映画「鋼の錬金術師」が12月1日に全国で公開される。全世界でのシリーズ累計発行部数が7000万部を超える荒川弘によるマンガを、「ピンポン」の曽利文彦がVFXを駆使して実写化した本作。山田涼介(Hey! Say! JUMP)が主人公のエドを演じ、本田翼、ディーン・フジオカ、蓮佛美沙子、大泉洋、佐藤隆太らがキャストに名を連ねている。
この特集では、エドとアル兄弟の前に立ちふさがるホムンクルス(人造人間)に扮した松雪泰子、本郷奏多、内山信二に取材を行った。ラストを演じるにあたり冷徹さとエロティシズムを意識したと語る松雪のソロインタビュー、撮影時はほぼ2人でいたというエンヴィー役の本郷とグラトニー役の内山による対談をお届けする。
取材・文 / 小澤康平 撮影 / ツダ商会
松雪泰子インタビュー
ラストは悲哀と哀愁を兼ね備えたキャラクター
──「鋼の錬金術師」のことはオファーがある前からご存知でしたか?
もちろんです。マンガが家にあって、もともと読んでいました。人間の精神の深い部分が描かれており、大人にも読み応えのあるマンガだなという印象を持っていましたね。
──では自身が演じたラストの存在も知っていて。
ええ。今回オファーをいただいて改めて原作を読み返したんですが、ラストは悲哀と哀愁を兼ね備えているのでキャラクターとしてすごく魅力的だなと。
──「デトロイト・メタル・シティ」「容疑者Xの献身」など、これまでも原作のある映画に出演されていますが、毎回キャラクターを分析したうえで撮影に臨むんでしょうか。
そうですね。特に今回は世界中にファンがいる作品ということもあって、原作の人気キャラクターであるラストを、どこまで自分が体現できるのかという挑戦でもありました。
──そのために何か行ったことはありますか?
ラストは肉感的な体を持っている女性なので、もっと肉を付けなければいけないということから始まりました。普段から体幹トレーニングなどをやってはいるんですが、もっと強化して体重を増やす必要があると。撮影ではヒールを履いてのアクションが多かったので、トレーニングを積んでおいてよかったです。
普段よりもエネルギーを使った撮影現場
──それでは撮影についても伺えればと思います。あとからCGが加わることを想定しての芝居は難しかったのではないでしょうか。
想像力を働かせる必要はあったんですが、ないものをあるかのように演技するのは役者としてベーシックなことでもあるんです。例えば舞台の演技で、マイムなどの手法はよく使うものではあるので。
──なるほど。それでは普段の撮影と大きく違っていたわけでないと。
そうですね。ただ予定していた位置や角度が少しずれると、あとからCGを乗せるときに不自然になってしまうんです。それを曽利さんが一番わかっているから、シーンごとの絵コンテが細かく用意されていました。ラストは爪を伸ばして攻撃するキャラクターなので、指がどこからどこまで伸びるから、この角度で腕を振ろうという調整をして。
──そんなに細かいところまで……。
普段よりもエネルギーを使う現場ではあったかもしれないです。でも私よりも山田(涼介)くんのほうが大変だったと思います。現場では見えないアルを相手にアクションを行うわけですから。すごいなと思いながら見てました。
──エド役の山田さん、ホムンクルス(人造人間)を演じた本郷奏多さんや内山信二さんとは現場で話す機会はあったんですか?
何度か一緒になったのですが、私含めて皆さん現場では集中していたのであまり話さなかったですね。それにずっとラストの格好をしていたので、気軽に話しかけたら怖いかなと思って(笑)。
エドとアルの愛情や成長、そして未来はどうなっていくのかが描かれる
──CGが加わった本編を観たときの感想はいかがでした?
原作の壮大な世界観をよくここまで表現されたなと感じました。エドとアルの愛情や成長、かつて2人に何が起きて、そこからどう未来につながっていくのかという部分がきちんと描かれてますよね。やっぱり曽利さんすごいなと。
──最後に松雪さんが演じたラストの見どころを教えてください。
いろいろあるんですが、殺傷能力の高そうな殺気ですかね。あとは冷徹さの中にエロティシズムを同居させているので、そちらにも注目していただけると。
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本郷奏多×内山信二 インタビュー
- 「鋼の錬金術師」
- 2017年12月1日(金)全国公開
- あらすじ
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幼い頃に最愛の母親を亡くした兄エドと弟アル。彼らは母親を生き返らせるため、錬金術における最大の禁忌(タブー)・人体錬成に挑んだ。しかし錬成は失敗に終わり、エドは左脚を、アルは身体のすべてを代価として失ってしまう。瀕死のエドはとっさに再錬成を行い、自分の右腕と引き換えにアルの魂を鎧に定着させることに成功した。それから数年後、鋼鉄の義肢を装着し国家錬金術師となったエドは、奪われたすべてを取り戻すためにアルと旅を続けている。
- スタッフ
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- 監督:曽利文彦
- 原作:荒川弘「鋼の錬金術師」(「ガンガンコミックス」スクウェア・エニックス刊)
- キャスト
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- エド:山田涼介
- ウィンリィ:本田翼
- マスタング:ディーン・フジオカ
- ホークアイ:蓮佛美沙子
- エンヴィー:本郷奏多
- マルコー:國村隼
- コーネロ:石丸謙二郎
- グレイシア・ヒューズ:原田夏希
- グラトニー:内山信二
- ロス:夏菜
- タッカー:大泉洋(特別出演)
- マース・ヒューズ:佐藤隆太
- ハクロ:小日向文世
- ラスト:松雪泰子
原作第1話の試し読みはこちらから
©2017 荒川弘/SQUARE ENIX ©2017映画「鋼の錬金術師」製作委員会
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プレゼント
映画オリジナル・クラッチバック 10名様
期間
11/27(月)~12/11(月)
- 松雪泰子(マツユキヤスコ)
- 1972年11月28日生まれ、佐賀県出身。1993年に放送されたテレビドラマ「白鳥麗子でございます!」でブレイクを果たす。主演を務めた2006年公開作「フラガール」では日本アカデミー賞の優秀主演女優賞に輝き、その後「デトロイト・メタル・シティ」「容疑者Xの献身」「古都」など数々の映画に出演した。現在は舞台「この熱き私の激情~それは誰も触れることができないほど激しく燃える。あるいは、失われた七つの歌」に出演中。2018年4月より放送されるNHK連続テレビ小説「半分、青い。」にもキャストとして参加している。
ドレス:Hanae Mori manuscrit(ハナエモリ マニュスクリ)
ピアス:Forevermark(フォーエバーマーク)
2017年12月8日更新