中川大志が主演、「虹色デイズ」「ステップ」の飯塚健が監督を務めたミステリー「FUNNY BUNNY」が4月29日に公開される。原作は2012年に上演された飯塚のオリジナル戯曲「FUNNY BUNNY -鳥獣と寂寞の空-」と、同じく飯塚による小説「FUNNY BUNNY」。公開同日よりauスマートパスプレミアムで配信も行われ、税込548円の月額料金だけで観ることが可能だ。同サービスはauユーザーに限らず、スマートフォン・タブレットを持っているすべての人が利用できる。
映画ナタリーでは中川と飯塚にインタビューを実施した。中川のカメオ出演を含めると、2人がタッグを組むのは今作で6回目。クリスマスに一緒に牛タンを食べたこともあるという中川と飯塚の関係はどのように築かれていったのか? また、飯塚が考える中川の俳優としての魅力、劇場公開と同日に配信スタートという取り組みにも言及している。
なお後日、中川と共演者の関めぐみの対談も掲載する。
取材・文 / 小澤康平 撮影 / 後藤壮太郎
クリスマスに2人で牛タンを食べたんです(飯塚)
──中川さんのカメオ出演を含めると、お二方がタッグを組むのは今作で6回目になります。俳優・監督として信頼し合っている証拠だと思うのですが、どのようにして今の関係が築かれたのでしょうか?
中川大志 最初はドラマの「REPLAY & DESTROY」(2015年放送)ですよね? ゲストで出演させてもらって。
飯塚健 それが出会いですね。オーディションに大志が来たときは16歳くらいだったんですけど、そのときはたぶんすげえ怖い人だと思われてました。
中川 (笑)。オーディションで初めて監督と会って、山田孝之さんといった先輩たちがいる現場に参加させていただくことになりました。短い時間だったんですが、監督と話しながらの撮影が楽しかったのは今でもよく覚えてます。
──その後、中川さんは「全員、片想い」「虹色デイズ」など飯塚監督の映画に出演します。監督は中川さんのどんなところに魅力を?
飯塚 合う部分と合わない部分がちょうどいいんです。まったく合わなくても合いすぎても発展していかないと思うので。大志は昔から「こうしたいです」という意見を伝えてくれるし、僕としても言いなりになってくれる人は求めてなくて自分の発想を持っている人が好きだから、俳優と監督として健全に仕事ができると言いますか。そのキャッチボールをずっと続けていたら自然と今の関係性になっていました。
中川 僕は監督の頭の中に興味があるんです。もちろん役や作品をこういうものにしたいという思いを持って撮影に臨みますが、自分の脳みそでは到底思い付かないことが起きるので、それがすごく楽しくて。思いもよらないところに連れて行ってもらえる感覚を毎作品楽しみにしています。
飯塚 あと、「ステップ」を撮る前に「そろそろ飯行こう」と話したことがあったんですが、大志が提案してきた日程がクリスマスだったんですよ。なんでクリスマスなんだ?と思いつつ、結局25日に2人で牛タンを食べたんです(笑)。映像化は決まってませんでしたが、そのときに「FUNNY BUNNY」の話もしました。
中川 それより前に監督から小説はいただいていて。いつか形にしたいですね、という話はちょこちょこしていました。
2021年4月27日更新