MARIEの変身シーン、めちゃめちゃテンション上がりました
──楽しみにしておきます。改めてFINALシーズンについてもお聞きしたいんですが、現状では言えないことも多いと思います。とはいえティザーPVだけでもかなりの情報量ですね。
出てる側の立場になってティザーを観ると「あっ、そういうつまみ方するんだ」とは思いました。どこをチョイスするのかっていう選択肢はいろいろある中で、面白い予告だなと。不穏に見せてくれてるティザーだなと思います。「ウルトラセブン」みが増したというか。
──シーズン2はわりと「敵をみんなで倒すぞ!」という明るくシンプルなお話でしたが、FINALシーズンはティザーで「正義とは何か?」「ヒーローとは何か?」「ウルトラマンとは何か?」とテロップが出てきて、テーマが重くなりそうです。ULTRAMANが暴走しているかのような描写もありますね。
ウルトラマンの在り方、正義の在り方というのは、実写の「ウルトラマン」シリーズ含めてずっとテーマとして語り続けられてることだと思うんですけど、FINALシーズンも、最後までそれと真正面から向き合う作品になってると思います。“ウルトラマンという暴力”を、シーズン1とも違う色味でどう描くか。
──ティザーの最後には、MARIEのスーツも出てきます。
MARIEの変身シーン、よかったですね!
──「ULTRAMAN」のスーツ装着シーンって原作とも違って、装甲が少しずつ装着されていくという特撮とアニメが混ざったようなものですよね。でもMARIEの変身は女性のボディラインぽいシルエットが映されるという、「キューティーハニー」などから続く、女の子アニメの伝統的な変身シーンの要素がありましたね。
あの変身はほかのキャラのスーツ装着とも違って、「やってくれたな!」ってめちゃめちゃテンション上がりました。急に世界観を変えてきたから、温度差で風邪引くかと思った。よくわからないけど最高でしたね(笑)。そもそもMARIEはビジュアルとして勝ちすぎてる。「ワンダーフェスティバル」(フィギュアイベント)でMARIEのフィギュア原型も見ましたけど、それも出来がよかったです。
全世界を相手にするという覚悟とチャレンジ
──FINALシーズンからはメフィストやバルキュアといった新キャラクターが何体か出てくるのも注目ポイントです。
バルキュアは原作でも小悪魔的な、トリックスター的ないいキャラですよね。キャラクタービジュアルもかわいいし、アニメでも進次郎たちを振り回してくれています。バルキュアって声はM・A・Oちゃんですよね? (「ウルトラマントリガー」の)マルゥルと同じ人がやってると思うと、改めて声優さんってすごいですね。
──マルゥルはかわいいキャラでしたけど、バルキュアはセクシーな悪役です。
バルキュアはアクションもすごかったですね。バルキュアの動きとしてアクションアクターの人たちが芝居を作って、戦いのニュアンスを作ってると思うと、「ULTRAMAN」という3DCGアニメは総合芸術なんだなって。バルキュアとタロウが戦ってるシーンは見ものですよ。アクションをコーディネートしてる側としても手応えあったんじゃないかな。
──あれはすごかったですね。特に肉弾戦のアクションが印象に残りました。
これができるからアニメは強いなって思いました。少年の頃にバトルもののアニメを観て「もっとこうなったらいいな」と思ってたんですけど、その「こうなったら」をやってくれてるなっていう。戦闘以外のドラマパートはドラマパートでしっかり作ってますし。CGの景色も増えて街も広がってるし、「ウルトラQ」とか「怪奇大作戦」みたいなサスペンス要素もある。FINALはやっぱり気合いが違うなって感じました。観た人には純粋にすごさを堪能してほしい。それぐらいアニメとしてすごいものができてる。アフレコやったときは映像がまだ全部できあがってなかったんですけど、ちゃんとできたのを観たら「きもっ!」って(笑)。
──「きもっ!」?(笑)
すごすぎて気持ち悪い(笑)。しかもそれが単発の映画でもなく、12話もあるんですよ。あとは「ULTRAMAN」って音楽もめちゃめちゃいいです。サントラが欲しいですよ。
──アニメ・実写のウルトラマン両方に関わってる青柳さんから見てもとにかくすごいと。
やっぱりアニメ「ULTRAMAN」は壮大さがあるじゃないですか。作り手の気合いが違うっていうのももちろんそうだと思うんですけど。前提として全世界に向かってる、全世界を相手にしていくっていう覚悟とチャレンジ精神があるから、そもそも土俵が違うんでしょうね。「日本の6割の人に観てもらいたい」「これぐらいのシェアでいいや」じゃなくて、「全世界の8割に喜んでもらう作品を作るぞ」っていう。そういう思いで作ると、積み重ねる要素の1つひとつがより重厚感を増していく。絵作りだけ見ても、ここで変なものを作ったら自分のキャリアがどれぐらい傷付くかっていうことがみんなわかってるんだと思います。エンドロールに並んでいる名前は、そういう覚悟がある人たちの名前なんだなって。全部がマジでうらやましいですけど、うらやましがってばかりじゃなくてまた実写でより面白いものを作りたい、がんばろうっていう刺激にもなったし。実写の「ウルトラマン」でも世界と戦えるものができたらいいですよね。「シン・ウルトラマン」もあったけど、テレビシリーズを支えてきた「ウルトラマン」もあるから。「ULTRAMAN」はこれでFINALで、プロデューサーは暇になるだろうから、新しい企画ができないですかね(笑)。
──最後にFINALシーズンを観る人に向けて、期待を煽るような一言をいただければ。
夢中で何かを見続ける、楽しい時間になるんじゃないかと思います。全12話、一気見視聴をお勧めします。
──青柳さんも一気見でした?
一気見でした。一挙配信だし、すぐに観ないと変なネタバレ踏むから一気見のほうがいいですよ(笑)。でも気付いたら自然と一気に観ちゃう気がするんですよ。なんだろう、今回は特に話のまたぎがうまいのかな。続きが気になる回が多いです。本当に面白いんで12話一気に観てください。青柳も出てるので。そして語り合いましょう。
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プロフィール
青柳尊哉(アオヤギタカヤ)
1985年2月6日生まれ、佐賀県出身。2016年放送の特撮ドラマ「ウルトラマンオーブ」では主人公の宿敵ジャグラス ジャグラー役の怪演が話題となり、同役で「劇場版 ウルトラマンオーブ 絆の力、おかりします!」「劇場版 ウルトラマンジード つなぐぜ! 願い!!」にも参加。2020年放送の「ウルトラマンZ」では、対怪獣ロボット部隊・ストレイジのヘビクラ ショウタ隊長として出演し、ヘビクラの正体がジャグラスであることも話題に。そのほかの出演作に「燃えよ剣」、NHK大河ドラマ「青天を衝け」など。4月14日に公開される「妖獣奇譚 ニンジャVSシャーク」にも出演する。
青柳 尊哉 - TACHI PRO,INC. | 舘プロ オフィシャルサイト
青柳尊哉 (@takaya_aoyagi) | Twitter