ブラムハウス・プロダクションズの新作「ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ」が2月9日に全国で公開される。本作はスコット・カーソンが手がけた同名のゲームを原作としたサスペンスホラー。夜間警備の依頼を引き受けた主人公・マイクは、レストラン「フレディ・ファズベアーズ・ピザ」で働くことに。かつては機械仕掛けのマスコットたちが人気を呼んだ同店だが、1980年代に子供たちが謎の失踪を遂げ、現在は廃墟と化していた。マイクはここで夜を過ごすうち、説明のつかない出来事に遭遇する。
映画ナタリーでは、ホロライブ所属のVTuber・兎田ぺこらにインタビューを実施。配信ではホラーゲーム実況を行い、映画も好きな彼女は、「ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ」の原作ゲームも知っていたことから、この映画版に興味を持っていたという。ホラー好きだが怖がりでもある兎田は、ゲーム版については「実況配信を観ていたものの、怖すぎて途中でリタイアした」とのことだが、映画にはどんな感想を抱いたのか。
取材・文 / 松本真一
原作は世界中で大ヒットしたホラーゲーム
原作の「ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ」は、2014年8月に1作目がリリースされたホラーゲーム。主人公のマイクは廃墟と化したレストランで夜間警備員として働くが、店内に配置された巨大マスコットたちが勝手に動き出すという恐ろしい事態に遭遇する。プレイヤーは警備員室からカメラを通して店内を監視し、マスコットが警備員室に近付いてくるとドアを閉じて防御するというシンプルなシステムだが、1夜が約10分程度という、配信やプレイ動画に適したスタイルもあって人気を博し、大ヒットを記録。これまでに多くの続編やスピンオフ、小説版などが製作された。開発者のスコット・カーソンは、映画版にも製作・脚本として参加している。
ブラムハウス作品史上、最高の興行収入記録を樹立
本作を製作したのは、「パラノーマル・アクティビティ」「透明人間」「M3GAN/ミーガン」など数々の絶叫映画を生み出し続ける製作会社・ブラムハウス。映画化の話が舞い込み、カーソンは一度は警戒したというが、ブラムハウスの設立者であるジェイソン・ブラムが1年近く掛けてカーソンを説得。ファンが喜ぶ映画作りを重要視したブラムに対し、カーソンは「すごく熱心だし、当然ながら『ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ』ブランドの優れた管理人なんだ」と語っている。そうして製作された映画版は、全世界で2億8600万ドル以上を稼ぎ、ブラムハウス作品として史上最高の興収記録を樹立した。
怖くてかわいい、そしてリアルに動くマスコットたち
ゲーム版で重要な役目を果たし、映画のメインビジュアルにも配置されたのが、フレディ・ファズベアーズ・ピザ内に配置された機械仕掛けのマスコットたち。怖くてかわいいマスコットの制作方法として、スタッフ全員が「このスタジオしか考えられない」と名前を挙げたのが、テレビ番組「セサミストリート」や、映画「ダーククリスタル」「ミュータント・タートルズ」「ベイブ」などで知られるアニマトロニクスのパイオニア、ジム・ヘンソン・クリーチャー・ショップだった。監督のエマ・タミは「私はジム・ヘンソンがアニマトロニクス制作を手がけた映画やテレビで育ったから感慨深かったわ。彼らが生み出すキャラクターには魂が宿っているように見えて、とにかく素晴らしいと思う」と称賛している。
プロフィール
兎田ぺこら(ウサダペコラ)
2019年7月にホロライブ3期生としてデビューしたVTuberで、YouTubeのチャンネル登録者数は242万人(2024年1月現在)。企画配信やゲーム実況のほか、趣味の1つである映画をファンと同時視聴することも。兎年だった2023年は企業コラボやイベントを積極的に行う「全人類兎化計画」を1年間にわたり実施。配信プラットフォームを分析するWebサイト・Streams Chartsが発表した「2023年に配信がもっとも視聴された女性ストリーマーTOP10」では世界1位に選ばれ、その累計視聴時間は2970万時間に及んだ。
