デジナタ連載 「ウルトラQ」片桐仁|画面から伝わる特撮の異様な熱量!ウルトラシリーズの原点を4K有機ELビエラで鑑賞

ウルトラマンシリーズの原点となった特撮テレビドラマ「ウルトラQ」。53年の時を経て最高の画質4K UHDでよみがえった「ULTRAMAN ARCHIVES ウルトラQ UHD & MovieNEX」が11月20日に発売された。「これから30分、あなたの目はあなたの体を離れ、この不思議な時間の中に入って行くのです……」という石坂浩二のナレーションで有名な本作は、地球と自然界のバランスが崩れたときに発生する“アンバランスゾーン”で起こる不可解な現象や怪事件を描く1話完結型のSFドラマだ。

映画ナタリーでは「Panasonic presents デジナタ」連載内で、造形作家としても知られる片桐仁にインタビューを実施。パナソニックテレビの最上位モデル「4K有機ELビエラ GZ2000シリーズ」と最高グレードのUltra HD ブルーレイプレーヤー「UB9000」を使って、片桐がセレクトしたエピソードを鑑賞してもらった。ガラモンやカネゴンといったおなじみのウルトラ怪獣への愛や、“異様な熱量”を感じたという特撮シーンへのリスペクトもたっぷり語っている。

取材・文 / 山里夏生 撮影 / 後藤壮太郎

Panasonic「4K有機ELビエラ GZ2000シリーズ」

Panasonic「4K有機ELビエラ GZ2000シリーズ」65v

自社設計の有機ELディスプレイを採用。有機ELの発光性能を最大限に引き出し、より高輝度・高コントラストな映像表現が実現した。これにより白飛びや黒つぶれのないクリアな映像を楽しむことができる。さらに、天井方向からの音の反射を利用するイネーブルドスピーカーを搭載。立体音響Dolby Atmos®にも対応しており、臨場感あふれるサウンドを体感できる。BS4K / 110度CS4Kダブルチューナー内蔵のため、新4K衛星放送を視聴しながら裏番組を録画することも可能だ。

DP-UB9000(Japan Limited)

DP-UB9000(Japan Limited)

Ultra HD ブルーレイ再生に対応したUltra HD ブルーレイプレーヤーのフラッグシップモデル。最新のHDR規格である「HDR10+」「Dolby Vision」に対応しているため、シーンごとに映像の明るさを最適化し、映像制作者の意図に合わせたHDR映像が再現可能に。従来の4K・HDR映像も独自の高精度「HDRトーンマップ」技術により、自動的に適切な高画質で楽しむことができる。またTuned by Technicsによる振動とノイズを低減した高音質も特徴。

このテレビで「ウルトラQ」を観るのは大人のぜいたく

──今回は「4K有機ELビエラ GZ2000」とUltra HD ブルーレイプレーヤー「UB9000」を使用して、4K UHDでよみがえった「ウルトラQ」を観ていただこうと思います。片桐さんのご自宅はどのような視聴環境ですか?

テレビにはあまりこだわりがないんです。リビングに置いてあるので音が大きすぎると怒られちゃうし、こういう専用の部屋があるといいですよねえ。義理の兄の家にはシアタールームがあるんですよ、絶対寝ちゃうんですけど。憧れはすごくあります。

──本日は65インチのモデルです。

「4K有機ELビエラ GZ2000シリーズ」の薄さに驚く片桐仁。

うわ、でっかい! そしてうすっ!! スマホよりも薄いですよ。

──音を天井に反射させることで映画館のように上からも聞こえて、より臨場感を味わえます。

(テレビの後ろに回って)これ、スピーカー! こんな向きに付けます? 天井の高さによって設定してくれるんですか? 面白いなあ。

──有機ELパネルの性能は作品を観て確認していきましょうか。

……ちょっと一度地上波のテレビを観てもいいですか? 「シャキーン!」とか相当ガチャガチャしそう。

──(笑)。大丈夫ですよ、せっかくなのでBS4Kの映像を観てみましょう。

(南極や名画の映像を観ながら)おおーすっごい!(南極観測船の)しらせー! 名画とか肉眼よりも細かいところが見えます。

──いかがでしたか?

