映画ナタリー Power Push - 「KINGSGLAIVE FINAL FANTASY XV」綾野剛×忽那汐里インタビュー
2人が飛び込んだ光と闇の世界
山寺宏一さんのところへ修行に行きたい(綾野)
──普段の演技との違いを意識した瞬間はありましたか。
綾野 声優の皆さんとはキャパシティが違うなと感じましたが、役者としてできることに真摯に向き合わなきゃいけないと思いました。
忽那 おっしゃる通りです! 声優の方々との力の差にどうしても気付いてしまうんですが、そんな中で助けになったのは、実際に映像を観て物語の展開を確認しながら演じることができたことです。状況を判断して、できるだけ求められているところに近付けていく作業は、これまでに自分が培ってきた経験が生かされた気がします。
綾野 初めての現場の場合、僕たち俳優は必ず自分の芝居場となる美術やセットを見て回るんです。今回は芝居場がモニターの中にあったので、その空間に限りなく近付くためには自分から(作品の世界に)入り込んでいくしかなくて。だからアフレコの瞬間は常に燃え上がっていましたし、収録を終えて、自分は今、声優という職業においては底辺の位置にいるんだと思い知りました。もしまたこういう機会があったら山寺宏一さんのところへ修行に行きたいと本気で思います。山寺さんの声やセリフの言い回しは強烈なんですよ。あれはどうやってやってるんだろう? ちょっとレベルが違いすぎますよね。
一番大切なのは気持ちなのかも(忽那)
──今回の経験は今後の俳優業に影響すると思いますか?
綾野 もちろん。この作品が世に出たあとの評価は、いいものも悪いものも真摯に受け止めるつもりでいます。それを糧にまたネクストワンと思いながら進んでいきたいです。
忽那 この作品で学んだことは多いですし、すごくいい経験になりました。新たなことにチャレンジするときに、一番大切なのは気持ちなのかもと気付かされました。私は「ダメだな」なんて思い始めてしまうと、ついネガティブな方向に気持ちが向かってしまうんです。収録のときはたった1人で小さな暗いブースにこもっていたので、気持ちのアップダウンが演技にすごく影響したことを覚えています。
綾野 主人公とヒロインが特に役者同士の場合なら、一緒に録ってみたいですね。2人で並んで、その世界観に触れながら演じれば、僕たちの役者としての資質や能力がより生かせる気がします。そこも勉強になりました。一緒に録ったら、きっと違ったよね?
忽那 はい! 私もそう思います。
キャラクター紹介
「KINGSGLAIVE FINAL FANTASY XV」7月9日より全国ロードショー
ストーリー
長きにわたって激しい争いを続けているルシス王国とニフルハイム帝国。国土を侵そうとするニフルハイム帝国に抗うため、113代ルシス国王・レギスは、戦闘能力に優れた移民を集めて国王直属の特殊部隊「王の剣」を結成する。ニックスも戦士の1人として、リベルトやクロウら仲間たちとともに戦いに身を投じていたが、戦況は次第に劣勢になっていく。そんな中、ニフルハイムの参謀・アーデンがレギスに提案してきたのは、領土割譲。さらにルシスの王子ノクティスと、ニフルハイムに属する州・テネブラエの令嬢であるルナフレーナの婚姻を条件とした停戦だった。戦況の不利を悟ったレギスはこの条件を呑み、王都インソムニアで停戦のための調印式が行われることに。しかし式の当日、ニフルハイムの裏切りが発覚。彼らの真の目的は、ルシスの力の源であるクリスタルを奪うことだったのだ。クリスタルはニフルハイムの手に落ち、インソムニアは戦場へと変貌していく。レギス、そしてニックスはルシス王国の未来を守りぬくために、それぞれの立場から強大な敵に立ち向かうが……。
スタッフ
プロデューサー:田畑端
監督:野末武志
脚本:長谷川隆
音楽:ジョン・グラハム
メインテーマ:下村陽子
キャスト
ニックス・ウリック:綾野剛
ルナフレーナ・ノックス・フルーレ:忽那汐里
レギス・ルシス・チェラム:磯部勉
ドラットー:山寺宏一
リベルト・オスティウム:かぬか光明
ルーチェ・ラザロ:関智一
クロウ・アルティウス:藤村歩
イドラ・エルダーキャプト:飯塚昭三
クレイラス・アミシティア:銀河万丈
アーデン・イズニア:藤原啓治
レイヴス・ノックス・フルーレ:中村悠一
トレッド・フュリア:小松史法
ペルナ・カーラ:高木渉
- 「KINGSGLAIVE FINAL FANTASY XV」公式サイト
- 「KINGSGLAIVE FFXV」 (@kingsglaive) | Twitter
- 「KINGSGLAIVE FINAL FANTASY XV」作品情報
©2016 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.
綾野剛(アヤノゴウ)
1982年1月26日生まれ、岐阜県出身。2003年に俳優デビューし数々の映画やテレビドラマに出演する。2013年に「横道世之介」と「夏の終り」で第37回日本アカデミー賞新人俳優賞に輝いた。2014年公開の「白ゆき姫殺人事件」「そこのみにて光輝く」で第88回キネマ旬報ベスト・テンなど数々の映画賞にて主演男優賞を受賞。9月17日に李相日監督作「怒り」、9月22日に「闇金ウシジマくん Part3」、10月22日に「闇金ウシジマくん ザ・ファイナル」の公開を控えている。
忽那汐里(クツナシオリ)
1992年12月22日生まれ、オーストラリア出身。2006年に第11回全日本国民的美少女コンテストで審査員特別賞を受賞し芸能界デビュー。2014年には「許されざる者」「つやのよる ある愛に関わった、女たちの物語」で第37回日本アカデミー賞の新人俳優賞を獲得した。そのほかホウ・シャオシェンがメガホンを取った「黒衣の刺客」、日本・トルコ合作「海難1890」、ウェイン・ワン監督作「女が眠る時」など、国内外の作品に意欲的に出演している。
スタイリスト / 富田彩人(綾野剛)、髙山エリ(忽那汐里)
ヘアメイク / 石邑麻由(綾野剛)、山田典良(忽那汐里)