ホラーは怖いもの見たさでときどき観てしまうぺこ
──ぺこらさんは映画好きを公言されてますよね。「グレイテスト・ショーマン」は何度も観たということですし、配信で視聴者からお薦め映画を聞かれた際にも、かなり多彩なタイトルを挙げていました。改めて、どんな映画がお好きか聞いてもいいでしょうか。
小さい頃からアクション系の映画を観るのが好きぺこで、スパイ系だと「ミッション:インポッシブル」や「チャーリーズ・エンジェル」! 将来は自分もスパイになりたいなー! かっこいいぺこなー!!って思いながら観てました!(笑)。カーアクションだと「ワイスピ(ワイルド・スピード)」!!!! たくさんシリーズ化している「ワイスピ」ですが、新作は必ず映画館で観るくらいハマっているぺこ!!! カーアクションがかっこいいのは当たり前ぺこなのですが、仲間や家族との絆や協力するシーンだったり、人間関係も何もかも最高です! アクションではないのですが、友達に薦められて観た「ユージュアル・サスぺクツ」のようにラストに「ええええ!?」となる大どんでん返しがある系の映画も大好きぺこです。もう1度「あそこどうなってたっけ!?」って思いながら観返すのが、また楽しいぺこです。あとやっぱり外せないのは「ハリー・ポッター」!!!! 魔法があったらな……って何回も思ったり、この世界に行ってみたい!という、わくわくが止まらなかったのを覚えているぺこです。
──ホラー映画はどれぐらい観ていますか?
ホラーは苦手なものの、怖いもの見たさで、ときどき観てしまうぺこなのですが……。記憶に新しいものでいうと、「呪詛」という映画は話題にもなっていたぺこなので観ましたが、観なければよかった……って思わせるくらいめちゃめちゃ怖かったぺこです(笑)。視聴者側も巻き込んでくる映画、最高ぺこ! ほかにも「ドント・ブリーズ」はこっちが息をのむくらいドキドキしながら観ていた記憶があります。「救いはないぺこか!?」「最強すぎるだろこの老人……」って思ったぺこ(笑)。「クワイエット・プレイス」も、こんな世界は自分だったらとても生活できないぺこよな……と思いながら、そこでどう生き抜くのか、どう戦うのかわくわく感が止まらなかったぺこです! ぺこらはゾンビや人間の怖さを描いている映画はとっても好きぺこなんですが、日本のホラー映画だけ、どうしても苦手ぺこで……。
──それはなぜでしょう?
どうしてもリアルに見えすぎてしまって、いないのに本当はいるんじゃないぺこか!?と、どんどん考えすぎて怖くなっちゃうからぺこです(笑)。
──日本の幽霊や呪いはちょっと身近に感じてしまうんですね(笑)。ぺこらさんはホラーゲーム実況もたびたび配信されています。でも怖いことが得意なわけではなく、「苦手克服のためにやっている」と。
普段から少し怖がりなところもあるぺこなのですが、配信のおかげでホラー耐性は付いたほうだと思います! けど、ホラーといってもいろいろなホラーがあると思っていて、びっくり系のホラーはまだまだ苦手ぺこです……(笑)。
マスコットなのにまるで生きているみたいですごかったぺこ!
──今日観てもらった「ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ」は、まさにお化け屋敷のようにびっくりする仕掛け、いわゆるジャンプスケアが何度も連続するタイプの映画でしたね。
これも怖いもの見たさで、怖いけど……「観たい」が勝っちゃう感じぺこです(笑)。
──今回、ぺこらさんにお声を掛けさせていただいたのは、配信で「『ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ』の映画版を観たい」と発言されていたからなんです。
もともとゲームを知っていたぺこなので、それが映画化と聞いたときは「ええええ!? これは映画館で観たいーー!! 楽しみだあ」って思っていて。今回はまさかの試写会で先に観させてもらうことができてとってもうれしかったぺこです。
──ゲーム版はプレイされていたのでしょうか?