「腕の幅ギリギリ!」と65インチのディスプレイに感動する片桐仁。

いやあ、人の顔とかは見えすぎちゃって大変ですよね。ちょっとダイナミックすぎるかもと思ったんですが、映像のモードを変えられるし、すぐに慣れそうです。このテレビであえてモノクロの「ウルトラQ」を観るのはぜいたくですね。大人のぜいたく。

──プレーヤーも4K UHD ブルーレイを再生するにあたって最上位のモデルをご用意しました。本体の素材が金属製なのでとても重いんです。

うちレコーダーはDIGAを使ってますよ。(Ultra HD ブルーレイプレーヤーを持ち上げて)おお、重い! これは配送業者いやでしょうね(笑)。でも中の機械がぶれないようになっているから、重さにやっぱり意味があるんですね。

白髪とひげが生えたら、絶対博士役をやりたい

──まず始めに従来のHDとの比較映像をご覧いただければと思います。

HDと4K UHDの比較映像を観る片桐仁。

全然違う! 黒と白がはっきり見えます。ナメゴンもすごくぬらぬらしていて怪獣の質感がわかりますね。ミニチュアセットもミニチュア感がすごいですけど、それがいい。実物があるって感じがします。これは白黒だからこそ、かえってよくわかるのかもしれないですね。

──本編も観ていきましょう。今回は片桐さんに第13話「ガラダマ」、第15話「カネゴンの繭」、第16話「ガラモンの逆襲」をセレクトしていただきましたが、なぜこのお話を?

ガラモンとカネゴンが大好きで、昔からフィギュアをたくさん集めていたんです。実はフィギュアから入ったので、どういう怪獣なのかは知っていてもお話をちゃんと観たことがないんですよ。

──そうなんですね。では隕石怪獣ガラモンが登場する「ガラダマ」を再生していきましょう。

「ウルトラQ」第13話「ガラダマ」

第13話「ガラダマ」

熊谷ダム付近で異常に軽い隕石が発見された。調査へと向かった一の谷博士、万城目たちの目の前でダムに隕石が落下。湖水が一瞬にして蒸発したそのあとに、隕石怪獣ガラモンが現れた!

ガラダマを吊る糸を発見した片桐仁。

楽しみだなあ。うわ、ガラダマが落ちてくるところの糸! 糸がはっきり見える! (佐原健二演じる)万城目さんと(西條康彦演じる)一平くんのコンビもいいですよね。桜井浩子さん演じる由利ちゃんのびっくりした顔もかわいいです。キャストの皆さんの眼力が強い感じや、しっかりした骨格が4Kで際立ちますね。

──当時の俳優さんは今とはまた違ったお顔立ちですよね。

うん。(江川宇礼雄演じる)一の谷博士もいい味出してるなあ。この歳で白髪とひげが生えていたら、絶対博士役やりたいですもん。若いと白衣を着る役ってマニアックな研究員みたいになっちゃいがちですけど、白髪を手に入れさえすればちょっとした権威のある役ができるじゃないですか。いつかああいう博士がやりたいです。

──万城目さんみたいなアクティブな役はどうですか?

いやあ、アクションがド下手なんですよね。「鉄神ガンライザー」という岩手のご当地ヒーローをやらせていただいていますが、人がやってるようにはできないっていうのを散々実感してますからね、僕は。ほんとに殺陣ができなくてね……。

「ウルトラQ」第13話「ガラダマ」

──ガラモンがガラダマから誕生するシーンになりました。

ガラダマが光っててきれい! 発光しているのが白黒なのにちゃんとわかります。あはははは、生まれてきた。この動作がかわいいですよね。動いているときにカチャカチャ鳴る金属の音も面白いです。なんの音なんだろう。

──次に「カネゴンの繭」を観てみましょう。

「ウルトラQ」第15話「カネゴンの繭」

第15話「カネゴンの繭」

お金を集めることが大好きな金男少年。彼は振るとお金の音がする奇妙な繭に飲み込まれ、コイン怪獣カネゴンになってしまった! 元の姿に戻るためには工事現場のヒゲオヤジを逆立ちさせなければいけないらしい……。

カネゴンのかわいさに顔をほころばせる片桐仁。

子供がわちゃわちゃするのが好きなんだよなあ。あ、出てきました出てきました。かわいいー! これは秀逸なデザインですよ。カネゴンだからといって硬貨みたいなデザインにしないんですよね。あと、カネゴンはずっとストーリーに出てこれる。大きい怪獣だとあまり使えないけど、カネゴンは人間大だからドラマパートに入れ込めるし。

──なるほど。造形作家の片桐さんならではですね。次のカネゴンが銀行から逃げるシーンは下北沢で撮影されました。

「ウルトラQ」第15話「カネゴンの繭」

え、ほんとに!? これ小田急線? 当時は東京でロケしやすかったんだろうなあ。今は東京だとけっこう嫌がられて難しいんです。東京以外の関東はみんなウェルカムで優しいんですけどね。

──そういう事情があるんですね。最後にブルドーザーがひっくり返るシーンは落ちる直前までが本物で、落ちるシーンはミニチュアなんです。

完璧なつなぎですね! ミニチュアが本物にしか見えないです。カネゴンがロケット噴射で飛ぶところ、爆発の光がすごくきれいです。