映画ナタリー Power Push - 乃木坂46が語る「心が叫びたがってるんだ。」
すぐ隣にいるみんなが主人公
「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」の監督・長井龍雪、脚本・岡田麿里、キャラクターデザイン・田中将賀が再集結した劇場版オリジナルアニメーション「心が叫びたがってるんだ。」。2015年9月に公開されるとアニメファンを中心に話題を集め、興行収入11億円を突破した本作がこのたびBlu-ray / DVD化される。
映画ナタリーではBlu-ray / DVDの発売に合わせ、主題歌を担当した乃木坂46の深川麻衣、高山一実、松村沙友理にインタビューを実施。物語やキャラクターに対する率直な感想、異性の好み、初の“センター”や小説執筆を通して芽生えた現在進行形の思いについて語ってもらった。
取材・文 / 伊東弘剛 撮影 / 佐藤類
気付いたらいつも出遅れてる(深川)
──皆さんアニメはお好きなんですか?
深川麻衣 一番好きな子はまっちゅん(松村)。
高山一実 3人の中だとダントツだよね。
松村沙友理 (元気よく手を上げながら)好きです!
──どれぐらいご覧になるんですか?
松村 テレビで新しいアニメが始まると第1話はほとんどチェックします。今放送(2016年冬アニメ)されているものだと「赤髪の白雪姫」「おそ松さん」「亜人」とか、少女マンガ原作のものからグロテスクなものまでジャンルにこだわらずいろいろ観てます。あと学園もので女の子がたくさん出てくるアニメ「ひだまりスケッチ」「ゆるゆり」とかが大好きです。
──本当にたくさん観ているんですね。高山さんと深川さんはいかがですか?
高山 私は観る作品がすごく偏っていて、たくさん作品を観るタイプではないんですが、「デジモン」が好きです。今公開されている映画(「デジモンアドベンチャー tri. 第2章『決意』」)もすごく楽しみにしています!
深川 私は“ノイタミナ”枠で放送される作品がいつも気になるんですが、毎回気が付いたら第1話の放送が始まっちゃってて……そのたびにショックを受けてます(笑)。
毎話の苦しみが、最後の笑顔で救われた(松村)
──ノイタミナ作品に関心があるということですが、その枠で放送された「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」(以下「あの花」)はご覧になりましたか?(参照:「あの花」テレビアニメ版の再放送が決定、前後編で構成された特別編集版も)
深川 はい。「あの花」は、小さい頃にめんまちゃんのことがあってバラバラになっちゃった超平和バスターズのメンバーが今どうなっているか、その描写がリアルだなって思いました。私も小さい頃、秘密基地を作って遊んだりしたので、懐かしさを感じてすごく和んだりもして。それにやっぱりラストで……すごく感動しました。
高山 私も「あの花」は友達に薦められてDVD全巻持っているんですけど、もうとにかく泣きました。めんまちゃんとじんたんの関係でほんわかして、穏やかな気持ちになって泣けて。
──松村さんは「あの花」のTシャツをお持ちだと聞いてるのですが。
松村 持ってます! あと物語の舞台・秩父で開催された「あの花夏祭」にもプライベートで参加しました。
──本当にお好きなんですね。作品への感想も伺えますか。
松村 観ていて本当に苦しかった。みんながかわいそうじゃないですか。超平和バスターズのメンバーだけじゃなくて、めんまの家族、特にお母さんが本当にかわいそうで。めんまを救ってあげたいという超平和バスターズのメンバーの気持ちはきれいで応援したくなるけど、めんまのお母さんがそれを拒否しようとする気持ちもすごくわかって。みんなの苦しみがそれぞれわかるので毎話毎話、苦しんで観ていました。だから、最終回はみんなが笑っていて本当によかったと思いました。
飛鳥はしょっぱなから泣いてた(高山)
──皆さんが感動したと言う「あの花」のスタッフが再集結して作った作品が「心が叫びたがってるんだ。」(以下「ここさけ」)になるんですが、初めて観たときはどう思われました?
高山 絵の雰囲気とか、世界観は「あの花」と重なる部分があったんですが、やっぱり全然違うお話で。試写会で乃木坂のメンバーと一緒に観たんですけど、泣いているタイミングがみんな違って、観る人によって抱く印象が大きく変わる作品なんじゃないかなと思いました。
──メンバーによってそんなに反応が違いました?
