劇場アニメ「ガールズ&パンツァー 最終章 4D~第1話+第2話~」のMX4D / 4DX上映が10月11日からスタート。全6話構成の「最終章」では、ある事情から「無限軌道杯」に出場することとなった大洗女子学園チームの奮闘を描く。第1話と第2話をあわせて行われる今回の4D上映では、知将・マリー率いるBC自由学園と火花を散らした1回戦や、続く2回戦の模様を大迫力の演出とともに追う。
映画ナタリーでは、「ガルパン」シリーズを愛してやまない著名人4名にアンケートを取り、思い入れの深い名シーンや各々が考える“さいきょうの4D上映”を聞いた。「ガルパン」ファンたちの熱い意見を参考に、実際の上映ではどんな演出が施されるのか予想してみてはいかがだろうか。
文 / 佐藤希
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岩井勇気(ハライチ)
- 「最終章」第1話、第2話の感想
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出てくる戦車や専門用語を、ずっとなんとなくしか把握してないが「ガールズ&パンツァー」はテレビシリーズも劇場版もめちゃくちゃ面白かった。なので初めての人も最終章から観ても面白いアニメ。大洗女子学園が王者になったガルパンの世界にまた新たな敵が現れ、クリアしたと思っていたゲームに裏面があった感じで、もう一度ワクワクさせてくれる。今までに出てきていないダークホースの対戦相手が不気味で強く、大洗女子が負けてしまうんじゃないかと過去最高にハラハラする。この臨場感、続きを劇場で観ない手はない。パンツァー・フォー!
- MX4D / 4DX版についての予想・妄想、期待する演出や特殊効果
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「ガールズ&パンツァー」はアニメにFPS(主人公目線で戦うシューティングゲーム)の臨場感を取り入れた革命的なアニメだと思っているので4D上映との相性は抜群のはず。視覚、聴覚ではなく五感全てを使える4D上映にガルパンの試合の臨場感が加わればVRを超えるくらいアニメの世界に入り込める気がする。今まで俯瞰で観ていたガルパンを、ついに戦車の中から楽しめる事になりそう!
- 「ガールズ&パンツァー」シリーズにおける好きなシーン
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「ガールズ&パンツァー 劇場版」にて、ずっとロシア語をしゃべっていたプラウダ高校のクラーラが、カチューシャを守る為「カチューシャ様お先にどうぞ。それではごきげんよう」と言い残し囮になる場面。クラーラの隊長への忠誠心が、戦車道にかける女子達の本気を感じさせてくれて作品の緊張感が高まった。最高に感動できるシーン。
- 岩井勇気(イワイユウキ)
- 1986年7月31日生まれ、埼玉県出身。幼稚園からの幼なじみ・澤部佑とお笑いコンビ・ハライチを結成し、ボケを担当。アニラジ「ハライチ岩井勇気のアニニャン!」パーソナリティーほか、「ハライチ岩井勇気のアニ番」などのレギュラーを抱える。2019年には俳優としてNHK「反骨の考古学者 ROKUJI」に出演した。TV Bros.でエッセイを連載し、小説新潮での連載をまとめた「僕の人生には事件が起きない」が発売中。
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小林勇貴
- 「最終章」第1話、第2話の感想
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戦車道! それは! 反体育会系の俺が、唯一楽しくできるスポーツ観戦!
主観と客観が入り乱れる丁寧で大胆なカメラワークの計算深さは「必要ないカットも撮るだけ撮って、編集部にオマカセしよう」という素人考えが跋扈する実写作品に実弾として打ち込みたいくらいです!
- MX4D / 4DX版についての予想・妄想、期待する演出や特殊効果
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最終章第1、第2話は全シーンがチェイスで戦闘で会話でそして音楽的で巧みに連動しています! この贅沢極まるエンターテイメントが、4D上映でどのように迫ってくれるのか楽しみで仕方ありません!
あ! 見てて閃いたのですが、俺の映画でもケンカに負けた不良のケツから白旗がシュポって出たらカッコ良さそうです! そういう創作的刺激を絶えず与えてくれる作品でもあります!
- 「ガールズ&パンツァー」シリーズにおける好きなシーン
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最終章1話のファーストカット。着弾する爆音からはじまり、長回しで周囲をぐるりと観せる間に「いきなし超ピンチじゃん!」と地獄絵図を見せつけて引き込ませる最高の演出。始めに何を映すのか?というエンタメの大原則を忘れた実写作品を全て鉄クズに変えたくなります!
