「犬部!」林遣都、中川大志、大原櫻子、浅香航大が明かす、犬たちとの幸せな日々 わんにゃん写真ギャラリーも

林遣都と中川大志が共演した「犬部!」が、7月22日に封切られる。

片野ゆかによるノンフィクション「北里大学獣医学部 犬部!」を原案とした本作は、青森・北里大学に実在した動物保護サークル・犬部をモデルに、獣医学生たちが動物を守るため奮闘する日々とその後の人生を描く物語。林が周囲から特異扱いされる超犬好きの主人公・花井颯太、中川が颯太の相棒で心優しい同級生・柴崎涼介を演じ、犬部の後輩メンバーである佐備川よしみに大原櫻子、秋田智彦に浅香航大が扮した。

映画ナタリーでは本作の公開にあわせて、主要キャストの林、中川、大原、浅香にインタビュー。「動物保護」をテーマにした本作への思いをはじめとして、役へのアプローチ方法、試行錯誤を繰り返したという動物たちとの撮影エピソードなどを語ってもらった。なお劇中に登場した犬や、大原が「かわいすぎませんか、この子!」と夢中になった生後3カ月の猫のフォトギャラリーも掲載する。

取材・文 / 熊谷真由子 撮影 / 曽我美芽

勇気ある活動をし続けてきた若者たちがいた(林)

──まず原案となったノンフィクションや脚本を読んだときの感想をお聞かせください。

林遣都 実際にあったサークルの存在や、僕が演じた花井颯太のモデルになった太田(快作)先生のことは知らなかったのですが、勇気ある活動をし続けてきた若者たちがいたと知り、とても素晴らしい題材だと思いました。

「犬部!」より、林遣都演じる花井颯太(左)と中川大志演じる柴崎涼介(右)。

中川大志 僕は太田先生のドキュメンタリー映像を観て、保護活動について初めて知ることが多かったので、自分自身も犬を飼っている身としては刺さるテーマでした。この作品と役を通してこういう方々の存在を知ってもらえる機会になったらいいなと思いました。

大原櫻子 脚本を読む前は「犬部」というからには毎日、犬と一緒にいる楽しい話なのかと思っていたら、テーマはとてもシリアスで考えさせられるものでした。この作品に出ること、演じることの責任があるので、ある意味プレッシャーもすごく感じましたね。

浅香航大 僕も「犬部」の存在は知らなかったんですが、脚本を読んで初めて知ることがたくさんありましたし、青春ものとしてのヒューマンドラマもしっかり描かれていて感銘を受けました。

──皆さんは「犬部」創設メンバーを演じられましたが、役作りはどのようにされましたか?

 颯太のセリフや考え方は、モデルとなった太田先生がすごく投影された役なので、実際にお会いする機会を設けていただいて。太田先生が放つ、命を救ってきた人にしかないオーラやにじみ出るエネルギーが颯太から感じられればと、そこを意識していました。

──確かに颯太にはみんなを巻き込むエネルギーがありますよね。

 それくらいすごい人を演じさせていただいたのでプレッシャーでもあり、同時にこんなにかっこいい人を演じられることも純粋にうれしかったです。

中川 颯太がエネルギッシュで感情に素直に突き進んでいくタイプなのに対して、僕が演じる柴崎は物事の先のことも見据えているタイプで、お互いサポートし合えるんですよね。柴崎が颯太の強さを信じているからこそ、柴崎も自分には何ができるのか考えさせられる。いいライバルの関係性になればと考えていました。

大原 学生時代のよしみは猫が大好きという気持ちが強くて、動物のお世話が楽しくて仕方ない元気印の女の子ですが、大人になってからは猫のワクチンを研究する1人の人間としての成長を見せます。先輩のあとを付いて行くのではなく、能動的に動物の命について考える姿勢に変化しています。

浅香 秋田はどちらかと言えば組織的な人間で、現実と理想の狭間にいるんですけど、少しずつ気持ちが動いていきます。社会人になってから久々に颯太に出会ってまた影響を受けて、やれることを模索していく。そんな姿を意識していました。

 同世代の青春を描く作品が僕は久しぶりだったので、撮影中は楽しくて。皆さん動物好きですし、動物保護だけでない、青春要素も話し合いながら、大事に演じていこうという思いはみんなで共有していました。

先輩感を出さなくても大丈夫でした!(中川)

──皆さん、年齢はバラバラですが同じ大学にいることに違和感がありませんでした。

中川 (浅香のほうを向いて)劇中では僕の後輩役ですもんね。

大原 あははは(笑)。

浅香 そうだよー。

中川 実際の年齢は僕が23(歳)で歳下なのに先輩なんです。

大原 私が25歳で。

中川 2人(大原と浅香)が後輩感を出してくれたから、僕はそれほど先輩感を出さなくても大丈夫でした!(笑)

浅香 この4人でお芝居をするときは学生時代からの和気あいあいとした雰囲気を大切にしていたし、遣都さんがアドリブをぶっ込んできてくれて(笑)。動物がいたのも手伝って現場の雰囲気はすごく和やかだったよね。

──皆さんでセリフについて意見交換などされて話し合ったそうですね。

林遣都とちえ。

 「犬部」を創設したあとの点描があるのですが、4人の関係性ができていないといいシーンにならないだろうと思っていたんです。でも航大が勝手にイジられキャラになってくれて(笑)。

浅香 勝手にって!(笑)

中川大原 あはははは。

 劇中の冒頭では、颯太は秋田とは敵対する立場で、そのあとで仲間になるので、過去のことを「根に持ってるよ」とか言ったりして(笑)。でも航大もそういうセリフにきちんと返してきてくれて、気付いたらムードメーカーになってくれていました。

浅香 いやいや!

 だから航大がいると自然と和気あいあいとなります。

大原 (篠原哲雄)監督が役者のアドリブも「いいねいいね」って言ってくださるから。

 そう、役者に委ねてくださるので。

大原 だから私は颯太と秋田のやり取りがすごく好きでした。

浅香 いや、俺は必死でしたよ。遣都さんがいろいろとぶっ込んでくるから。リアクションするために身構えてましたもん(笑)。

 颯太はけっこうジョークも言いますし、独特のテンポがあってちょっと変わった人なので、コミュニケーションの取り方も意識して印象付けていたところはありました。観る人に「あの人、なんなんだ?」と感じてもらえたらいいなと思っていて、颯太をそういうキャラクターにさせてくれたのが航大です。