映画ナタリー Power Push - 「スタジオジブリ大解剖」長編23作品を網羅したムックを紹介
もう一度ジブリに会いたい!!
高畑勲、宮崎駿らの劇場アニメーションの傑作を次々と生み出してきたスタジオジブリ。その国民的スタジオの魅力を紐解くムック本「スタジオジブリ大解剖」が本日9月15日に発売された。
誌面では1985年のスタジオ設立前夜に制作された「風の谷のナウシカ」から、9月17日に封切られる「レッドタートル ある島の物語」までの全劇場公開長編作を網羅。作品別にまとめるのではなく、テーマを設け横並びに紹介することで個々のキャラクターや風景、メカの独創性を見せる。またバージョン違いを多数収めたポスターギャラリーや、感動シーンがよみがえる名セリフ集、そしてプロデューサーの鈴木敏夫をはじめ作品を支えたスタッフたちのインタビューなども収録。映画ナタリーでは、読み進めるにつれてもう一度ジブリ作品を観たくなるこのムック本を紹介していく。
文 / 伊東弘剛
短編アニメーション「岸辺のふたり」のマイケル・デュドク・ドゥ・ヴィットが監督を務めたスタジオジブリ初の日本・フランス・ベルギー合作アニメーション。無人島に漂着し、脱出できず絶望的な状況に追い込まれた男と、彼が出会う1人の女との交流を繊細に描き出した本作は、第69回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門にて特別賞に輝いた。本誌では監督のデュドク・ドゥ・ヴィットやアーティスティック・プロデューサーの高畑勲のインタビュー、カンヌ国際映画祭のレポートを収録。また特典として本作の両面ポスターが付属する。
- 「(カンヌ国際映画祭の上映後の)皆さんのスタンディングオベーション! すごく嬉しかったですね。カンヌへ来て本当に良かったです。この映画は最初にマイケルにお願いしてから、かれこれ足掛け10年になります。10年も掛かると、感慨もひとしおです」
- 「観ていただくとわかると思うんですが、この映画は人生を丸ごと描いた映画だと思っています。特に女性。女性が偉いっていう映画だと思うんですね。逆にいえば、男はついでに生きているというか…。そういう意味でこれは、物事の本質をついた映画だと思うんです。今、こういう映画を、フランスはもちろん、日本でも封切ることができるというのは、いろいろな意味で良い気がしています」
※第69回カンヌ国際映画祭マスコミ向け懇親会でのコメントを抜粋