バグスターと言えども、結局もとは人間なんだな(小野塚)
──ではこのシリーズを締めくくる「仮面ライダーゲンムVSレーザー」の、お互いの見どころを1つ挙げるとしたら?
小野塚 もう彼は、本当に神みたいになっているので。空中に浮いてるじゃないですか(笑)。……バグスターって空飛べたっけ?
岩永 本当だよね。空中変身はどうしてもやりたくて、鈴村展弘監督にお願いしました。
小野塚 現場で「飛んでいいですか?」って聞いていて、何言ってるの?と思いましたよ(笑)。そんな、神化がますます進んでいる檀黎斗神を観てほしいです。それから黎斗も貴利矢も、バグスターと言えども結局もとは人間なんだなと思えるシーンがあって。いろいろな技を使ってきたけど、最後は醜いつかみ合いの喧嘩のような、男同士のぶつかり合いになる。もみくちゃになってすべてをさらけ出すような場面は、テレビシリーズ本編にも少なかったので、楽しみにしていただきたいですね。
岩永 僕のオススメも、最後に雨の中で2人が戦うシーンです。僕のほうが先にクランクアップしたので、現場で貴利矢のシーンは観ていなかったんです。完成版では弱っている感じが伝わって来て、本当にへとへとに見えたので……。最後の撮影があれだとは、本当にお疲れ様でした。
小野塚 本当に、お疲れ様って感じでしたよね(笑)。夜22時くらいに撮り始めて朝6時くらいまでかかったので、日が昇ってきてましたもん。
──あのシーンは、「仮面ライダーエグゼイド ファイナルステージ&番組キャストトークショー」のあとに撮影されたそうですね(参照:「仮面ライダーエグゼイド」笑いと涙のファイナルステージ「永夢が寛騎でよかった」)。
岩永 はい、最終公演の3日後くらいでした。
小野塚 ファイナルステージのときは、全然終わった気がしなかったですね。
──ファイナルステージの最終公演では、お二人も涙を流していたのが少し意外でした。
岩永 意外でしたね!
小野塚 僕も意外でした。
一同 (笑)
小野塚 この間ファイナルステージのDVDをいただいたので、観てみたんですよ。ステージで最後の挨拶をしてるときは、後ろを振り返ってみんなの顔を見たら、ちょっと(涙を)もらっちゃったんですよね。あと、(瀬戸)利樹の変な泣き方ね(笑)。
岩永 あー、あーって、溺れてる感じだったね。
小野塚 そうそう。なんだよそれ、みたいな泣き方で。あれがかわいくて泣いちゃった(笑)。
岩永 しゃべっているときはあんまり泣かなかった気がするんですけど、自分の番が終わってからがもう駄目でした。みんなの挨拶を聞いているときがキツかったです。同じ公演を15回くらいやってきたはずなのに、あの最終公演だけ別世界でしたよね。
小野塚 やっぱり、空気がちょっと違いました。
岩永 だって、普通だったら50分間もずーっと立ちっぱなしで話なんて聞けませんよね。よっぽど世界に入り込んでいたんだろうなって。
小野塚 本当にね。
貴利矢の消滅を代償として「エグゼイド」が盛り上がっていった(小野塚)
──そんなファイナルステージでは、主演の宝生永夢役・飯島寛騎さんに感謝の色紙を贈られていましたね。今回はせっかくお二人でご登場いただきましたので、お互いや各キャラへの感謝を伝えていただけたらと思うのですが。
小野塚 ゲンムがいたからこそ貴利矢の復活があったと思うので、本当に感謝しています。天敵やライバルというか、切っても切れない因縁のある相手がいたから、こういう形のVシネマでシリーズを締められましたし。それにもともと黎斗はこんなキャラクターじゃなかったのに、(岩永が)自分の力で今のポジションを作り上げていったというのは大きい。素直に役者としてもすごいなと思います。お疲れ様でした。
岩永 ありがとうございます(笑)。その神というキャラを主人公にして話を進めてしまうと、観ている方がまったく共感できないと思うんですよ。視聴者目線でストーリーを追える貴利矢くんというキャラクターがいたからこそ、こっちのヤバさも引き立ったんじゃないかな。バラバラだったドクターたちも、貴利矢くんが入ることでつながりが生まれ始めましたし。間を取り持ってくれる彼がいたからこそ、この「エグゼイド」全員の魅力が輝いたと思います。
小野塚 ありがとうございまーす。
岩永 ほっといたら絶対言わないような言葉も、彼は引き出してくれますよね。視聴者としては、「その言葉が聞きたかった!」みたいなことがたくさんあったと思う。
