韓国のBLドラマ「君の唇を噛みたい」全8話が、U-NEXT、Rakuten TV、Amazon Prime Video、FODなど各映像配信サイトで配信されている。
本作では、消滅する運命にあるヴァンパイアのジュノと、“純血人間”の血を持つ青年・ミニョンの関係が描かれる。ジュノは唯一生き延びる方法である“純血人間”の血を飲もうとミニョンに接近するが、やがて彼と惹かれ合い葛藤する。
映画ナタリーでは、主要キャストを務めたキム・ジウンとユン・ソビンにインタビュー。初めて顔を合わせたオーディションの思い出や、撮影時のエピソード、そして今後の展望を語ってもらった。
取材・文 / 西森路代
この人と一緒に演技がしたい(ユン・ソビン)
──まず、台本を読んでどんな感想を抱きましたか?
ユン・ソビン BLとヴァンパイアという組み合わせが新鮮でした。台本を読んでいくうちに、どんどん作品の世界に入り込んで想像を膨らませることができたので、早く撮影したいなと思いました。
キム・ジウン 僕の場合は、ヴァンパイアのジュノという役を消化できるのか最初は心配でした。まだ共感できていないセリフもあったので、ちゃんと表現できるのだろうか?と思い、一生懸命練習しました。
──お二人ともどんなふうに役への理解を深めていったのでしょうか。
キム・ジウン 主人公で大事な役だったので、迷いが生まれるたびに監督にアドバイスをもらいました。
ユン・ソビン 僕はジウンさんが本当にヴァンパイアだったら?という想像をして、感情を作ったりしていました。
──なるほど。初めて顔合わせをしたときは、どんな状況で、どういった印象を抱きましたか?
キム・ジウン オーディションのときが初対面でした。自分もそうですが、ソビンさんも緊張していたのを覚えています。
ユン・ソビン オーディション会場に入ってきたジウンさんを見て、とてもかっこよくてシックな人だなと思って。「あ、この人がヴァンパイア役になるんだな」とすぐに感じました。セリフを一緒に読み合わせたのですが、この人と一緒に演技がしたいという気持ちが芽生えました。
──オーディションは、特定の役で受けていたのでしょうか。
ユン・ソビン 自分がどの役をするかは伝えられなかったのですが、読み合わせのときに、僕はミニョン役だったしジウンさんはジュノ役を演じました。なので、なんとなくそういう配役になるのかなと考えていました。
キム・ジウン 当時はまだ配役が固まっていなかったんですよね。僕がミニョンの役かもしれないとも考えたし、もし逆の役柄で演じたとしても、面白いドラマになるかもと感じました。
──役とご自身の共通点みたいなものはありましたか。
ユン・ソビン 自分の中にはいろんな性格が混じっているので、どんな役でもできるとは思ってるんですけど、ヴァンパイアの役もやってみたいという気持ちもありました。
キム・ジウン 僕には、相手の気持ちを先に考えて、感情を表に出さない部分があるんです。なのでジュノという役に共感できるし、うまく表現できる気がしました。
──実際に撮影に入ってみて、いかがでしたか?
ユン・ソビン とてもタイトなスケジュールだったので、お互いに気持ちを高めようとしていました。
キム・ジウン ソウルから離れたところでの撮影だったので、宿で共同生活をしながらの撮影でした。お互いに励まし合い、周りの人も応援してくれたので、いろんなシナジー効果が生まれた現場になりました。
こんなに多くの方が、関心を持って愛しているんだ(キム・ジウン)
──これまでに触れたことのあるBL作品や、撮影前に観た作品はありましたか?
キム・ジウン この作品に関わるまでは、具体的に触れたことはありませんでした。でもBL作品が注目されているのは知っていたので、自分にとってはいいチャンスだと思い参加しました。
ユン・ソビン 僕も関心はずっと持っていたので、機会があればBL作品に参加したいと思っていました。男性同士の恋愛を扱った作品で、撮影前に観たのは、ティモシー・シャラメとアーミー・ハマーが共演した「君の名前で僕を呼んで」ですね。
──今、アジアではタイや日本でもBL作品がたくさん発表されており人気を得ていますが、そんな動きについては知っていましたか?
ユン・ソビン SNSなどを通じて、BL作品を応援している方がたくさんいることは知っていました。
キム・ジウン 僕もSNSを見て知っていました。こんなに多くの方が、BL作品に関心を持って愛しているんだなと。
──実際、この作品へのSNSでの反響を見ましたか? その中で印象に残ったものがあれば教えてください。
ユン・ソビン 一番多い反響は、やっぱり悲しい作品だということですね。そういう感想をたくさんいただけてうれしかったです。
キム・ジウン とにかく「面白かった」と言ってもらったのがうれしいです。「ファンタジーでもあり、かつ深いところまで描いたドラマで、いろんな感情に触れることができた」という感想もありました。
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ミニョンの表情としぐさがとても愛らしい(キム・ジウン)