映画ナタリー PowerPush - 「マッドマックス 怒りのデス・ロード」
長き沈黙を破り伝説のシリーズが復活!ジョージ・ミラーが語る新たなマスターピース誕生までの軌跡
1979年、世界は「マッドマックス」の炎に包まれた……。荒廃した地にはびこる暴力、異形の荒くれ者たち、轟音を響かせながら爆走する改造車。ジョージ・ミラーが監督デビュー作「マッドマックス」で創造した世界観は、多くのクリエイターやカルチャーに衝撃と影響をもたらした。
そして2015年、第3作「マッドマックス サンダードーム」から30年を経て、ジョージ・ミラー自らシリーズをリブート。アクション描写をさらに過激に進化させたハイテンションムービー「マッドマックス 怒りのデス・ロード」を生み出した。映画ナタリーでは、ジョージ・ミラーにインタビューを敢行。70歳を迎えた彼が波乱に満ちた新作誕生までの軌跡を語る。
取材・文 / 岡大
1979年、1本のオーストラリア映画が世界に衝撃を与えた。秩序が崩壊した近未来を舞台に、過激なカーバトルを繰り広げる「マッドマックス」──バイオレンスに満ちたその世界観に熱狂する者が続出し、その後「マッドマックス2」「マッドマックス サンダードーム」とシリーズ化も果たした。「マッドマックス 怒りのデス・ロード」は、「サンダードーム」から30年の時を経て復活したリブート映画だ。ちなみに、改造車やライダースジャケットにプロテクターを装着した男たちのビジュアルがマンガ「北斗の拳」に多大な影響を与えたと言われている一方、監督のジョージ・ミラーは大友克洋の「AKIRA」に影響を受けたと公言。日本のカルチャーと密接な関係にある作品だ。
旧3部作でメル・ギブソンが演じたマックス役を引き継いだのは、「ダークナイト ライジング」のベイン役で知られる英国俳優、トム・ハーディ。女戦士フュリオサを演じるのは、「モンスター」でアカデミー賞主演女優賞を獲得したシャーリーズ・セロン。マックスに同行することになる若者ニュークス役は、「X-MEN」シリーズのニコラス・ホルト。ハリウッドの第一線で活躍するトップスターが集結した。「マッドマックス」1作目で暴走族のボスを演じたヒュー・キース・バーンが、強大な敵イモータン・ジョー役でシリーズにカムバックしたこともファンの間ではすでに話題を集めている。また「トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン」のロージー・ハンティントン=ホワイトリー、エルヴィス・プレスリーの孫娘ライリー・キーオ、レニー・クラヴィッツの娘ゾーイ・クラヴィッツらで結成された美女軍団も注目だ。
「マッドマックス 怒りのデス・ロード」は、数百台の改造車が2時間、ハイテンション&ハイスピードで追いつ追われつ爆走し続ける究極のロードムービーだ。ある爆破炎上シーンについて「最初はCGでやる予定だった。その後、ミニチュアモデルで撮るという話になったが、最後はやはり本物の戦闘車を横転させて派手に炎上させることにした」と語るジョージ・ミラー。CGを多用するアクション映画が多い現代において、時代錯誤とも言えるほどリアリティにこだわったアクション描写は手に汗握ること必至! アクション&バイオレンス満載の特報動画はこちら。
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「マッドマックス 怒りのデス・ロード」2015年6月20日より新宿ピカデリー、丸の内ピカデリーほかにて 2D/3D & IMAX3D公開
核戦争後、水も石油も枯渇寸前となった地球。愛する妻子の命を奪われ、砂漠をさまよっていた元警官のマックスは、暴力で民衆を支配するイモータン・ジョーの手下たちに捕われる。髪を刈られ、刺青を彫られ、奴隷の証である焼印を押されたマックスだが、ジョーの右腕である女将軍フュリオサの謀反に乗じて脱出に成功。マックスは、フュリオサ、ジョーの子供を産むために集められていた美女たちと共に逃避行を始めるが、ジョー率いる大軍が背後に迫ってくる……。
スタッフ
監督・脚本・製作:ジョージ・ミラー
キャスト
マックス:トム・ハーディ
フュリオサ:シャーリーズ・セロン
ニュークス:ニコラス・ホルト
イモータン・ジョー:ヒュー・キース・バーン
吹替声優
マックス:AKIRA
イモータン・ジョー:竹内力
エレクトス:真壁刀義(新日本プロレス所属)
日本版エンディングソング
MAN WITH A MISSION×Zebrahead「Out of Control」(ソニー・ミュージックレコーズ)
ジョージ・ミラー
1945年オーストラリア生まれ。医大に進学し医師となるが、映画コンクールで入賞したことをきっかけに、映画の道へ。1979年に「マッドマックス」で長編監督デビューを飾り、「マッドマックス2」「マッドマックス サンダードーム」と次々にヒットを飛ばす。その後、ハリウッドに進出しさまざまな作品の製作や監督を務め、90年代以降は「ベイブ」「ハッピー フィート」などのファミリー向け映画を手がける。70歳を迎えた2015年、ずっと企画を温めてきた「マッドマックス」シリーズのリブート作「マッドマックス 怒りのデス・ロード」でバイオレンスアクション映画に回帰した。
2015年6月15日更新