自分たちの生きる世界が実は「仮想世界=マトリックス」だったという衝撃的な設定や、VFXとカンフーを組み合わせた斬新なアクション、緑にきらめくマトリックス・コード、主人公ネオとトリニティーのクールなルックなどで、本編同様に私たちの世界を一変させた「マトリックス」。その続編「マトリックス リローデッド」「マトリックス レボリューションズ」公開から満を持して、待望の新作「マトリックス レザレクションズ」が12月17日に封切られる。
主人公ネオ役のキアヌ・リーヴス、トリニティー役のキャリー=アン・モスが続投。シリーズを手がけてきたウォシャウスキーコンビのラナ・ウォシャウスキーが監督を務めた。現時点で物語の詳細は一切不明。「復活」を意味する「レザレクションズ」が何を意味するのかもベールに包まれている。
そこで映画ナタリーでは、“マトリックスファン”5名に新作への期待をコメントしてもらった。「GANTZ」「GIGANT」のマンガ家・奥浩哉、「アーシアン」「LOVELESS」で知られるマンガ家・高河ゆん、バラエティ番組「ゴッドタン」のプロデューサー・佐久間宣行、「ソードアート・オンライン」のアスナや「妖怪ウォッチ」のケータを演じている戸松遥、「ワンパンマン」「モブサイコ100」のマンガ家・ONEの「マトリックス レザレクションズ」への思いとは。
奥浩哉
マトリックスの一作目を映画館で観たときは、エンタメとして完璧だと思った。相当興奮した覚えがある。
今回の新作は一作目の直接の続きということだけど
確かに二作目三作目の後の話だとネオは死んでるので、
続編は難しい。なるほど、納得。今回のマトリックスはウォシャウスキー姉妹の姉のラナだけのクレジットなので、
哲学要素の強い仕上がりになるのか? あの当時映像革命を起こしたマトリックスが今どれくらいアップデートしてくるか楽しみ。
- 奥浩哉(オクヒロヤ)
- 1967年9月16日生まれ、福岡県出身。1988年に久遠矢広(くおんやひろ)名義で投稿した「変」が第19回青年漫画大賞に準入選し、週刊ヤングジャンプに掲載されデビュー。マンガの背景にデジタル処理を用いた草分け的存在として知られ、2000年より同誌にて連載された「GANTZ」はスリルある展開で好評を博し、アニメ、ゲーム、実写映画化などさまざまなメディアミックスがなされた。そのほか代表作に「いぬやしき」「GIGANT」がある。
高河ゆん
ネオにまた会えるんですね!
楽しみでしかありません。
「マトリックス」と言えば。
緑色に輝く数字が縦に流れるスクリーン。
「誰も見たことがない」と予告された電脳空間、スタイリッシュなアクション。
みんなが真似した黒のロングコートにサングラス。
総括するとむちゃくちゃカッコ良い映画でした。
重々しい閉塞感と、爆発するような高揚感を、同時に味わえる「マトリックス」がまた観られるのですね。
ホームページ(ジオシティーズ)の日記(ダイアリーだよ、ブログじゃなくて)に「マトリックス最高! みんな見るべし」と書きなぐった、1999年の興奮が蘇ります。
詳しい内容なんか分からなくたって、観ることだけは確定している、そんなワクワクする映画。
それが「マトリックス」。
「レザレクションズ」のネオ、「わあ久しぶりだね! 全然変わらない」と思ったけど、
「マトリックス」を見直したら、やっぱり彼もかなり熟成していました。
もちろんそんなナイスミドルネオもまた良き。
- 高河ゆん(コウガユン)
- 7月9日生まれ。1985年にマンガ家としてデビュー。代表作に「アーシアン」「超獣伝説ゲシュタルト」「LOVELESS」「佐藤くんと田中さん -The blood highschool」「車田水滸伝~HERO OF HEROES~」などがある。アニメ「機動戦士ガンダム00」ではキャラクターデザインを担当した。
佐久間宣行
もう完全に古典になって色んな元ネタになったレジェンド作品の再始動、本当にワクワクします。
見たことのない世界観、キアヌのアクションへの期待はもちろん、根底にある哲学が出てくる瞬間がすごく好きです。
新作もきっとラナ・ウォシャウスキー監督にしかできない「世界の捉え方」が随所に出てくると思うんですよね。それがとても楽しみです。
もう、世界規模のお祭りみたいなもんですよね。
- 佐久間宣行(サクマノブユキ)
- 1975年11月23日生まれ、福島県出身。テレビプロデューサー。1999年にテレビ東京に入社し、「ゴッドタン」やワンシチュエーションコメディ「ウレロ☆」シリーズ、「青春高校3年C組」などさまざまな番組を手がける。同局退社後は、自身のYouTubeチャンネル「NOBROCK TV」を開設。2019年からパーソナリティを務めている「佐久間宣行のオールナイトニッポン0(ZERO)」の番組本が2021年6月に刊行された。
戸松遥
まず予告映像の凄さに圧倒されました。さすがマトリックス、感動です!
