映画ナタリー Power Push - 「MAX THE MOVIE」

大の大人が真面目に作り上げたギャグ満載のアクション映画

YouTube、ニコニコ生放送、歌手デビューなど数々の活動に挑戦してきた実業家マックスむらいが、今度は映画界に参戦。自身が主人公となってハチャメチャな世界をノンストップで駆け抜ける、ギャグ満載のサイバーファンキーアクション「MAX THE MOVIE」を完成させた。本作は2月6日よりYouTube公式チャンネルで無料配信され、2月22日現在、視聴回数は110万回を超えている。

映画ナタリーでは、“よくわからないがとにかくスゴそうなおバカアクション映画”を真面目に作ってしまったマックスむらい、山口雄大、鹿角剛、中野裕之にインタビューを実施。制作の舞台裏と映画の見どころを存分に語ってもらった。

取材・文 / 下森宏益(P1)、平田裕介(P2~4) インタビュー撮影 / 鈴木寿教

「MAX THE MOVIE」の愛すべき!?キャラクター
村井トモタケ(マックスむらい)
村井トモタケ(マックスむらい)
ある目的を持って最高高等学校を訪れた謎の男。ボロボロの学生服に赤シャツを着こなし、その風貌は車田正美や本宮ひろ志のマンガの登場キャラに似ている。胸元には感情の起伏を示すメーターが埋め込まれている。カンフーが得意。アイドル神宿の大ファン。
エニアック(GACKT)
エニアック(GACKT)
この世で最初に作られた電脳の神。スマートフォンに依存する人類を滅亡に追い込み、世界に終焉をもたらし、新たな創世記の幕を開けるべく降臨した。電気信号に変化しネットワークに進入することができる。最高高校の地下に電脳の世界を形成。蒸気機関で動く要塞に住む。
君沢(君沢ユウキ)
君沢(君沢ユウキ)
エニアックの腹心の1人。調子に乗りすぎる性格をエニアックに注意されている。能力は未知数。
坂口(匠⾺敏郎)
坂口(匠⾺敏郎)
あらゆる格闘技に精通したエニアックの腹心で武闘派。体からすさまじいオーラを放ち、村井と壮絶な戦いを繰り広げる。
最高高等学校の生徒たち。左からツッコミ(おおかわら/鬼ヶ島)、歌う生徒会長・まお(スプリングまお)、舎弟・バイヤー(楯雅平)、優等生・高橋くん(あいたかはしくん)。
最高高等学校の生徒たち
左から
ツッコミ(おおかわら/鬼ヶ島)
生徒会書記。生徒会長の台車を押す役目を担う。常に誰かの発言にツッコミを入れている。
歌う生徒会長・まお(スプリングまお)
常に台車に乗り、ギターを弾きながら歌うように話す。最高高等学校の生徒会長。
舎弟・バイヤー(楯雅平)
体型に合わない制服を身に着けた舎弟キャラ。「でやんす、でやんす」が口ぐせ。
優等生・高橋くん(あいたかはしくん)
IQ400超えの天才。ピッタリとした髪に黒縁めがね、蝶ネクタイと裾の短いズボンを着用している。
学校の不良たち。左からスケバン(坂口茉琴)、クソムシ(アイアム野田/鬼ヶ島)、フランケン(川井洋平/あっぱれ!)。
学校の不良たち
左から
スケバン(坂口茉琴)
リュックを背負ったアフロヘアの女ヤンキー。チェーンを使った格闘術に長けている。
クソムシ(アイアム野田/鬼ヶ島)
パスタの絵と “al dente”と書かれたプリント付き制服を着用する番長。「ゲスゲス」が口ぐせ。
フランケン(川井洋平/あっぱれ!)
怪力の持ち主。クソムシの命令に絶対服従している。「フンガー」としかしゃべれない!?
AIマミルトン(マミルトン)
AIマミルトン(マミルトン)
自称374歳の人工知能の少女。タブレット内で世界を救う伝説のヒーローを待ち続けていた。スマホゲーム内にアバターとなって登場も。
スーパーヒーロー 神宿 。左から羽島めい、小山ひな、一ノ瀬みか、関口なほ、羽島みき。
スーパーヒーロー 神宿(神宿)
普段は仮の姿でアイドルグループとして活動しているスーパーヒーロー。半年前、エニアックとの戦いに敗れ氷漬けにされた。
制作スタッフへの取材でわかった、「MAX THE MOVIE」のココがたぶんスゴい!

