世界中に3D旋風を巻き起こした「アバター」の公開から早10年。IMAX、4D、ScreenXなど次々に新しい上映形態が浸透し、映画は鑑賞から体験の時代へと叫ばれて久しい。3Dでの鑑賞がもはや珍しくなくなった今、中国から目を見張る斬新な3D映画が誕生した。2月28日より全国順次公開される「ロングデイズ・ジャーニー この夜の涯てへ」。観客は映画の中盤、主人公と一緒に眼鏡を掛け、約60分という驚異の長回しの世界に没入していく。本作が示す新たな“3D体験”に迫った。
文 / 奥富敏晴
![](https://ogre.natalie.mu/media/pp/static/eiga/longdays/video_hide.png)
![“To the audience:This is NOT a 3D film, but please join our protagonist in putting the glasses on at the right moment.](https://ogre.natalie.mu/media/pp/static/eiga/longdays/attention_txt_en.png)
![“本作は3D映画ではありませんが主人公と一緒に眼鏡を掛けてください”](https://ogre.natalie.mu/media/pp/static/eiga/longdays/attention_txt_ja.png)
これは本編が始まる前に示される注意事項だ。映画史において、物語の途中から主人公と同時に観客に3D眼鏡を掛けさせる作品が存在しただろうか。観客は映画館に座る主人公の行動をまね、眼鏡を着用した瞬間、めくるめく3Dの世界へいざなわれる。およそ60分続く長回し。私たちは現実と記憶、夢想が渾然一体となった未知の領域へ旅に出る。
![“story](https://ogre.natalie.mu/media/pp/static/eiga/longdays/intro_title_1.png)
![Monologue ビー・ガンには詩人としての顔も 主人公のモノローグで映画館までの足取りを追う](https://ogre.natalie.mu/media/pp/static/eiga/longdays/monologue_title.jpg)
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コラム「長回しの本番は計5回、3Dへの不安と啓示」