映像の凄さ、アクションの迫力、どこを見ても楽しめる要素がたくさんあり、何度観ても新しい発見が詰まっていると思います。
そして仮想空間がもはや仮想という言葉では括ることができないほどリアルに、そして身近に感じつつある今の時代にピッタリな作品だと思いました。
個人的にはネオの入浴中に頭の上にアヒルのおもちゃが乗っていたのが気になりました(笑)
映画館で観るとより迫力が増して楽しめること間違いないですね!
- 戸松遥(トマツハルカ)
- 1990年2月4日生まれ、愛知県出身。2005年10月に行われた「第1回ミュージックレインスーパー声優オーディション」の合格をきっかけに声優としての活動をスタート。2008年にソロアーティストとしての活動を始め、2009年2月に寿美菜子、高垣彩陽、豊崎愛生とともに声優ユニット・スフィアを結成した。主な出演作には「プリキュア」「ソードアート・オンライン」「妖怪ウォッチ」「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」シリーズや、「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」「幼女戦記」がある。現在出演作「劇場版 ソードアート・オンライン -プログレッシブ- 星なき夜のアリア」「映画妖怪ウォッチ♪ ケータとオレっちの出会い編だニャン♪ワ、ワタクシも~♪♪」が公開中。
ONE
初めて観た時は理解できず、その後に観直してもよくわからず、今でもわからない所はわからないが、いつ観てもやっぱり面白い。なぜわからないのに面白いのか。
それは作中の台詞もアクションも音楽も物語も面白いから。あの世界に引き込まれて、そこに真実が混じっているような感覚になります。マトリックスの新作をとても楽しみにしています。
- ONE(ワン)
- 自身のサイトでWebマンガ「ワンパンマン」を公開し人気を博す。「ワンパンマン」は2012年より村田雄介を作画担当に迎えたリメイク版がとなりのヤングジャンプにて連載され、2015年にアニメ化。また2012年には小学館のWebマンガサイト・裏サンデーにて「モブサイコ100」の連載をスタートさせる。同作は2014年よりアプリ・マンガワンにも掲載。アニメ化、実写ドラマ化、舞台化を果たし、アニメ第3期「モブサイコ100 III」の制作も決定している。そのほか代表作に「魔界のオッサン」などがある。
2021年12月17日更新
1999年、革新的な映像や哲学的なテーマで、映画界に激震を走らせた「マトリックス」。キアヌ・リーヴス演じるネオが後ろにのけ反りながら銃弾を避けるシーンには、“バレットタイム”と呼ばれる被写体を複数台のカメラで囲って連続撮影する技法が用いられており、「マトリックス」世代でなくとも一度は目にしたことがあるだろう。
“映像革命”を起こした「マトリックス」についてリーヴスは「自分を超えた新しい世界への挑戦だった」と語る。同作は日本で興行収入78億8000万円を記録。2003年に公開された続編「マトリックス リローデッド」は110億円、「マトリックス レボリューションズ」は67億円の興収となり、観客の価値観を一変させたシリーズとして今も多くの人々に愛されている。