ってたら、実は3巻の時点でチラッと出てきてるんですよね。尾田先生は本当にすごいことをしますよね。

KENTA　ちなみに突然ですけど、こういう能力が欲しいっていうのはあります。「ムラムラの実」って言うんですけど。

一同　（笑）

KENTA　解説すると、自分がムラムラするのはもちろん、相手をムラムラさせることができる。あと「蒸ら蒸ら」だから何かを蒸らす能力もあって、温野菜とか作れるんです。

FUJI　めちゃくちゃ弱い（笑）。

──「ONE PIECE」の世界に入れるとしたら、何がしたいとかってありますか？ 例えば海賊なのか海軍なのか、とか。

FUJI　海軍は嫌ですね（笑）。（海軍本部元帥の）サカズキがいるので……。サカズキは怖い。

KENTA　なんとかして麦わらの一味には入りたいですね。でも見た目的には、黒ひげ海賊団の下っ端（笑）。

──ご自身で海賊を率いたりはしないんですか？

KENTA　「ONE PIECE」をずっと読んで、ともに生きてきてると、バンドも海賊みたいなところがあるな、と思います。僕らも1人じゃ何もできなくて、たくさんいろんな人の力を借りながら、こうやってバンドをやっていけてる。麦わらの一味と重なるところがあるんです。僕らもまだ旅の途中ですし、ルフィたちもそう。

──なるほど。

KENTA　街から街へツアーで回ると、いろんな人との約束ができる。だから音楽を続けられてるところはあると思います。「また必ず逢おう!!」「また必ず来るけん!!」って、待ってくれてる人がいろんな街にいるので。でもブルックみたいに骨になってまで、音楽はやらないです（笑）。

──ちなみに海賊団に名前を付けるとしたら？

KENTA　ライブとかで「開催しまーす!!」ってよく言ってるんで、「開催の一味」（笑）。もしくは「ワンチャン狙いに来ました、WANIMAです」もよく言うので「ワンチャン海賊団」ですかね。ワンチャンは、1つのチャンスをものにするで“1CHANCE”です。