実はしっかりとやったことはないぺこです……! ゲーム内容はプレイ動画を観て知ってはいるぺこですが……(笑)。あまりの怖さに途中リタイアしています……!
──そうだったんですね。以前、同期の白銀ノエルさんに「罰ゲーム」と称してプレイさせようとしていたのは見たことがあります(笑)。
このゲームもびっくりする系なので、ノエルのいい反応が見られると思ったからぺこです!
──ゲーム版の実況配信をいつかお願いします! 映画版を制作したのは「M3GAN/ミーガン」「パラノーマル・アクティビティ」などを制作したブラムハウス・プロダクションズです。ブラムハウス作品はこれまでご覧になったことがありましたか?
M・ナイト・シャマラン監督の作品が好きで、「スプリット」が好きぺこです!
──「ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ」については、映画化を知ってどう思いましたか?
予告編を観たときから、どうやって生き残るのか、そもそも生き残れるのか……?と思いながら楽しみにしていましたぺこ! ゲームと同じで、監視カメラを見たりしてどうマスコットたちに対応するような内容なのかなって思いました!
──映画を実際に観てみていかがでしたか。
どういう部分がゲームと一緒で、どんな感じのお話になるんだろうなーって思ってたぺこなんですが、マスコットたちだけじゃなく、主人公たちの物語などもすごく濃くて面白かったぺこです!
──ゲームは一人称視点なこともあって主人公のキャラがほぼ掘り下げられないですが、映画ではかなり肉付けされていました。
あと怖いところがたくさんあって何度も目を手で隠しそうになりました(笑)。
──隠さずにちゃんと観ていただいてありがとうございます(笑)。登場人物の中で気になったキャラクターはいますか?
主人公のマイクと妹のアビーです! マイクは自分のトラウマだったり、今の環境だったりたくさんの問題を抱えている中で、トラウマに対応していこうとしている姿がすごくよかったぺこです。
──マイクを演じたジョシュ・ハッチャーソンのことは、監督のエマ・タミ、原作ゲームの開発者であるスコット・カーソンも絶賛していました(参照:ジョシュ・ハッチャーソンが演じた「FNAF」主人公像を監督とゲーム開発者が絶賛)。
アビーは不思議な子なんだなーって思いながら、マイクを慕っているところや、仕事場に行きたがるところがとてもよかったぺこです!
──映画の中で印象的なシーンは?
主人公のマイクが夢に見るトラウマのシーンぺこですかね……。
──マイクは幼少期に実の弟が行方不明になって以来、事件を忘れることができず過去にとらわれ、悪夢にさいなまれていました。
毎回、あの夢を見るのはつらいなって思います……。
──マイクのストーリーは映画オリジナル要素ですが、ではゲーム版にも登場する機械仕掛けのマスコットたちについてはいかがですか?
クオリティがすごすぎぺこ!!!! とってもかわいいぺこなんだけど、怖いシーンではしっかりと恐怖を演出してくれていて、このマスコットたちに襲いかかられたらやだぺこだなって思いました。
──あのマスコットを制作したのは「セサミストリート」のマペットを生み出したジム・ヘンソン・クリーチャー・ショップというクリエイター集団です。また操演には1カ月のリハーサルを行い、キツネのフォクシーは骨格がむき出しなデザインなせいかもっとも複雑で、顔・頭・体・腕・足を6人別々の人間が操っているそうですよ。
マスコットなのにまるで生きているみたいですごかったぺこです!
──ぺこらさんが所属するホロライブの配信者の中で、映画「ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ」を薦めるなら誰ですか?
3期生のみんなぺこ!!!!! きっとぺこら以上にびっくりすること間違いなし!!!!
──同期の不知火フレアさん、白銀ノエルさん、宝鐘マリンさんですね。特にノエルさんは怖がりですし。最後に、このインタビューをきっかけに映画に興味を持ってくれた野うさぎ(兎田ぺこらファンの呼称)さんたちに、どういうフレーズでこの作品をお薦めしますか?
「怖かわいいマスコットたちが襲いかかってくる!? このピザレストランから生き延びるぺこ!!」。