小野塚 やっぱり、クリスマス(貴利矢が消滅した2016年12月25日放送の第12話)が分岐点だったと思っていて。貴利矢の消滅を代償として「エグゼイド」第2シーズンが盛り上がっていったんじゃないかな。僕が外側から観ていても、あれ以降ゲンムの死やパラドの改心といったようにストーリーがどんどん加速して、ノンストップで駆け抜けていったので。
岩永 みんなフレッシュな「エグゼイド」の現場で、小野塚くんだけがお芝居に慣れていたんです。彼が言うように、貴利矢がいなくなっちゃった12話は、ストーリーとしてはどんどん盛り上がってきているときでした。第2シーズンはゲンム1人対多数の展開だったので、この流れを切っちゃいけないと思って、視聴者の方々を楽しませられるようにいろいろ考えましたね。大事な、勝負の時期だったんです。
小野塚 僕は最終的に、全45話でよかったのかなと思うんですよね。
──通年よりも約1カ月分少なめの話数でしたが。
小野塚 はい。「もうちょっと観たかったのに!」と思ってもらえるくらいがちょうどいいというか。「もうちょっと食べたかったのに」と思うくらいのもののほうが、また食べたくなるみたいな感覚です。このVシネマも1人1本の計6本やってしまうと、もうお腹いっぱいで「勘弁してもらっていいですか」って言われちゃいそうで(笑)。
一同 (笑)
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自分だけは黎斗を理解してあげられる存在でいよう(岩永)
- 「仮面ライダーエグゼイド トリロジー アナザー・エンディング 仮面ライダーゲンムVSレーザー」
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auビデオパスで配信中
配信終了日:
2018年4月22日(日)視聴料金:1389円
視聴可能期間:48時間
- ストーリー
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「劇場版 仮面ライダーエグゼイド トゥルー・エンディング」から2年。新ガシャット「ゴッドマキシマムマイティX」を手にした仮面ライダーゲンム / 檀黎斗が、最後のゲーム「ゾンビクロニクル」を仕掛けた。不死身のゾンビと戦うサバイバルホラーゲームと化した世界で、人々は未曾有のパニックに陥る。レベルビリオンに達したゲンムを止める鍵に気付いた仮面ライダーレーザーターボ / 九条貴利矢は、黎斗の父・正宗からある言葉を託され、1人ゲンムに立ち向かう……。
- スタッフ / キャスト
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原作:石ノ森章太郎
監督:鈴村展弘
脚本:高橋悠也
主題歌:貴水博之「Believer」
出演:岩永徹也、小野塚勇人、飯島寛騎、瀬戸利樹、松本享恭、松田るか、甲斐翔真、黒崎レイナ、柳ゆり菜、貴水博之
©2018 石森プロ・ADK・バンダイ・東映ビデオ・東映
- 岩永徹也(イワナガテツヤ)
- 1986年10月16日生まれ、長崎県出身。2009年から2014年までMEN'S NON-NOの専属モデルを務め、その後もモデルとして雑誌などで活躍。認定薬剤師、カラーセラピストトレーナーなど数多くの資格を持つほか、「JAPAN MENSA」会員でもある。「仮面ライダーエグゼイド」でテレビドラマ初出演を果たした後、現在は数々のバラエティ番組でも活躍中。1st写真集「Messenger」が好評販売中のほか、4月9日20時より放送のTBSドラマ特別企画「西村京太郎サスペンス 十津川警部シリーズ5」に出演する。
- 小野塚勇人(オノヅカハヤト)
- 1993年6月29日生まれ、千葉県出身。劇団EXILEメンバー。主な出演作に仮面ライダーレーザー / 九条貴利矢役を務めた「仮面ライダーエグゼイド」、キリンジ役を務めた「HiGH&LOW」シリーズがある。そのほかドラマ「碧の海~LONG SUMMER~」「ガリレオ」「朝が来る」などにも参加。出演する舞台「THE面接」が2018年4月12日より東京・三越劇場にて上演される。川栄李奈と共演した映画「恋のしずく」が2018年内に全国公開。