- 小林勇貴(コバヤシユウキ)
- 1990年9月30日生まれ、静岡県出身。デザイン会社で働きながら自主映画「TOGA」「絶対安全カッターナイフ」を制作し、動画サイトに投稿する。「孤高の遠吠」でゆうばり国際ファンタスティック映画祭2016オフシアター・コンペティション部門のグランプリを獲得する。間宮祥太朗が主演を務めた「全員死刑」で商業映画デビューを果たす。以降、「逆徒」「へドローバ」などを発表。2019年11月22日には井口昇の「片腕マシンガール」をリブートした「爆裂魔神少女 バーストマシンガール」が封切られる。
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時雨沢恵一
- 「最終章」第1話、第2話の感想
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兎にも角にも、戦車バトルの多彩さに舌を巻きました(私も銃撃シーンが好きでいろいろなバトルを殺陣として自作中に描いてきましたが、やはりバリエーションが尽きてきて頭を悩ませるものなのです)。劇場版ですら何度も驚いたのに、さらに新しい戦車バトルの殺陣を見られるガルパン、たまりません。
個人的に琴線に触れまくったのは第2話の機銃曳光弾の表現と、(毎度毎度素晴らしい音響が産み出す)銃弾飛翔音です。曳光弾が美しいアニメはいいアニメだと、おばあちゃんが言っていました。間違いありません。
- MX4D / 4DX版についての予想・妄想、期待する演出や特殊効果
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まず、劇場のチケットを履帯の一コマにして、大変に重いことを実感させてください。そう、席に座る前から戦車道は始まっているのです。
主観映像が多い最終章でしたが、さらにエスカレートさせるために、可動席に座ると上から戦車内部を再現した謎の柔らか素材の蓋が下りてきて周囲を囲まれ、映像はペリスコープやスリットや照準器からしか見えないようにしてください。ただし、戦車長だけはハッチから身を乗り出すことを許可してください。
耳をつんざく爆音で上映するのは当然ですので、仲間達と感想を言い合えるように咽頭マイクとヘッドセットを用意してください。もちろん上映後は記念品として持ち帰れるように。
入場料がざっと十万円くらいになりそうですが、些細な問題ですね。
以上、妄想でした!
- 「ガールズ&パンツァー」シリーズにおける好きなシーン
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たくさんありすぎて困るくらいですが、1つを挙げるとしたら、劇場版でカール自走臼砲と戦った橋です。「タウシュベツ川橋梁」という、ダム湖に沈んだかつての鉄道橋がモデルだと思うのですが、北海道旅行中に2度ほど、すぐ近くまで行って見学したことがあります。作中で出てきたときは、とても感動し興奮しました(今でこそ林道走行許可やツアー参加が必要ですが、当時は普通に近づけたのが懐かしいです)。私もあそこで戦車を乗り回したい。女子高に入るしかない。しまった男子だった。誰かなんとかしてください。
- 時雨沢恵一(シグサワケイイチ)
- 1972年生まれ。「キノの旅」で2000年に作家デビューし、2019年現在も執筆が続くロングヒットとなる。著作には「一つの大陸の物語」シリーズ、「男子高校生で売れっ子ライトノベル作家をしているけれど、年下のクラスメイトで声優の女の子に首を絞められている。」など。2014年に「ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンライン」を発表し、2018年にテレビアニメ化された。ⅡⅤエージェント・クリエイター(※dwango発のオリジナルブランド。クリエイターのエージェント、オリジナルIPの創出などを発信している)。
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林家三平
- 「最終章」第1話、第2話の感想
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まさかあの?マークIVが赤城(※)の艦艇から発見されるとは。マークと聞くと、「インディ・ジョーンズ 最後の聖戦」に出てくるマークVII。その旧式が大洗で発見されるとは!! さすが大洗のヨハネスブルグ!! ちなみに新宿末広亭の近くに「どん底」というバーがあり、よく通っていました。戦車が森林で発見されたり、うさぎ小屋で発見されたり、なぜその場にあったのか(「スター・ウォーズ」のように)エピソードIを作ってほしいです!!
BC自由学園のフェイクはお見事。その際に放った「ソミュアS35とルノーB1bisって似てるよねー」、これは名言ですね。昔、パンター(V型中戦車)、ティーガーIIIとT-34って後ろ姿が似てるよなーと思ったことがあったので、私の心をバッチリつかみました。
※編集部注:大洗女子学園の学園艦は、旧日本海軍の航空母艦・赤城を一部モデルにしている。
- MX4D / 4DX版についての予想・妄想、期待する演出や特殊効果
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砲弾を発射した時の車内の熱風を4Dで体感したいです。
また、以前バンダイナムコの方とお話をさせていただいた際、「ドイツのティーガーI号とIII号とではエンジンの音が違う」と教わりました。音がサラウンドになればなるほどその辺が気になります。
ドイツ軍のパーツは純正で交換に時間が掛かりましたが、連合軍のタンクは、素早く戦線復帰できるように壊れた部品を友軍の部品で間に合わせられたそうです。
シャーマンから聞こえる英国製のキャタピラ音を、純正とは違う、実戦ならではの走行音を聞きたい!!です。
- 「ガールズ&パンツァー」シリーズにおける好きなシーン
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近年、ガルパンのおかげで大洗にて落語会をさせていただいております。大勢のお客様の中、必ず高座に上がる時には「パンツァー」と発すると客席の皆さんが「フォー!!」と大シュプレヒコール!! ここ大洗だけの文化であります。
いつも宿泊でお世話になるのは肴屋本店。アニメ第4話の市街戦でマチルダIIが突っ込むシーンが好きです。旅館のリビングにはマチルダをはじめとした戦車が多数あり、そのシーンもお願いすれば観せていただけました。料理も美味しいし最高です。
- 林家三平(ハヤシヤサンペイ)
- 1970年12月11日生まれ、東京都出身。本名、海老名泰助。七代目林家正蔵を祖父に、初代林家三平を父に持ち、中央大学国際経済学科入学後の1990年に林家いっ平として落語家の修業に入る。2002年に真打に昇進し、浅草芸能大賞の新人賞を受賞。2009年に二代林家三平を襲名した。大喜利メンバーとして「笑点」に出演するほか、茨城・大洗町でも定期的に落語会を開催している。
※記事初出時、プロフィールの一部に誤りがありました。お詫びして訂正します。
2019年10月10日更新