マックスむらいの熱意に応えた“制作スタッフ”

「MAX THE MOVIE」の撮影現場より、マックスむらい(左)と山口雄大(右)。

監督は「地獄甲子園」や公開待機作「珍遊記」の山口雄大が担当。予告編の監督と本作のプロデューサーは国内外アーティストのミュージックビデオからCM、映画「SF サムライ・フィクション」や「RED SHADOW 赤影」など幅広く手がける中野裕之が務めている。脚本は「死に花」「L change the WorLd」の小林弘利、制作はVFX制作会社スタジオ・バックホーンが請け負い、アクション監督に匠馬敏郎を起用するなど、無料動画としては豪華すぎる陣容だ。むらいは「これはインターネット動画に対して、私たちがどれだけできるかという挑戦なんです」と語っている。

徹底的にこだわった“アクションシーン”

「MAX THE MOVIE」より村井トモタケ。

ステレオタイプの主人公が、真面目な顔をしてくさいセリフを吐き、アクションは無駄にうるさい。だがそんなアクションシーンには相当なこだわりを感じさせる。むらいは体重を5kg落として撮影に臨み、演技初挑戦ながら冒頭シーン以外、スタントを使わず自らアクションをこなしたほどの力の入れよう。山口もまたエニアックの腹心、坂口とのバトルでは、180コマで撮影した映像で詳細を見せ、校舎壁面でのバトルアクションはすべて1カットで撮影。山口は「むらいさんはアクションの立ち回りの覚えが早くて感心した」と現場を振り返った。

240カットを超える“CGカット”

「MAX THE MOVIE」より、村井トモタケ(右)のバトルシーン。

ロボット軍団や謎の飛行物体、そしてエニアックの蒸気機関要塞など全編を通して驚きのメカが登場。バトルシーンでは空中戦や動きが見えないほどの肉弾戦を繰り広げ、豪快に校舎のドアや壁を破壊していく。さまざまなシーンでVFX技術が生かされており、CGは本編30分中240カット以上に上る。映像制作に関わったVFXスーパーバイザーの鹿角は「50分ほどある脚本が30分に変更された時点で、CGカットが増えたんです。『CGをふんだんに盛り込みたい』とのむらいさんからの要望があったので期待に応えました」と語る。VFXだけでもこの映画を観る価値あり!

映画の“パロディ”が満載、話題のキャラも

「MAX THE MOVIE」より、村井トモタケが泣き崩れるシーン。

本作の冒頭には人工知能によって造られた殺人マシーンや人喰い巨人らしき化け物の姿が。人喰い巨人の1人を「ヌイグルマーZ」の井口昇が演じている点からも“あの映画”が思い浮かぶ。さらに、むらいが天を仰ぐシーン(写真)は、「マッドマックス 怒りのデス・ロード」に登場する女戦士が泣き崩れる場面をモチーフにしている。むらいが戦うときにあげる奇声もまた、ブルース・リーの怪鳥音を真似たものだ。そのほか、近年話題のドローン兵器やスマホゲームの人気キャラクターなどが登場。オマージュネタを探しながら観るのも楽しい。

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「MAX THE MOVIE」現在YouTubeにて配信中

YouTube マックスむらいチャンネル

ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2016 2⽉25⽇(⽊)23:00より上映

「MAX THE MOVIE」

舞台は20XX年。村井トモタケはある探しものを求めて、新宿区立最高(もりたか)高等学校を訪れる。そこで彼はタブレットの中で伝説の救世主の出現を待ち続けていたというAIマミルトンと出会う。マミルトン曰く、校庭の地中深くには、世界征服を狙う電脳の神“エニアック”とその腹心に戦いを挑み、破れ散っていった勇者たちの亡骸が眠っているという。そこに姿を現したエニアック。村井は運命に導かれるようにエニアックとの戦いに身を投じていく。

スタッフ

監督・脚本:山口雄大

脚本:小林弘利、おおかわら

VFXスーパーバイザー:鹿角剛

製作総指揮:中野裕之

キャスト

村井トモタケ:マックスむらい

AIマミルトン:マミルトン

歌う生徒会長・まお:スプリングまお

優等生・高橋くん:あいたかはしくん

舎弟・バイヤー:楯雅平

坂口:匠馬敏郎

スケバン:坂口茉琴

ツッコミ:おおかわら(鬼ヶ島)

クソムシ:アイアム野田(鬼ヶ島)

フランケン:川井洋平(あっぱれ!)

君沢:君沢ユウキ

近未来の青年:新里宏太

神宿:一ノ瀬みか・羽島めい・羽島みき・関口なほ・小山ひな(神宿)

エニアック:GACKT

ナレーション:ゴー☆ジャス