決定稿までの間をつなぐ情報が大事（坂口）

──坂口さんは映画での単独主演は本作が初めてですが、座長を務めて、ご自身の中で何か変化はありましたか？

坂口　撮影中にやることは、ほかの現場と変わりはなかったです。でも、自分が現場に入る前にしていた準備を、共演してくださる俳優部の方々に共有することが重要なんだなと実感しました。

──というと？

坂口　台本を渡されてすぐに芝居、となる作品もあるんですが、準備稿から決定稿に至るまでの流れを知っておかないとわからないこともあると思うんです。今回、準備稿より前のものから読ませていただいて、いろんな取捨選択を経て完成するまでの経緯を知っていたので、決定稿までの間をつなぐ情報が大事だなと思い、共通認識というかイメージの共有をさせていただいたりしました。

──なるほど。今度は永野さんにお聞きしたいんですが、瞳という役はこれまで演じられてきたどのキャラクターとも異なっているように感じました。彼女を演じるうえで意識したことはなんでしょうか？

永野　ものすごく難しい役でした。キャラクターを作り込むのも違うし、何が正解なんだろうかって思いながら現場に入ったんです。二面性がある子なので、感情と表情が一致していなくてもいいと考えていましたが、事件の現場で起きたことにはリアルに反応する感性は絶対持っていたいなと思っていました。ですから、ほかのキャストの方や監督、とにかく“自分以外の誰かが見る自分”を想像して、演技をしていました。瞳は感情だけで動くキャラじゃないので、今までにない頭の使い方をしましたね。

やっちゃいますか？ 恋愛映画（永野）

──お二人は2015年公開の「俺物語!!」に続いて、今回が2度目の共演でしたね。もし、3度目があるとしたら、次はどんな作品がいいですか？

坂口　「俺物語!!」のときって、変な関係だよね。僕が演じた砂川（誠）からしたら、（永野が演じた）大和は親友の好きな人で、直接つながっている関係ではないし。今回もそうだけど、お互いがストレートに相手のことを考える役って今までないよね。なんだろうね？ 次は。

永野　え、やっちゃいますか？ 恋愛映画……（笑）。

坂口　自分で言っておいて笑わないでくれる？（苦笑）

永野　でも、不思議な感じがするでしょうね。ここの2人が想い合ってる役とか。

坂口　僕は大丈夫、すぐできますよ。

永野　嘘だ！（笑）

坂口　いや、でも確かに不思議な感じはするだろうね。例えば兄妹ものだったらなんとなくイメージできるけど、恋愛ものは全然イメージできないから、面白くなるかもしれないね。

永野　いざ見つめ合ったりとかしちゃったら「ちょっと、見ないでもらえますか？」とか言っちゃいそう（笑）。

坂口　だから、笑わないでって！

永野　でも、変に構えないで恋愛映画でご一緒できるのはいいですね。

──（笑）。最後になりますが、お二人からファンの皆さんに鑑賞のポイントをお願いします。

坂口　速水や瞳と一緒に、体感しながら謎解きをしてほしいです。実際にその場にいるような感覚で楽しめる作品だと思うので、劇中の謎やトリックにどんな反応をしていただけるか楽しみです。1回観てあらすじを知ったあと、もう1回観ていただくと「ここがこうなってたんだ！」「このシーンがここにつながるのか」と、別の楽しみ方ができます！

永野　すごくいいコメント……。私もそう言ったことにしていいですか？（笑）