高山 はい。私の隣の席が飛鳥(齋藤飛鳥)だったんですけど、もうしょっぱなから泣いてて(笑)。
松村 たしかにしょっぱなつらい(笑)。
高山 (冒頭の)玉子の妖精のシーンですでに号泣で。「えー、早い」と思って(笑)。最後のところでも飛鳥はすごく泣いてて。終わったあとに話を聞くと、主人公の順ちゃんと自分に重なるところがたくさんあったって言うんですよ。だから誰に感情移入するかで見え方が全然変わってくるのかなと。
──確かにそうかもしれませんね。
高山 私は菜月ちゃんのほうが感情移入できて。感動するというよりも、拓実との展開を観て「よっしゃー」って(笑)。私には理想的な流れでした。
──松村さんはいかがでした?
松村 私もメンバーと試写会で観たんですけど、上映が始まる前はすごく不安だったんです。
──不安ですか?
松村 アニメを全然観ない子もいるので、受け入れられるか不安だったんです。でもみんな作品に入り込んでくれて、泣いてて、それがすごくうれしかった! 誰にでも受け入れてもらえる作品だなって。乃木坂のスタッフさんたちも観ていたんですけど、男女問わずみんな泣いたって言っていて、素晴らしい作品だと思いました。
次のページ » 人間の嫌なところもしっかりと描かれてる(深川)
Blu-ray Disc / DVD「心が叫びたがってるんだ。」2016年3月30日発売 / アニプレックス
- 完全生産限定版
- 完全生産限定版
- [Blu-ray Disc2枚組+CD] 9180円 / ANZX-11701~3
- [DVD2枚組+CD] 8100円 / ANZB-11701~3
- 通常版
- 通常版
- [Blu-ray Disc] 5940円 / ANSX-11701
- [DVD] 4860円 / ANSB-11701
ストーリー
幼い頃、何気なく発した言葉によって家族をバラバラにしてしまった少女・成瀬順は、突如現れた“玉子の妖精”に二度と人を傷付けないようおしゃべりを封印されてしまう。高校2年生になってもトラウマを抱えたまま、周囲に心を閉ざしていた順だったが、ある日担任の城嶋から、「地域ふれあい交流会」の実行委員に任命される。同じく城嶋によって選ばれたのは、やる気のない少年・坂上拓実、チアリーダー部の優等生・仁藤菜月、野球部の元エース・田崎大樹といったクラスメイトたち。最初は実行委員を辞退しようとした順だったが、彼らとの交流を通し少しずつ変化していく。そんな中、城嶋の思惑により交流会の出し物がミュージカルに決定。歌なら声を発せられる順は主役に抜擢され、楽曲の作詞も務めることに。周囲の協力を得て、順調に準備を進めて迎えた発表前日、順はある光景を目撃してしまい……。
スタッフ
- 原作:超平和バスターズ
- 監督:長井龍雪
- 脚本:岡田麿里
- キャラクターデザイン・総作画監督:田中将賀
- 音楽:ミト(クラムボン)、横山克
- 主題歌:乃木坂46「今、話したい誰かがいる」(Sony Music Records)
- 制作:A-1 Pictures
キャスト
- 成瀬順:水瀬いのり
- 坂上拓実:内山昂輝
- 仁藤菜月:雨宮天
- 田崎大樹:細谷佳正
- 三嶋樹:村田太志
- 相沢基紀:大山鎬則
- 岩木寿則:古川慎
- 城嶋一基:藤原啓治
- 成瀬泉:吉田羊
©KOKOSAKE PROJECT
乃木坂46(ノギザカフォーティシックス)
2011年8月に「AKB48の公式ライバル」として誕生したアイドルグループ。総合プロデュースはAKB48同様、秋元康が担当する。全国規模のオーディションにより、3万8934人の応募の中からスターティングメンバーとして33名が選出された。2012年2月にシングル「ぐるぐるカーテン」でメジャーデビュー。オリコン週間ランキングで初登場2位を記録し、20万枚を超えるセールスを記録した。以降、2ndシングル「おいでシャンプー」から13thシングル「今、話したい誰かがいる」まですべてのシングルがオリコン週間ランキングで初登場1位を獲得している。3月23日に通算14枚目のシングル「ハルジオンが咲く頃」をリリース。
- 乃木坂46「ハルジオンが咲く頃」
2016年3月23日発売 / Sony Music Records